脳脊髄液減少症

交通事故に遭った後,めまい,耳鳴り,起立性の頭痛などの症状が出た場合に脳脊髄液減少症が疑われることがあります。
そのような病態のなかでも、CTやMRIなどで脊髄液の漏出が確実に認められる場合は「脳脊髄液漏出症」と定義しされています。

脳脊髄液減少症を発症したとして後遺障害等級認定などを受けるためには,起立性頭痛の症状が出ていると診断されている必要があります。
起立性頭痛とは,日本神経外傷学会による「外傷に伴う低髄液圧症候群」の診断基準では「頭部全体および・または鈍い頭痛で,座位または立位をとると15分以内に増悪」する頭痛とされています。
したがって,医師に対し頭が痛いと訴え,それを診断書やカルテに記載してもらっているだけでは,脳脊髄液減少症とは認められない可能性が高いです。
起立性頭痛の症状がある場合には,座位または立位で増悪することまでしっかりと伝えておいた方がよいでしょう。

自保ジャーナル(No1967)で紹介されていた大阪地裁平成27年11月11日判決でも,起立性頭痛が認められないとして脳脊髄液漏症の発症が否定されています。

高次脳機能障害

最近相談者から高次脳機能障害についての質問を受けました。

高次脳機能障害とは,事故などで脳に損傷を受け,知覚,記憶,学習,思考,判断などの認知過程に障害が起きた状態をいいます。

交通事故と高次脳機能障害の因果関係は,主に意識障害の有無や画像所見有無から判断されることになります。

交通事故時に頭部を強打され意識を失い,MRI等を撮影した結果脳出血等が発見され,事故前と比べて人格や認知機能に変化が生じたと不安に思っておられる方は,早い段階で一度弁護士に相談してみるといいと思います。

物損

最近,交通事故のご相談の中でも物損についてのご相談受ける機会が多いです。

物損のご相談を受ける中で,悩ましく思うのが,ご相談者様のお車に対するお気持ちをなかなか損害賠償額に反映させられないことです。
物損に関連する慰謝料は,原則として,認められていないため,お車に対するお気持ちが傷つけられたことに対する慰謝料は認められないことが多いからです。

ご相談者様に満足していただけるいい方法がないのか最近特に考えさせられます。

保険会社との示談成立後の請求

「保険会社と示談してしまったが,金額に不満がある。」と相談に来られる交通事故被害者の方がおられます。

示談の内容を見させていただくと,もう少し高い金額で示談できたのではと思うことも多いです。

ただ,一度示談してしまうと示談した金額以上を相手方に請求することは難しいです。
示談する際,双方で交わす書面には通常,「その余の請求は放棄するとともに,示談金額以外に何ら権利・義務関係の無いことを確認する。」といった文言が記載されています。
このような文言が記載された書面に署名捺印をした場合,示談した金額以上を請求しないといった内容の合意が相手方と成立していることになるからです。

保険会社から示談案が送られてきた場合には,じっくりと考えてから署名捺印する必要があります。

また,示談後に症状が悪化した場合には,例外的に示談成立後でも請求できる場合などもあります。

迷われた場合には,弁護士などの専門家に相談してみるのも一つの手だと思います。