相続・遺言
相続に強い専門家にご相談ください
1 法律には多種多様な分野があります
六法全書という言葉から、法律は6つ程度しか種類がないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、日本には、民法や刑法など、法律と呼ばれるものが、約2000前後存在します。
たとえば、その中の1つである民法は、第1条から順番に規定が置かれ、トータルでは1000条を超える条文が定められています。
このように、法律はとてもジャンルが多彩であるため、全ての分野に詳しくなるのは、困難と言えます。
そのため、仮に国家資格を有している専門家であっても、その専門家が、相続に詳しいとは限りません。
そこで、相続について相談するのであれば、相続に強い専門家に相談することが大切です。
2 相続に強い専門家に相談するメリット
⑴ 相談がスムーズに進む
専門家に相談する際、相談者の方は、今の不安な点や、今後の見通しについて、専門家にアドバイスを求めることになります。
しかし、相続に詳しくない専門家に相談した場合、質問されたことにすぐに回答できなかったり、経験の少なさから、適切な見通しを立てることができなかったりする可能性があります。
他方、相続の分野を集中的に取り扱っている専門家であれば、相続の場面で問題になることや、解決方法について詳しいため、相談時の質問に的確かつスピーディーに回答し、今後の見通しをアドバイスすることが可能です。
⑵ 未来を見据えたアドバイスができる
相続の場面でもめ事になってしまった場合、最終的には裁判所での手続きが必要になります。
裁判になった場合、裁判官を説得するための証拠をどれだけ用意できるかで、裁判の結果が大きく左右されます。
とはいえ、弱い証拠をたくさん集めても有利になるとは限らないため、裁判官を説得し得る強い証拠を集めることが大切です。
相続に強い専門家であれば、どのような証拠が、裁判官を説得できるのかという点にも詳しいため、相談の初期段階から、有利な証拠集めを開始できます。
⑶ 税金についても、アドバイスを受けることができる
相続に強い専門家であれば、相続と税金が深く関わっていることを知っています。
どのタイミングで、どのような税金が発生するのかを知っておかないと、税金の申告を怠ってしまい、結果として余計な税金を課せられるといった不利益が発生しかねません。
相続に強い専門家に相談すれば、税金面についてもアドバイスを受けることが可能です。
弁護士に相続の相談をする際の流れ
1 まずは相続に強い弁護士を探す
アメリカなどの訴訟大国では、弁護士は各担当分野を決めて、その分野に集中的に取り組むことが多いですが、日本では1人の弁護士が複数の分野を扱うケースが多くあります。
そのため、数ある法律の分野の中でも、相続を集中的に取り扱う弁護士は、それほど多くはいないかもしれません。
相続について弁護士に相談することは、一生に一度あるかないかの大事な場面ですので、相談する際は、相続に強い弁護士を探すことが大切です。
相続に強い弁護士かどうかは、相続についての専門のホームページがあるかどうかが、1つの目安になります。
事務所のホームページ以外に、特定の分野に特化したホームページがあるということは、その法律事務所は、その分野に特に力を入れていることの表れといえるからです。
そのため、まずはインターネットなどを利用して、相続専門のホームページがある法律事務所を探しましょう。
2 事務所に問い合わせをする
弁護士は、裁判等で事務所を不在していることも多いため、法律事務所に予約なしで訪れても、弁護士に会えない可能性があります.
そのため、法律相談をする際は、まず事務所に電話やメールをして、相談の予約を取ることになります。
その際、ご不安な点等、どのようなことを相談したいかについて、あらかじめ伝えておくと、弁護士との相談がスムーズに進みます。
問い合わせをする際は、電話相談が可能なのかどうかや、ご自宅から通いやすい場所に事務所があるかどうかも確認しましょう。
名古屋にお住まいの方や、職場が名古屋にある方は、名古屋市内にある法律事務所に相談すると便利です。
3 相談の日の流れ
⑴ 事務所での相談の場合
事務所にお越しいただき、個室で弁護士と相談をすることになります。
弁護士は、相談者様が不安に思っていることについて、法的な観点からアドバイスをしたり、今後の見通しについて説明を行います。
また、相続について相談する場合は、遺産に関する資料などを用意しておくと、相談がスムーズに進みます。
もし、銀行や法務局で資料を用意することが難しい場合は、メモなどに遺産の概要を記載したり、質問したいことをまとめたりすると、相談当日に慌てることが少なくなります。
⑵ 電話での相談の場合
最近は、電話での相談を受け付けている法律事務所もあります。
電話相談の場合、共通の資料を見ながら相談することが難しいため、あらかじめ資料を手元に置いて、相談したいことをまとめておくと、相談がスムーズに進みます。
また、テレビ電話を活用するなどして、共通の資料を見ながら、相談することも可能です。
各専門家が協力できることの強み
1 相続は複数の分野の専門家が必要です
通常、専門家に特定のお悩みを相談する場合、「その問題だけ」解決できればいいため、その特定の分野の専門家に相談すれば、問題は解決するかもしれません。
しかし、相続は、一人の方が亡くなった時に、その方が残した財産を全て承継するための制度です。
つまり、亡くなった方に関する全ての問題を、一度に解決する必要があります。
そのため、特定の分野に偏ることなく、各専門家が協力し合い、全ての問題を解決することが大切です。
2 紛争案件で、特定の分野の専門家が欠けてしまった場合のリスク
たとえば、相続人同士で、遺産を巡ってもめごとになり、裁判所で決着をつけることになった場合、弁護士の協力が必要です。
しかし、相続の場面では、相続税や譲渡所得税といった問題も考慮に入れなければ、適切な問題解決を図ることはできません。
そのため、相続について問題を解決する場合、税理士の協力も必要になります。
その他にも、遺産を巡って争いになった場合、不動産をどのように分けるかが、大きな問題になります。
もし、不動産の評価額を適切に判断できなければ、遺産の分け方で不平等な結果になることがあります。
そのため、相続の場面では、宅建士など、不動産に関する専門家の協力も必要になります。
このように、相続の問題を解決するためには、各専門家が協力体制を作り、トータルサポートを実現しなければ、適切な解決は難しくなります。
3 生前対策で、特定の専門家が欠けてしまった場合のリスク
生前対策を行う場合、将来発生するであろう相続税を見据えつつ、不動産を活用した生前対策や、保険金を活用した生前対策を行い、相続人が相続税を支払えるようにしておく必要があります。
こういった対策をする場合、税理士の協力がなければ、適切な対策は難しくなります。
また、遺族がもめないようにするためには、遺言書等で対策を打っておく必要がありますが、遺言書の内容によっては、かえって紛争を起こしてしまう可能性があります。
こういった対策をする場合、遺言書に関する裁判を多く扱っている弁護士の協力がなければ、遺言書があるせいで、もめ事が大きくなってしまう可能性があります。
4 各専門家が協力している強み
各専門家が協力して、相続のトータルサポートをしていれば、上記のようなリスクに対応し、適切に問題を解決したり、紛争を予防することができます。
相続について相談するのであれば、各専門家が協力して、相続の問題を集中的に取り扱っているところに、相談することが大切です。
相続で困った場合の相談先
1 相続のお悩みは千差万別です
相続は、誰にとっても必ず発生する、重要な問題です。
たとえば、遺産を巡って、家族同士で争いになっているケースでは、裁判所での手続きを検討しなければなりません。
他方、特にもめていないケースであっても、不動産の名義変更や、預貯金の解約手続き、自動車の名義変更など、相続の手続きはたくさんあります。
さらに、自分が亡くなった後に、家族がもめないかというお悩みや、税金がいくら必要なのかというお悩みも、対策を打っておくべき重要な問題です。
このように、相続のお悩みには、様々な種類があります。
2 紛争を防ぎたいとお考えの方へ
- ⑴ 紛争といっても、内容は様々です。
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たとえば、ご両親がご健在ではあるものの、相続人の仲があまりよくないため、ご両親が亡くなった後に、もめることが予想されるケースがあります。
ここでいう「もめる」には、遺産の分け方について、相続人でもめることはもちろん、誰が仏壇やお墓を守っていくのかということについての紛争も含まれます。
- ⑵ 遺言書の作成を検討しましょう
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こういったケースでは、まず遺言書の作成が有効です。
ただし、遺言書の作成をすれば、それで解決というわけではありません。
遺言書の内容に不備があれば、余計にもめ事が大きくなる可能性があります。
そこで、遺言書の作成を検討する場合、遺言書の内容でもめて、裁判になっているような案件を、多く扱っている弁護士に相談することが大切です。
また、遺産の分け方によって、税金が変わる可能性があるため、裁判だけでなく、税金にも詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
3 現実に紛争が起こっている方へ
すでに家族同士で、遺産を巡ってもめている場合、裁判を多く扱っている弁護士に相談すべきです。
ただ、裁判を多く扱っているといっても、相続以外の裁判ばかり扱っている弁護士では、十分な知識や経験がないかもしれません。
そこで、相続に関する裁判の実績が豊富な弁護士に相談することが大切です。
また、生前対策と同様、税金面でも有利に交渉を進めるために、税金にも詳しい弁護士かどうかもチェックしましょう。
相続人が行方不明の場合の遺産分割
1 行方不明の相続人を探す方法
- ⑴ 戸籍の附票を確認します
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戸籍の附票には,現在に至るまでの住民票の履歴が載っていますので,音信不通で住所がわからない場合でも,本籍地がわかれば戸籍の附票によって住民票上の住所地がわかります。
- ⑵ 戸籍の附票の請求は弁護士に依頼しましょう
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戸籍の附票には,住民票上の履歴というプライバシー情報が掲載されているため,取り寄せることができる者は限られています。
ただ,弁護士等の専門家であれば取り寄せることができますし,相続に強い弁護士であれば戸籍にも精通していますので,他に相続人がいないか等も一緒に調べてくれますので,弁護士に依頼することをお勧めします。
2 調査をしても行方がわからない場合
行方が分からない場合には,①不在者財産管理人を選任する方法と,②失踪宣告制度を利用する方法があります。
手続きの具体的な説明や、申立書の記載例などにつきましては、名古屋家庭裁判所のホームページにてご確認ください。
※参考リンク:主な家事事件の手続と申立書式等/裁判所
- ⑴ ①不在者財産管理人を選任する方法
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調査をしても,住民票上の住所地に住んでいないなどの理由で,相続人が行方不明の場合があります。
このような場合に,遺産分割協議を行うためには,不在者財産管理人を選任しなければなりません。
不在者財産管理人は,家庭裁判所に許可を得た上で遺産分割協議を行うことができます。
不在者財産管理人は,不在者の配偶者や親族,債権者等の利害関係人のほか,検察官が申立人となります。
不在者財産管理人は,親族でもなることができますが,親族がなった場合,必ずしも遺産分割協議において不在者の利益保護がはかられない可能性があるため,通常は親族が選ばれることは少ないようです。
不在者財産管理人の職務は,不在者の財産保護にありますので,遺産分割協議においても,原則として法定相続分を確保するよう協議を行うことになります。
- ⑵ ②失踪宣告制度を利用する方法
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行方不明期間が7年間を超えている場合は,家庭裁判所に失踪宣告の申立をすることで,行方不明者が死亡した者として扱い,遺産分割協議を行うことができます。
3 相続人が行方不明の場合は相続に強い弁護士に相談しましょう
行方不明の場合の対応方法は,上記のとおりとなりますが,失踪宣告は,後から行方不明者が生きていることがわかり,失踪宣告を取り消された場合の権利関係の複雑化など,あらかじめ注意しておくべき要素があります。
そのため,相続に強い弁護士に相談し,リスクを検討しておくことが大切です。
名古屋やその周辺地域で相続問題にお困りの方は,弁護士法人心 名古屋法律事務所へお気軽にご連絡ください。
相続放棄
1 相続放棄とは
相続によって相続人が受け継ぐ財産には,現金や預金,土地といったプラスの財産もあれば,借金といったマイナスの財産もあります。
マイナスの財産を受け継ぐのを回避する方法として相続放棄があります。
相続放棄をすると,はじめから相続人ではなかったものと扱われ,プラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことになります。
2 相続放棄の手続き
相続放棄を行うためには,相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったときから原則として3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をし,この申述が家庭裁判所に受理される必要があります。
家庭裁判所とは関係なく相続人間等で相続を放棄する旨の書面を作成することがありますが,債務の承継を免れるという効果を持つ相続放棄の効力は生じないため,注意が必要です。
3 相続財産の調査が大切
相続放棄の手続きをせずに3か月が経過してしまうと,もはや相続放棄ができなくなり,その後に多額の借金があったことが発覚しても手遅れとなりかねません。
ですので,自らが相続人となることが分かった場合には,速やかに相続財産の調査を行い,プラスの相続財産,マイナスの相続財産がそれぞれいくらあるのかを把握することが大切です。
4 相続財産の調査について弁護士に相談
限られた時間内で自ら相続財産の調査をするというのは困難な場合も少なくありません。
相続放棄の可能性があるような場合には,できるだけ早く弁護士に相談して,速やかに財産調査を進めることをお勧めします。
相続財産の調査や相続放棄などでお困りの場合には弁護士法人心 名古屋法律事務所にご相談ください。