脳脊髄液減少症

交通事故に遭った後,めまい,耳鳴り,起立性の頭痛などの症状が出た場合に脳脊髄液減少症が疑われることがあります。
そのような病態のなかでも、CTやMRIなどで脊髄液の漏出が確実に認められる場合は「脳脊髄液漏出症」と定義しされています。

脳脊髄液減少症を発症したとして後遺障害等級認定などを受けるためには,起立性頭痛の症状が出ていると診断されている必要があります。
起立性頭痛とは,日本神経外傷学会による「外傷に伴う低髄液圧症候群」の診断基準では「頭部全体および・または鈍い頭痛で,座位または立位をとると15分以内に増悪」する頭痛とされています。
したがって,医師に対し頭が痛いと訴え,それを診断書やカルテに記載してもらっているだけでは,脳脊髄液減少症とは認められない可能性が高いです。
起立性頭痛の症状がある場合には,座位または立位で増悪することまでしっかりと伝えておいた方がよいでしょう。

自保ジャーナル(No1967)で紹介されていた大阪地裁平成27年11月11日判決でも,起立性頭痛が認められないとして脳脊髄液漏症の発症が否定されています。