大阪法律事務所開設

弁護士法人心は、2021年5月7日付で弁護士法人心大阪法律事務所(関西本部)を大阪駅前第3ビル30階にオープンしました。

大阪駅から徒歩5分、北新地駅から徒歩1分、東梅田駅から徒歩2分の場所ですのでアクセスしやすい立地となっております。

 

弁護士法人心大阪法律事務所オープンに伴い、私を含め3名の弁護士が名古屋から大阪法律事務所へ異動になりました。

名古屋から大阪法律事務所に異動となった3名の弁護士はそれぞれ借金問題、相続、交通事故と注力している分野が異なります。

そのため、それぞれの強みを生かし、3名で力を合わせながら弁護士法人心大阪法律事務所を盛り立てていければと考えております。

 

なお、大阪に異動となりましたが、私は引き続き名古屋地域の交通事故もそのまま担当させていただく予定です。

環境は変わったものの、交通事故被害に遭われた方などのお力に少しでもなれるよう変わらず対応していきたいと思います。

 

再び各地で新型コロナの感染者が増加しております。

大阪の医療体制がひっ迫しているとのニュースも日々流れておりますので、引き継き外食の自粛や手洗いの徹底など感染対策をしっかりと行いながら、新たな環境で頑張っていきたいと思います。

代車使用期間

交通事故によって車両の修理や買換えが必要であり,かつ,代車を使用する必要性がある場合には,修理または買換えに要する「相当な期間」の代車使用料が交通事故と相当因果関係を有する損害として認められます。

「相当な期間」には,事情に応じて見積りその他の交渉をするのに必要な期間も含まれるものと解されています。

 

修理自体に必要な期間が「相当な期間」に含まれることは争いはありませんが,交渉期間,検討期間,部品調達期間,営業車登録のための期間,保険会社の対応期間が「相当な期間」に含まれるのかが争われることがあります。

例えば,交渉期間については,損害保険会社の担当者は,被害者に対して合理的な損害賠償額の算定方法について十分かつ丁寧な説明をなし,被害者の理解を得るように真摯な努力を尽くすべきであって,そのために時間を要し,その結果,修理に着手する以前の交渉期間中の代車料が生じたとしても,それが,損害保険会社の具体的な説明や交渉経過から見て,通常予測し得る合理的な範囲内に留まる限り,損害保険会社はその代車料についても当然に負担すべき責任を負うとした裁判例があります(神戸地裁平成3年6月12日判決)。

また,保険会社の対応については,例えば,損害保険会社のアジャスターが,検討するとして持ち帰り,その後,被害者には何ら連絡することもなく交渉から降りたことにより修理の開始が遅れたことについて,遅延については,加害者側にその責任があるとして,その期間を代車使用の相当な期間と認めた裁判例があります(神戸地裁平成13年3月21日判決)。

 

代車使用期間としての「相当な期間」の判断は一概には行えないため,弁護士として「相当な期間」を検討する際は,具体的事情に照らして検討することを忘れないように注意したいと思います。

 

 

労災保険と確定遅延損害金

交通事故に遭った場合,交通事故の被害者は加害者に対し,不法行為による損害賠償請求を行うことができます。

加害者が負う損害賠償債務は,不法行為の時に発生し,かつ,何らの催告を要することなく遅滞に陥るものと解されています(最判昭和37年9月4日判決)。

そのため,不法行為の時から遅延損害金は発生します。

 

しかしながら,仕事中や通勤中に事故に遭い,労災保険から治療費,休業損害,障害(補償)給付などの支給を受けている場合,上記不法行為の時から労災保険から保険金が給付されるまでの間の遅延損害金は発生しないと解されています(最判平成22年9月13日判決)。

労災保険からの給付を受けた時に遅延損害金が発生しない理由については,「被害者が不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合においては,不法行為の時から相当な時間が経過した後に現実化する損害につき,不確実,不確定な要素に関する蓋然性に基づく将来予測や擬制の下に,不法行為の時におけるその額を算定せざるを得ない。その額の算定に当たっては,一般に,不法行為の時から損害が現実化する時までの間の中間利息が必ずしも厳密に控除されるわけではないこと,上記の場合に支給される労災保険法に基づく各種保険給付や公的年金制度に基づく各種年金給付は,それぞれの制度の趣旨目的に従い,特定の損害について必要額をてん補するために,てん補の対象となる損害が現実化する都度ないし現実化するのに対応して定期的に支給されることが予定されていることなどを考慮すると,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,これらが支給され,又は支給されることが確定することにより,そのてん補の対象となる損害は不法行為の時にてん補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが,公平の見地からみて相当というべきである。」とされています。

 

上記のように労災保険と自賠責保険のどちらから支払いを受けているかで,確定遅延損害金が発生するか否かの判断が異なります。

それ以外にも各種保険から給付を受けている場合,充当関係,損益相殺などの判断がそれぞれの保険で異なることが多いため,賠償請求時には誤らないよう弁護士として注意していきたいです。

 

TFCC損傷と素因減額

交通事故により転倒するなどして手首を負傷した場合,TFCC損傷と診断されることがあります。

(TFCC損傷とは手首の小指側にある骨と骨の間にあるハンモック状の組織(三角繊維軟骨複合体:Triangular Fibrocartilage Complex)を損傷することを意味します)

 

TFCC損傷は,交通事故による外傷以外でも継続的に仕事で手を酷使することで生じたり,加齢によって生じたり,もともと腕の骨が長いことによって生じたりと様々な要因によって生じます。

 

そのため,交通事故被害者の方が自賠責保険でTFCC損傷が事故で生じたとして後遺障害等級認定が得られたような場合でも,加害者が加入している保険会社などからは,TFCC損傷の発症には,事故による外傷だけではなく被害者側の要因(素因)の関与が考えられるため,賠償金を減額するべきであると素因減額を主張されることがあります。

 

しかし、TFCC損傷の後遺症を肯定した裁判例には,素因減額がされてない例も多くあり,加害者が加入している保険会社などから素因減額を主張された場合には,不当な減額がなされないよう具体的事情にあわせて適切な反論することが重要となります。

 

どのような場合に素因減額がなされているのか弁護士として裁判例の検討を行いたいと思います。

仕事納め

今年は,本日で仕事納めの予定です。

すっかり,マスクを付けての生活には慣れたものの,今年は新型コロナの流行で今までにない1年でした。

事務所から感染予防のため外食の自粛要請があったこともあり,外食ができない1年ともなりました。

昨年の今頃は夏には,新型コロナの流行は治まっているだろうと思っていましたが,そんなことはなかったですね。

東京オリンピックは開けるのでしょうか・・・

 

最近は,気温が下がったためか感染者数はますます増加しており,新型コロナの流行が治まる日は来るのだろうかと不安に思います。

年末年始も気を引き締めて感染対策をしようと思います。

例年であれば,学生時代の友人等と年末年始集まったりするのですが,今年は感染予防のため家で過ごす予定です。

紅白でもみながらゆっくりとした年末を過ごしたいと思います。

 

来年は,1月4日から仕事始めの予定です。

年明け以降に昨年のように緊急事態宣言が出されたりした場合,弁護士として依頼者の方から請けている交通事故案件の進行に影響が出る可能性もあり,新型コロナのニュースをみていると暗い気持ちになりますが,年末年始で英気を養いたいと思います。

また,年明けから頑張ります。

内部研修

先日,事務所内で交通事故に関する内部研修がありました。

今回の内部研修では,専門的なテーマを深掘りするというよりは,交通事故案件を担当している弁護士が知っておかなければならない基礎的な部分を再度学び直すような内容でした。

 

改めて交通事故を扱う上で大切な基礎的な部分についての研修を受けると,初心に立ち返ることができ良かったです。

交通事故に遭われた被害者の方の代理人として活動するにあたり,一番大切なことは,「事件の解決でも高い賠償金を獲得することでもない」「依頼者の満足」であり,手段と目的を取り違えないように注意する必要があるとの話を研修で聞き,最近の自分は「依頼者の満足」がどこにあるか丁寧に考えられていただろうかとハッとさせられました。

弁護士の実現すべきことは,交通事故被害者の方に適切な賠償金を受け取っていただけるよう尽力し,交通事故被害者の方の無念さや被った損害を回復する手助けをして,交通事故被害者の方に弁護士に依頼して良かったと思っていただくことです。

「依頼者の満足」を実現するための手段ばかりに気を取られ,交通事故被害者の方の気持ちに寄り添うことを疎かにしないよう,常に初心を大切にしていきたいと思いを新たにしました。

 

専門的な内容を深掘りする研修も面白いですが,今回の研修では,基礎的な部分を学ぶ研修を定期的に受ける良さを実感しました。

交通事故と労災②

最高裁平成30年9月27日判決(判例タイムズ1458号100頁)において,自賠法16条1項に基づく直接請求権を行使する被害者は,被害者が労災保険給付を受けてもなお補填されない損害について,労災保険法12条4項1項により移転した直接請求権を行使する国に優先するとの判断が示されました。

上記判断により,交通事故の被害者は労災保険から120万円を超える治療費などの給付を受けていたとしても自賠法16条1項に基づく直接請求権を行使して,慰謝料などを支払いを国に優先して受けられることが明らかにされました。

そのことにより,加害者側が任意保険に加入していない場合などに被害者が手厚く救済されることとなります。

また,被害者側にも過失があり,過失相殺後の裁判基準の慰謝料額が自賠責保険基準での慰謝料額を下回るような場合は,自賠法16条1項に基づく直接請求権が国に優先することで被害者側が受け取れる慰謝料額が増えるケースがあります。

交通事故に遭ってしまったとき自身にも過失がある場合は,やはり労災保険を利用できる場合は,利用した方が良いケースが多いと考えています。

労災保険を利用しているか否かで,最終的に受け取れる慰謝料などの額が変わる可能性があります。

弁護士としても交通事故に遭われた方にしっかりと情報提供できるようしっかりと情報を得ていきたいと思います。

後遺障害逸失利益の定期金賠償

最高裁令和2年7月9日判決において,従来の裁判例でも比較的,定期金賠償の方法が認められてきていた将来介護費用に加えて後遺障害逸失利益についても定期金賠償の方法が認められました。

 

最高裁令和2年7月9日判決は,被害者が後遺障害逸失利益について定期金賠償の方法を求めており,被害の原状回復と損害の公平な分担という不法行為に基づく損害賠償制度の目的及び理念に照らして「相当」と認められるときは、同逸失利益は、定期金による賠償の対象となるものと解されるとしています。

ただ,どのような場合に「相当」といえるかは本最高裁判決では明らかにされているとはいえません。

本最高裁判決の原審である札幌高裁平成30年6月29日判決は,個々の事案において定期金賠償を認めることが相当といえるかは,①被害者の年齢や後遺障害の性質や程度,介護状況などに照らし,後遺障害逸失利益については将来の事情変動の可能性が比較的高いといえるか否か,②被害者側が定期金賠償によることを求めており,その求めが,後遺障害や賃金水準の変化への対応可能性といった定期賠償の特質を踏まえた正当な理由によるものであると理解できるか否か,⓷将来の介護費用についても長期にわたる定期賠償が認められており,後遺障害逸失利益について定期賠償を認めても,加害者側において損害賠償債務の支払管理等において特に過重な負担にならないと考えられるか否かなどの事情を総合的に考慮して,定期金賠償を認める合理性があり,これを認めるのが相当といえるかで判断されるとしており,参考となります。

 

後遺障害逸失利益において定期金賠償の方法が認められると,一時金賠償ではなされる「中間利息控除」がなされなくなり,支払われる賠償金の総額が増えるとのメリットがあります。

他方で,判決後の事情の変化により場合によっては途中で賠償額を減額されたり(不利ばかりでなく有利に事情は変化することもあります),長い賠償期間中に加害者の支払い能力が不足したり,若年者の場合,就労可能年齢に達するまで定期賠償が受け取れなかったりするデメリットがあります。

 

交通事故に遭い,重度の後遺障害が生じた場合,後遺障害逸失利益を賠償金を一時金賠償の方法で受け取るのか,定期金賠償の方法で受け取るのか慎重な判断が必要となります。

弁護士として,定期金賠償の方法がどのような事案で「相当」といえるのかしっかりと検討していきたいと思います。

自賠責保険の支払い基準の改正

自賠責保険の支払い基準の改正がありました。

 

令和2年4月1日以降に発生した交通事故には,改正された自賠責保険の支払い基準に基づいて保険金が支払われます。

主に改正された点としては,

⑴ ライプニッツ係数の変更

民法改正に伴い法定利率が5%から3%変更されたことによりライプニッツ係数が変更されました。

⑵ 入院慰謝料の増額

4200円/日から4300円/日に増額されました。

⑶ 休業損害の増額

5700円/日から6100円/日に増額されました。

⑷ 入院看護料・通院看護料の増額

⑸ 死亡慰謝料の増額

⑹ 葬儀費用の増額

⑺ 後遺障害慰謝料の増額 などです。

 

上記のように自賠責保険支払基準が全体的に増額されました。

ただ,自賠責保険から支払われる保険金の限度額が増額されたわけではありません。

傷害による損害の限度額は120万円のままです。

 

令和2年4月1日以降に発生した交通事故は,自賠責保険の支払基準がそれ以前に発生した交通事故と異なるため,自賠責保険からいくら支払われるのか検討する際は,注意が必要となります。

弁護士として,交通事故が発生した日により,支払基準が異なることを見落とさないよう注意していきたいと思います。

 

交通事故とインプラント治療

交通事故に遭ったことで,歯を失ってしまうことがあります。

歯を失ってしまった場合に考えられる治療方法としては,①義歯,②ブリッジ,③インプラントがあります。

この中で,インプラント治療は比較的高額となるため,その治療方法の選択が適当なのかが争われ,場合によっては,インプラントの治療費について賠償を受けられないことがあります。

 

どの治療方法が適当かを判断する要素としては,①咬合能力,②審美性,③長期安定性,④治療によるリスクを総合的に勘案して判断されます。

例えば,前歯を失い,歯槽骨などが委縮している場合,単純な義歯では審美性の回復が得られず,咬合能力の回復も得られない可能性があります。

ブリッジでは,治療の際に欠損した歯の両隣の歯を削る必要があるところ,両隣の歯が健康な歯である場合,その歯の寿命を縮めることになる可能性があります。

インプラントは咬合能力などの面で優れている一方,手術の際に神経や血管を損傷するリスクや歯槽骨の状態によってはインプラントの安定を得られない可能性があります。

 

どの治療方法もメリットとデメリットがあるため,交通事故により,歯を失ってしまった場合,どのような治療方法が適当なのかは,審美性,咬合力などの観点から,しっかりと検討する必要があります。

そして,治療費について,賠償を得るためには,医師がなぜその治療方法を勧めるのか,しっかりと把握しておくことが重要となります。

 

 

 

弁護士法人心は,新たに「弁護士法人心 千葉法律事務所」を開設しました。

12カ所目の事務所開設となります。

千葉県の方で,交通事故でお困りの方は,ぜひ,お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

「あおり運転」厳罰化

朝から,本日より,「あおり運転」が厳罰化されるとの話題がニュースでとりあげられていました。

社会的に「あおり運転」が問題となっていることを踏まえて,道路交通法の改正が行われ,本日から施行されます。

そこで,具体的にどのような法改正がなされたのか確認してみました。

今回の道路交通法の改正で以下の運転行為に対する罰則が創設されたようです。

1 通行妨害目的で,交通危険のおそれのある方法により一定の違反をした場合,懲役3年または罰金50万円以下

一定の違反行為とは以下の行為になります。

⑴ 車間距離不保持

⑵ 進路の変更の禁止の規定に違反する行為

⑶ 追い越しの方法の規定に違反する行為

⑷ 車両等の点灯の規定に違反する行為

⑸ 安全運転の義務に違反する行為

⑹ 最低速度の規定に違反する行為

⑺ 停車及び駐車の規定に違反する行為

⑻ 警音器の使用等の規定に違反する行為

⑼ 通行区分の規定に違反する行為

⑽ 急ブレーキ禁止の規定に違反する行為

2 上記行為によって,高速等において,他の自動車を停止させ,その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合,懲役5年又は罰金100万円以下

3 上記1及び2の行為が免許の取り消し処分の対象として追加(1の場合は欠格期間2年,3の場合は欠格期間3年)

 

自動車は,移動手段として欠かせない反面,人の命を奪う凶器であることを自動車を運転する人全てが本当の意味で理解し,「あおり運転」が無くなればと思います。

 

話は変わりますが,弁護士法人心は,新たに四日市にも事務所を出しました。

四日市在住の方は,ぜひ弁護士法人心四日市法律事務所をご利用ください。

 

家事従事者の基礎収入の計算方法

家事従事者の休業損害や後遺障害逸失利益を算定する際に,家事従事者の収入は,賃金センサス第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎とします。

 

上記賃金センサスに基づく賃金額は,以下のような方法で算定できます。

厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」をインターネットで検索し,そのなかの「一般労働者」の「産業大分類」を選択し,そのなかの「年齢階級別決まって支給する現金給与額,所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」「産業計・産業別」のファイルを見ます。

開いたファイルの「企業規模計(10人以上)」の欄で女性全年齢の数値を確認し,「決まって支給する現金給与額」×12か月+「年間賞与その他特別給与額」で計算していただければ,賃金センサス第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,女性労働者の全年齢平均の賃金額になります。

例えば,平成27年度の数値を当てはめると,25万9600円×12カ月+61万1900円=372万7100円となります。

 

なお,日弁連交通事故相談センター東京支部発行の「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準(赤い本)」には,上記計算後の賃金額が掲載されているため,上記の計算をせずとも金額を確認することが可能です。

家事従事者(主婦)でも,交通事故による怪我によって家事ができなかった場合には,休業損害が認められます。

家事従事者としての休業損害額が適切なのか気になる方は,お気軽に弁護士にご相談ください。

新型コロナ2

もうすぐGWですね。

毎年,GWは地元に帰省することが多いのですが,今年は新型コロナの感染拡大を防ぐため帰省はとりやめました。

新型コロナが終息したタイミングで地元には帰省したいと考えています。

ただ,なかなか新規感染者数は減らないですね。

自粛の効果が現われ,お盆の頃には新型コロナも落ち着くといいのですが・・・

 

新型コロナにより,弁護士の業務にも様々な影響が生じています。

緊急事態宣言を受けて,5月半ば頃までの裁判の期日などが取り消されました。

そして,愛知弁護士会等の業務も縮小され,弁護士の職印の印鑑登録証明書発行の受付などが休止されたことで,職印の印鑑登録証明書が新たに入手できないや23条照会の手続きに普段よりも時間を要するといった影響が生じています。

また,法律相談なども直接会っての面談は極力避け,可能な限り電話で行えるようにしています。

 

微力ではありますが,少しでも早い新型コロナの終息のため,不要不急な外出を減らし,マスク着用,手洗いの徹底を引き続き心がけていきたいと思います。

最近暖かくなってきたこともあり行楽地に出かけたいと思うこともありますが,しばらくはSTAY HOMEを楽しみたいと思います。

新型コロナ対策

新型コロナの流行は終息の方向に向かうことなく,反対に感染者数が増加しており不安ですね。

一刻も早く終息の方向に向かうと良いのですが・・・

 

弁護士法人心でも以下のような新型コロナに対する対策をとっております。

1 相談室内や執務スペース内に消毒液を設置し,手などの消毒をこまめに行えるようにしています。

2 執務スペースなどの窓は可能な限り開けるようにし,換気に努めています。

3 複数人で集まる際は,マスクの着用を徹底しています。

事務所内での会議でもテレビ会議システムなどを活用し,複数人で集まる機会自体を減らす工夫はしていますが,やむを得なく複数人で集まる場合は,マスクの着用を徹底しています。

また,相談に来られた方の相談に乗らせていただく際もマスクの着用をさせていただいております。

ただ,マスクがなかなか売っておらず,新型コロナが流行する前のように容易に入手できないのが難しいですね。

4 弁護士はなかなか難しいのですが,体調が悪い場合は,積極的に休みをとるようにとの通知を事務所全体に流しています。

 

一人一人が新型コロナの感染拡大を防ぐとの自覚を持つことで,少しでも早く新型コロナの流行が終息に向かえばと思っています。

新型コロナ

新型コロナの感染が拡大していますね。

名古屋を含め全国で感染者が増加しており,不安ですね。

 

日々ニュースでは,感染者の増加に加え,マスクや消毒液等の不足を報道しており,実際にドラックストア等でもマスクを購入することが難しい状況となっています。

このような状況下で,手元のマスクが無くなり,かつ,風邪を引いてしまったような場合を考えると不安を感じます。

 

風邪気味の場合には,一人暮らしであれば,ずっと家に居られればマスクがなくとも問題はあまりないのかもしれませんが,

通院や日用品の購入のためにどうしても外出が必要なこともあります。

そのようなときには,周りに病気をうつさないためにマスクは必要です。

マスクの増産が進められているようですので,早くマスクの需要に供給が追いつけばよいのですが・・・

 

先日,裁判所に出廷したとき,その場にいた裁判官や弁護士など全員マスクを付けていました。

法廷のような密閉された空間に複数の人間が集まる場合にも,マスクの着用が感染の予防には重要なのかもしれませんね。

新型コロナについて,変に心配しすぎるのも良くないのかもしれませんが,感染者の急激な増加を防ぐために一人一人ができることを小さなことからでも行うことが重要だと感じました。

 

 

肺損傷と後遺障害(労働能力喪失率)

明けましておめでとうございます。

今年も交通事故に遭われた被害者の方の力に少しでもなれるよう日々邁進したいと思います。

 

今回は,交通事故で肺を損傷してしまった場合について書きたいと思います。

 

交通事故に遭い胸部に外力が加わると肺を損傷(外傷性肺内血種,肺裂傷,肺挫傷等)することがあります。

肺を損傷すると血痰,胸部痛,呼吸困難などの症状が現れます。

肺の損傷は,胸部レントゲンや胸部CTによる画像検査で診断でき,肺が損傷している場合の治療方法としては,肺の損傷の程度により,①安静にして横になっている,②酸素吸入,③肺理学療法,④人工呼吸器による呼吸管理,⑤人工肺(ECMO)といったものがあります。

 

肺の損傷の程度によっては,呼吸機能の障害が残ってしまうことがあります。

呼吸器に障害が残ってしまった場合には,残っている症状について後遺障害等級認定の申請を行うことになりますが,呼吸機能の障害に対して認定される等級の種類は,呼吸機能の障害の程度により決まります。

そのため,呼吸機能の障害の程度に照らした,適切な後遺障害等級の認定を受けるためには,適切な検査を受け呼吸障害の程度を明らかにすることが重要になります。

 

労災補償障害認定必携は,呼吸機能に障害を残したものの等級は,①原則としいて,安静時の動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧との検査結果の組み合わせにより判定するが,②その等級がスパイロメトリーの結果と呼吸困難の程度により判定される等級より低いときは,スパイロメトリーの結果と呼吸困難の程度により判定される等級により認定するとしています。加えて,③安静時の検査結果による判定では等級に該当しない場合でも,運動負荷試験の結果から明らかに呼吸機能に障害があると認められものについては等級を認定するとしています。

そのため,呼吸機能の障害について適切な等級の判断を得るためには,①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧検査,②スパイロメトリー検査,③運動負荷試験を適切に受けておくことが重要になります。

 

交通事故により肺を損傷したことで,呼吸機能に関する症状がある方は,早めに弁護士に一度相談していただくと良いと思います。

 

脊柱変形と後遺障害逸失利益

脊柱の障害については後遺障害別等級表上,変形障害と機能障害について等級が定められています。

今回は,脊柱の変形障害と後遺障害逸失利益の問題について少し詳しく記載したいと思います。

 

1 脊柱変形の後遺障害等級の種類と認定基準

脊柱変形の後遺障害は,以下の3段階で認定されています。

脊柱に著しい変形を残すもの 6級

脊柱に中程度の変形を残すもの 8級

脊柱に変形を残すもの 11級

圧迫骨折等による脊柱変形障害が上記3段階のどの段階に該当するかは「労災補償障害認定必携」に掲載されている認定基準に従い判断されています。

 

2 後遺障害等級認定の対象となる脊柱

解剖学上,脊柱は,頸椎,胸椎,腰椎,仙骨及び尾椎から構成されています。

ただ,後遺障害等級表上の脊柱とは,「頸部及び体幹の支持機能ないし保持機能及び運動機能に着目したものであることから,これらの機能を有していない仙骨及び尾骨については,「せき柱」には含まない」とされています(「労災補償障害認定必携・第16版・234頁参照)。

 

3 脊柱変形で後遺障害逸失利益が問題となる理由

脊柱変形の後遺障害は運動機能への障害を伴っていないため労働能力喪失率が後遺障害別等級表の目安労働能力喪失率よりも低くなると主張されることがあります。

しかしながら,このような主張は適切ではないと考えています。

後遺障害別等級表上の脊柱は,上記したように頸部及び体幹の支持機能ないし保持技能及び運動機能に着目したもとのされています。

したがって,脊柱変形の後遺障害においては,頸部及び体幹の支持機能ないし保持機能及び運動機能の減少があると考えられます。

そのことにより,疼痛や疲れやすくなったりなどの症状が生じるといえます。

そのため,脊柱変形の後遺障害でも労働能力は失われており,変形障害であることのみを理由に労働能力喪失率を低く判断することは定説でないと考えます。

脊柱変形の後遺障害では,その障害によりどのような労働能力の低下があり,仕事への影響があるのかを丁寧に主張する必要があります。

弁護士として労働能力喪失率が争われた場合はしっかりとした反論を行っていきたいと思います。

名古屋で後遺障害について弁護士をお探しの方はこちらをご覧ください。

後遺障害と後遺障害逸失利益

交通事故により怪我を負い後遺障害が残ってしまった場合,後遺障害逸失利益(後遺障害がなければ将来にわたり得られたであろう利益)の損害評価が問題となるケースがあります。

後遺障害逸失利益の存在自体が争われる際によく問題となるのは,①後遺障害とされた残存症状による労働能力喪失が観念できるか,②症状固定後に事故前と比較し明らかな減収がない場合に損害が観念できるのか,という点です。

 

① 後遺障害とされた残存症状による労働能力喪失が観念できるか

残存症状による労働能力の低下は,「労働省労働基準局長通牒(昭和32.7.2基発第551号)別表労働能力喪失率表を参考とし,被害者の職業,年齢,性別,後遺症の部位,程度,事故前後の稼働状況等を総合的に判断して具体例にあてはめ評価する。」とされています(赤い本2018年上89頁)。

多くのケースでは,上記労働能力喪失表を参考に労働能力喪失率が評価されますが,①外貌醜状,②脊柱変形,③鎖骨変形,④歯牙障害,⑤3cm未満の下肢短縮,⑥味覚・嗅覚障害,⑦脾臓喪失などの残存症状に後遺障害が認定されている場合は,後遺障害による労働能力による影響が労働能力喪失率表より少ないとして労働能力喪失率が低く認定されるケースがあります。

そのため,上記のような残存症状について後遺障害等級認定がなされている場合は,当該残存症状が被害者の収入などに将来的にどのような影響を与える可能性があるかを具体的事情にあてはめ検討主張することが重要となります。

 

② 減収がない場合

後遺障害等級が認定され,計算上は後遺障害逸失利益を計算できたとしても現実には減収がないことがあります。

このような場合,減収がない以上,後遺障害がなければ将来にわたり得られたであろう利益の喪失はないとして,後遺障害逸失利益の発生が否定されるケースがあります。

ただ,減収がない場合であっても,昇級等における不利益,転職時における不利益の可能性,事故前と比較した場合の本人の努力による収入の維持といった諸事情を考慮して後遺障害逸失利益が損害として認められているケースは多いです。

 

後遺障害逸失利益は争点の多い損害項目ですので,弁護士として具体的事情を踏まえた主張をしっかりと行っていきたいと思います。

改正相続法

弁護士法人心では定期的に所属弁護士向けに法律に関する研修が行われています。

最近は,民法改正についての研修が行われており,先日は,相続法改正に関する研修が行われました。

 

相続法は生存配偶者保護,遺言の利用促進,相続人を含む利害関係人の実質的公平などを目的に法改正が行われました。

 

研修では,新たに設けられる配偶者居住権等について,その法的性質,効果,配偶者居住権の価額の評価方法などについて取り扱われました。

また,遺産分割に関して見直された規定などについても取り扱われました。

 

施行日はまだ少し先ですが,制度が変わる部分についてはしっかりと把握し,相続に関する質問を受けた際には,誤った説明などをすることがないようにしたいと思います。

普段,私は交通事故の案件を多く取り扱っているため,相続の案件を取り扱うことは少なく,なかなか自身では相続法の改正内容についての把握等は疎かにしがちなところがあります。

事務所で時間を割いて勉強する機会を設けてもらえることは助かります。

 

なお,次回は民法改正に関する研修ではなく消費税変更に付随する問題について研修で取り扱う予定とのことです。

普段の仕事には直接関係のないテーマですが,興味深いテーマだと思うので,次回研修が楽しみです。

等級認定と介護費用(高次脳機能障害)

自賠責保険の後遺障害等級表では,高次脳機能障害の介護の程度により等級を分類しており,別表1第1級は「常に介護を要するもの」,別表1第2級は「随時介護を要するもの」,第3級は「声掛けや,介助なしでも日常の動作を行える。」としています。

そのため,3級以下の後遺障害等級認定で将来の介護費用が損害として認められるのかが争点となる場合があります。

 

この点,上記分類に関わらず,3級障害以下の将来の介護費用が認定されるケースが多々見られます。

その理由について,少し古い本ですが「高次脳機能障害と損害賠償ー札幌高裁判決の開設と軽度外傷性脳損傷(MTBI)について」という本に興味深い記載がありました。

当該本では,以前の日本社会では,「患者以外にも誰かしらの家族が家の中に居て,常に一緒に居られる環境が存在した。もし家の中で患者に何か起きた場合,家族が直ぐに対処できた。」「このように,」「自宅外の一般労務はできなくとも,日常生活に介護までは必要としない」という3級の定義が存在したが,現在の日本では,核家族化が進み監視や声掛けを行う者が将来においても必要となるとして3級障害以下の将来の看護費用を認めるケースが出てきたとしています。。

 

「介護」「監視」「声掛け」をどのように損害として評価するのかは難しい問題ですが,3級障害以下の場合でも将来の介護費用は認められることを意識することは重要です。

高次脳機能障害の方の具体的な症状や生活状況に照らし,「介護」「監視」「声掛け」がどの程度必要なのかを個別具体的に主張立証することが弁護士としては重要となると思います。

高次脳機能障害についての弁護士法人心名古屋駅法律事務所のサイトはこちらをご覧ください。