GW

もうすぐGWですね。

 

GWの前半はいい天気が続くとのことで,絶好のドライブ日和になりそうですね。

車で出かけられる方は交通事故に気を付けつつドライブをお楽しみください。

 

道路が渋滞している場合など,ブレーキから足を離してしまい,クリープ現象で前の車に衝突してしまうことがあります。

クリープ現象とは,オートマチック車でエンジンがアイドリング状態にあるときに,アクセルを踏まなくてもブレーキから足を離すと車がゆっくりと動き出す現象です。

クリープ現象により前の車に衝突した場合,衝突した車はスピードが出ていませんので,通常車両の損傷は軽微なものとなります。

そのため,傷のみで凹みが生じない場合も多いです。

 

クリープ現象により事故が発生した場合に問題となるのが,追突された車に乗車していた被害者が怪我を負うのかということです。

低速度で追突された場合は,追突の衝撃で首が鞭のようにしなるとは考えられないとして,交通事故と頸椎捻挫等の傷害の間の相当因果関係が否定されるケースがあります。

 

しかしながら,低速で追突された場合でも事故後に頚部痛を訴える被害者の方は多くおられます。

いわゆるむち打ち症は,痛みの原因が検査結果などに現れませんので,車両の損傷の程度が低い場合にどのようにそのような被害者の方を手助けできるかいつも考えさせられます。

 

少しでも弁護士として交通事故被害者の方の手助けになれるよう日々精進したいと思います。

後遺障害逸失利益2

後遺障害逸失利益は,基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数という計算式が用いられています。

 

基礎収入は,原則として事故前の現実収入が基礎となります。

事業所得者の基礎収入は,事故前年度の確定申告書記載の所得金額を参考にします。

ただ,事業所得者の場合は,申告額と実収入額が異なることがあります。

そのような場合は,実収入額を立証し,実収入額を基礎収入であるととして後遺障害逸失利益を算定することもあります。

 

裁判などでは,確定申告書記載の所得金額が重視されますので,確定申告記載の所得金額が実収入と異なる場合やそもそも確定申告をしていないような場合は,しっかりとした実収入を基礎付ける資料がないと実収入額の立証は難しいことが多いです。

神戸地裁平成29年9月8日判決は,確定申告をしていなかった原告の基礎収入に関し,「売上高や営業利益が判然としない」「事故前,原告の事業は,経費が上回るいわゆる赤字の状態が続いていたことが窺がわれる。」「原告は,月額60万円程度の売上高があり,25%程度の原価等を差し引いて月額平均40万円程度の利益があった旨供述するが,・・・・納品書,領収書,通帳以外に上記供述を裏付ける的確な証拠はなく,上記供述は採用できない。」として,事故前の収入を認定することはできないとし,後遺障害逸失利益の発生を否定しました。

ただ,当該判決は,事業の維持・存続に必要やむを得ない固定経費の支出は休業損害に該当すべきであるとして,事業所の家賃÷30日×休業日数の休業損害を認定しています。

 

事業所得者の基礎収入や休業損害をどのように捉えるかは事業の内容によっても変わってきます。

確定申告書記載の所得金額が実収入と異なる場合は,実収入の立証が難しいことが多いですが,交通事故被害者の方には,実際に実収入を基礎とした損害が生じていますので,事業所得者の方にも適切な賠償金を受け取っていただけるよう努めたいと思います。

交通事故による逸失利益については,弁護士法人心のこちらのサイトもご覧ください。

内部研修

最近,時間が経つのが早いです。

2月も気づけば終わり,もうすぐ春ですね。

 

先日,定期的に事務所内で行われている交通事故に関する研修がありました。

 

各研修では,担当者が決められたテーマに関して,発表するのですが,今回は,人身傷害保険の仕組みなどについての発表がありました。

 

人身傷害保険を上手く利用すれば,交通事故の発生に関し,被害者側に一定の過失があった場合でも人的損害に関し,過失がない場合と同様の賠償金を受け取れることがあります。

ただ,人身傷害保険を利用するタイミングや裁判で解決するか示談で解決するかなどで最終的な受取額が変わってきます。

また,各保険会社で人身傷害保険の約款が異なる部分もありますので,しっかりと各保険の仕組みを理解した上で,弁護士として,交通事故被害者の方のご要望にあった提案ができればと思っています。

 

研修内では,学術的な部分だけではなく,各保険会社の約款の相違,具体的な事例,各弁護士がどのような対応をしているのかといったことを知ることができ,とても勉強になりました。

 

ついつい新たな情報の入手などが疎かになってしまいがちですので,研修の機会を生かし,日々情報の更新に努めたいと思います。

後遺障害逸失利益

交通事故により負った怪我が治りきらず症状が残ってしまう場合,自賠責で後遺障害等級認定を受けられることがあります。

自賠責で後遺障害等級が認定されると,交通事故の相手方に対する後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益の請求が認められやすくなります。

後遺障害逸失利益とは,後遺障害がなければ将来にわたって得られたであろう利益をいいます。

 

 

一般的に後遺障害逸失利益を計算する場合には,基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数

という計算式が用いられています。

 

基礎収入は,原則として事故前の現実収入が基礎となります。

ただ,後遺障害逸失利益は,将来にわったて得られたであろう利益を問題とするため,将来,現実収入額以上の収入を得られる立証があれば,その金額を基礎収入とすることもできます。

労働能力喪失率については,認定された後遺障害等級によりある程度基礎となる率が決まっています。

例えば,後遺障害等級12級が認定された場合には,労働能力喪失率は14%が一応の目安となります。

 

 

なお,自賠責保険で後遺障害等級が認定されたとしても,必ず後遺障害逸失利益が認定されるわけではありません。

実際には症状が残ったことに起因する減収がない場合や,具体的事情から労働能力が失われていない場合は,後遺障害逸失利益が否定される場合もあります。

千葉地裁平成28年5月17日判決は,自賠責で右足関節機能障害に関し後遺障害等級12級が認定されていた男性について,出張先等にもロードバイクを持参しトレーニングを積んでいたことをもって,継続的に運動をこなしている状況をみると関節痛のために十分に仕事ができないとか,将来にわたり仕事が長続きしないとかの事実は認められないとして行為障害逸失利益を否定しています。

 

弁護士として,後遺障害逸失利益が生じているか案件ごとに丁寧な検討を心がけたいです。

後遺障害について弁護士を名古屋でお探しの方はこちら

個人事業主の休業損害と逸失利益

先日,事務所内で交通事故に関する研修がありました。

今回の研修では,発表担当弁護士が,個人事業主の休業損害と逸失利益をどのように把握するかについて発表をしました。

(弁護士法人心では定期的に各分野を取り扱う弁護士ごとに集まり研修を行っています)

 

個人事業主の休業損害や逸失利益は,原則として,確定申告書に基づき算定されます。

確定申告書には,個人事業主の方の所得が全て反映されているはずであるからです。

 

しかしながら,様々な理由から申告していない所得がある場合があります。

このような場合,確定申告書に基づき休業損害や逸失利益を算定したのでは,個人事業主の方に実際に生じた損害を把握できていないことになります。

そのため,個人事業主の方としては,当然,確定申告書に基づいてではなく,実際の所得に基づき休業損害や逸失利益を賠償してもらいたいと考えられる方もおられます。

 

確定申告書記載の所得以上の所得があったと認定されるためには,所得があったことを裏付ける資料が必要となります。

また,単に裏付ける資料があるだけでは足りず,その資料が信用性がある認められるものであることが必要となります。

 

裁判例の中には,確定申告書記載の所得以上の所得を認定したものもありますが,所得があれば申告することが原則のため,確定申告書記載以上の所得があったと簡単には認定されません。

 

今回の研修では,確定申告外の所得を認めた裁判例の発表があり,どのような資料がある場合に確定申告外の所得が認定されるのかの参考にでき,良かったです。

交通事故による休業損害については,こちらもご覧ください。

繊維筋痛症と交通事故

繊維筋痛症診療ガイドライン2013において,繊維筋痛症は,「原因不明の全身疼痛を主症状とし,不眠,うつ病などの精神神経症状,過敏性腸症候群,逆流性食道炎,過活動性膀胱などの自律神経系の症状を随伴」すると説明されています。

 

繊維筋痛症の発症原因は今だ医学的に明らかではありません。

また,繊維筋痛症の診断基準としては米国リウマチ学会が提唱する,繊維筋痛症分類基準(1990)や予備診断基準(2010)といったものがありますが,繊維筋痛症の症状の主体は,自覚症状であり,繊維筋痛症を他の疾患と鑑別し,適切に診断することは難しいことが多いです。

 

そのため,交通事故後に全身疼痛の症状が現れ,繊維筋痛症との診断がなされた場合は,①そもそも繊維筋痛症を発症しているか,②繊維筋痛症を発症しているとして交通事故に遭ったことで発症したのかという点が大きな問題となります。

したがって,交通事故に遭ったことと繊維筋痛症を発症したこととの間に相当因果関係があることを立証することは容易ではありません。

 

交通事故と繊維筋痛症発症との因果関係が争点となった判例のうち,相当因果関係を否定したものとしては名古屋地裁平成26年4月22日判決などがあり,相当因果関係を肯定したものとしては京都地裁平成22年12月2日判決などがあります。

 

名古屋で交通事故について弁護士をお探しの方はこちら

TFCC損傷

交通事故に遭った際,転倒するなどして手首に強い外力が加わるとTFCC(三角繊維軟骨複合体)を損傷することがあります。

手首に強い外力が加わった後,手首の腫れ,握力の低下,持続する手首の運動時痛,手首を外側にひねった時に痛みが生じるといった症状がある場合は,TFCCが損傷している可能性がありますので,注意が必要です。

 

 

TFCCは,それ自体は軟骨で構成されているため,レントゲンには写りません。

そのため,レントゲンしか撮っていない場合,TFCCに損傷が生じていることに気づかないことが多いです。

 

 

手首等の関節部分に生じた痛みは,器質的損傷がないと自賠責で後遺障害が認められ難い傾向があります。

そのため,交通事故により負った傷害により残存してしまった症状について適切な後遺障害の認定を受け,生じた損害に見合った賠償を受けるためには,MRI等の検査を受け手首にTFCC損傷といった器質的損傷が生じているかを確認しておくことが重要となります。

 

なお,TFCC損傷は,交通事故以外の要因でも生じることがあるため,MRI検査の結果TFCCの損傷が発見されたとしても,事故態様等により交通事故とTFCCの損傷との間の相当因果関係が否定される可能性があることには注意が必要です。

 

弁護士として,交通事故被害者の方が適切な損害の賠償を受けられるよう活動していきたいです。

健康診断

 

先日,健康診断を受けに大名古屋ビルセントラルクリニックに行ってきました。

 

私は,昨年も大名古屋ビルセントラルクリニックで健康診断を受けています。

最近,運動不足が続いていますので,昨年の検査結果よりも数値が悪化していたらどうしようかと心配しています。

 

 

悪い結果が出たらと,健康診断を受けたくないとも思ったりするのですが,「労働者」には健康な状態で働くため健康診断を受ける義務がありますので,受けざるを得ません(なお,「会社」には「労働者」を健康な状態で働かせるために健康診断を受けさせる義務があります。)。

 

ただ,1年に1度の健康診断は,自身の健康を意識するという面では良い機会となっています。

自身の体調が悪くては依頼者のためにベストを尽くせませんので,良い機会を与えてもらっているのではとも思います。

 

また,事務所が健康診断の費用を負担してくれるのは,大変有り難いなと思っています。

内部研修

先日の事務所内研修では,刑法改正を扱いました。

法律の内容が大きく変わった部分もあるため注意していきたいと思います。

また,他の弁護士が行った証人尋問等についての報告もありました。

他の弁護士がどのような問題意識を持って活動しているのかを知れ勉強になりました。

 

 

 

 

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は交通事故に遭い転倒したときなどに手をつき負うことが多い怪我です。

橈骨(手首の骨)の遠位端骨折を負った場合に,骨折自体以外に手関節の稼働域と握力の回復にどの程度時間かかるのかが問題となる場合があります。

手関節の稼働域の回復には受傷後(術後)3から6カ月間程度要することが多く,握力の回復には1年程度かかることも少なくないようです(橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2012参照)。

 

弁護士として交通事故案件を扱っていると治療期間等が問題となることがあります。適切な治療期間の確保に努めたいです。

事業所得者の休業損害

事業所得者の休業損害は,「現実に収入減があった場合に認められる。」とされています(赤い本)。

 

事業所得者の場合は,収入減がいくらあるのか把握するのが難しいことが多いですが,基礎収入額は事故前年の確定申告所得額によって認定されることが多いです。

ただ,固定費を基礎収入に含めるかといった問題があります。

 

また,事故前年の確定申告所得額から減少した額の全てが,休業損害として認められるのかという問題もあります。

名古屋地裁平成29年1月16日判決では,「売り上げの減少全てが本件事故によるものとは認め難く」「全てが本件事故によるものとは認め難い」として事故前年の確定申告所得額との差額の30パーセントを休業損害と認定しています(自保ジャーナルNo.1996)。

 

事業所得者の休業損害の把握には,様々な問題点があるため,交通事故被害者に被った損害を少しでも回復していただくために更に努めていきたいと思います。

裁判所

先日,名古屋地方裁判所一宮支部に行く機会がありました。

 

名古屋地方裁判所一宮支部は,尾張一宮駅から徒歩約15分のため,タクシーを利用するか,そのまま歩くか迷うことが多いです。

先日は,最近運動不足を感じていたため,行きはタクシーを利用しましたが,帰りは歩いて帰ることにしました。

15分程度であれば,大丈夫だろうと思ったのですが,駅に着くころにはかなり汗をかいてしまいました。

 

歩くのは,もう少し涼しくなってからにしようと思います。

 

ドアミラー同士の接触と怪我

自動車のドアミラー同士が接触した交通事故の場合,その交通事故と怪我との因果関係が問題となることが多いです。

ドアミラーのみの接触の場合,ドアミラーが折れるなどすることで,車両内の運転手には大きな衝撃が加わらないと考えられています。

そのため,ドアミラー同士の接触しかない交通事故の場合,事故と怪我の因果関係が否定されることが多いです。

 

また,和歌山地裁平成28年12月26日判決では,ドアミラー同士のみ接触した交通事故について,衝突を避けるためにハンドルを切った際に首及び腰に過伸展の動きが生じ,頸椎捻挫及び腰椎捻挫当の傷害を負ったという主張について,ハンドル操作が身体に大きな負荷をかけるものであったとは認められないと判断されています。

 

車両の損傷が軽微な場合は,交通事故と怪我の発生の因果関係を立証できるのか慎重に判断する必要があります。

 

内部研修

先日,事務所内で交通事故に関する内部研修がありました。

改めて,交通事故案件の処理の際の注意点などを確認できて良かったです。

これからも,弁護士として被害者の方の力になれるよう更に力を付けていきたいと思います。

 

 

 

内部研修

先日,事務所内で交通事故に関する内部研修があり,交通事故に遭った際に発生しうる,上肢・肘関節の怪我について事例等を学びました。

上肢・肘関節の怪我は,交通事故との因果関係を立証することが難しいことが多い怪我のため詳しく学べて良かったです。
今後,弁護士として交通事故案件を担当していく中で生かしていきたいと思います。

柏駅法律事務所オープン

新しく柏駅法律事務所 が6月1日(木)よりオープンしました。

柏駅東口より徒歩2分とアクセスしやすい場所です。

何かお困り事がある際は,お気軽にご利用ください。

コミニケーションマジック

先日,事務所内でコミニケーションマジックの研修がありました。

コミニケーションマジックで,①段取り力②スピーチ力③洞察力④リスク管理能力のUPを図れるとの話には,「なるほど!」となりました。

いずれの能力も弁護士の職務においても重要な要素といえますので,良い研修を受けれて良かったです。

研修内容も実際にマジックの実演があったり,マジックに挑戦できたりととても楽しい内容でした。

GW明け

GWが終わりましたね。

今年のGWは,浜松へ旅行に行ってきました。

井伊直虎の縁の地めぐり,美味しいウナギを食べてと,とても楽しかったです。
浜松フラワーパークにも寄ったのですが,藤の花がとても綺麗でした。

本日からは,お休みモードから気持ちを切り替え,バリバリ働きたいと思います。

MTBI(軽度外傷性脳損傷)

交通事故に遭うなどして脳に外傷を負った場合,高次脳機能障害が生じることがあります。

高次脳機能障害が認められるためには,①脳損傷があること②高次脳機能障害を疑わせる症状の存在③同症状が脳損傷に起因することが必要です。

 

自賠責保険では,後遺障害に該当するか否かは「労災認定必携」に準拠して判断されています。
「労災認定必携」では,高次脳機能障害に該当する脳損傷があるといえるためには,「脳の器質的病変に基づくものであることから,MRI,CTなどによりその存在が認められることが必要」とされています。
ただ,自賠責保険では「労災認定必携」に準拠して後遺障害等級認定を行っているもののMRI,CTなどにより脳の器質的病変が認められないと絶対に高次脳機能障害に該当する脳損傷があると認定しないとまではされていません。
①事故後の意識障害の有無とその程度,②画像所見,③因果関係の判定(他の疾患(非器質性精神障害等)との識別)という観点を総合して高次脳機能障害に該当する脳損傷が存在するかを判断するとされています。
しかしながら,脳外傷による高次脳機能障害は,脳の器質的損傷の存在が前提となるため,やはり脳の損傷が画像上認められることが非常に重要となります。

 

高次脳機能障害の中で特に問題になるのが,頭部外傷が比較的軽度であるにもかかわらず,高次脳機能障害としての典型的な症状(認知障害,情動障害)が認められるという場合です。
意識障害の程度が軽微であるなど頭部外傷が比較的軽度の場合に発生する脳損傷は,MTBI(軽度外傷性脳損傷)と総称されています。
MTBIについての判断基準としてWHOが2004年に発表した基準があります。
外傷後30分の時点あるいはそれ以上経過している場合は,診察の時点でのグラスコー昏睡尺度得点は13-15(意識レベル軽症)の場合に,①混乱や失見当識②30分またはそれ以下の意識喪失,③24時間以下の外傷健忘期間,④その他の一過性の神経学的異常(けいれん,手術を要しない頭蓋内病変)うちの1つ以上を満たした場合は,MTBIに該当するとされています。

 

しかし,WHOの基準に照らしMTBIに該当するとされたとしても,それのみでは高次脳機能障害であるとは現状では,認定されません。
MTBIについては,裁判上においてもほぼ脳外傷による器質的脳損傷が否定されています。

 

交通事故によって負う傷害は多種多様です。
弁護士として法的な知識のみならず,傷害についても日々学んでいきたいと思っています。

 

弁護士法人心の高次脳機能障害サイトはこちらになります。

中間利息控除

「交通事故に遭い,治療は終了したが重い後遺障害等が残ってしまった。治療中に被った損害だけではなく,交通事故に遭い後遺障害が残らなければ将来的に稼げたであろう金銭も賠償してもらいたい。」と考えられる方も多いかと思います。

 

交通事故に遭わなければ将来にわたって得られたであろう利益のことを逸失利益といいます。
逸失利益は,相手方から損害として賠償を受けることができます。

 

逸失利益は,原則として,「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数」という式で計算されます。
今回は,同計算式のうちの中間利息控除係数というものに注目してみたいと思います。

 

逸失利益を計算するに当たり中間利息が控除されるのは,将来において受領するはずの金員を現在受領することから,現在から本来受領するときまでの間に付されるであろう利息分を控除すべきと考えられているためです。
中間利息控除の仕方には,主なものとして複式ホフマン方式と複式ライプニッツ方式という考え方があります。
複式ホフマン係数とは,将来取得する債権額を一定時期ごとに取得するというように考える方式であり,複式ライプニッツ係数とは,将来取得する債権額を一定時期ごとに取得するものとし,利息計算に複利を用いるものをいいます。
現在,実務上ではライプニッツ方式が採用されており,利息は年5%とされています。

 

しかしながら,現在の低金利が続いていることを考えると年5%の中間利息を控除することが妥当なのか疑問が生じます。
改正民法案では今までになかった中間利息控除の条文が設けられています。
また,これまで年5%であった法定利率が3%に変更する内容となっています。

こうした民法上の法定利率の変更や低金利の流れを考慮すると,現状の民法が法定利率を年5%としているからといって中間利息控除を年5%で算定している実務は本当に良いのでしょうか。
民法改正前後で受け取れる逸失利益が大きく異なる結果になるのは不公平な気がします。

 

今後の中間利息控除の考え方について弁護士として注意深く見ていきたいと思います。