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離婚と親権

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2026年4月15日

1 親権について

⑴ 親権とは

未成年者の子どもを監護養育するとともに、子どもの財産を管理するために、父母に認められた権利と義務のことです。

改正法では、父母は婚姻関係の有無にかかわらず、子の人格を尊重し、その年齢や発達の程度に配慮して養育する責務を負うことが明記されました。

監護養育とは、子どもとともに生活し、日常の世話や教育を行うことです。

親権者は、法律上、子どもに対する居所指定権や職業許可権を与えられています。

なお、かつての「懲戒権」は削除されており、子どもの人格を尊重した養育が求められます。

また、親権者は、子どもの財産を管理し、代理して法律行為を行います。

⑵ 子どもの親権者は誰なのか

未成年の子どもの親権者は、父と母です。

婚姻中の父母は、同時に親権者となり、共同で親権を行使します。

父母が婚姻していない場合は、原則として母が単独で親権者となります。

ただし、改正法により、父が子どもを認知した場合は、父母の協議によって、共同親権とすることも、父を単独親権者と定めることも可能になりました。

2 離婚した場合の親権について

⑴ 離婚すると親権はどうなるのか

婚姻している父母が離婚する場合、これまではどちらか一方を親権者とする「単独親権」のみでしたが、法改正により、父母が協議して「共同親権」を選ぶことも可能になりました。

ただし、子どもへの虐待やDV(家庭内暴力)のおそれがある場合などは、裁判所は必ず父母の一方を親権者(単独親権)と定めなければなりません。

⑵ 親権者の決め方と行使方法

父母が協議上の離婚をするときは、協議により「共同親権」か「単独親権」かを定めます。

共同親権の場合、親権は父母が共同で行使するのが原則ですが、「日常の行為(食事や習い事など)」や「急迫の事情(緊急の手術など)」があるときは、一方が単独で行使できます。

また、父母の協議によって、監護者(実際に子どもと暮らして育てる者)を別々に定めることもでき、監護者は単独で居所指定などを行うことができます。

⑶ 夫婦の両方が親権を主張する場合

親権について父母の協議が調わないときは、離婚調停において話し合われます。

参考リンク:裁判所・夫婦関係調整調停(離婚)

調停が不成立となると、審判または離婚訴訟において裁判所が親権者を定めることになります。

裁判所は、父母と子の関係やこれまでの養育状況など一切の事情を考慮して判断します。

⑷ 裁判所の考慮事項

親権者の適格性判断は、子の福祉(子どもの最善の利益)の観点から行われ、これまでの養育状況、今後の養育方針・環境、子どもの意向などが考慮されます。

3 親権と養育費の関係

養育費とは、未成年の子どもが生活するために必要な費用のことです。

親は親権者であるか否かにかかわらず、子どもを扶養する義務を負います。

改正法では、支払いをより確実にするための新制度が導入されました。

法定養育費:離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、暫定的に一定額(子1人につき月額2万円)の支払いを請求できるようになりました。

先取特権(差押えの容易化): 父母間で作成した文書(合意書など)があれば、裁判所の調停等を経なくても、給料などの差し押さえを申し立てることが可能になりました(上限月額8万円)。

4 的確な主張・立証が重要

親権争いにおいて、裁判所に親権者としてふさわしいと認めてもらうためには、単なる感情論ではなく、自分が親権者となることがいかに「子どもの利益」に適うかを具体的に主張・立証する必要があります。

特に改正法下では、共同親権が適切か、あるいは単独親権とすべき事情(DVや虐待の有無など)があるかについての慎重な立証が求められます。

離婚前に受け取れる『婚姻費用』 親子交流(面会交流)

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