紛セか訴訟か?

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

「紛セ」のことはご存じでしょうか。

交通事故に遭い、相手方と話し合いがつかない場合には、訴訟を起こすことが考えられますが、訴訟は時間がかかります。

そこで、早期解決のために裁判外の紛争処理手続であるADR手続があり、その中の代表的なものに、交通事故紛争処理センターによるあっ旋手続があります。

交通事故紛争処理センターは略して「紛セ」と呼ばれます。

紛セの手続は、数回の期日で手続きを終了することを念頭においておりますので、訴訟に比べ大幅に時間を短縮できます。

その分、紛セにはなじまないケースもあります。

時間を要する証人尋問等を要するケースは紛セになじみませんし、お互いの主張が真っ向から対立し合意に達する見込みがないケースも紛セになじみません。

合意に達しなければ、結局紛セでの審理は打ち切られ、訴訟に移行せざるを得なくなるからです。

従って、証人尋問が必要であったり、合意に達する見込みが少ないケースは、最初から訴訟を起こしたほうが良いと言えます。

具体的には、過失割合は争いが無く、治療費の支払いも保険会社から済んでおり、休業損害や慰謝料額等のみ折り合いがつかないケースであれば、紛セでの解決になじむことが多いです。

他方、双方の主張する事故状況及び過失割合が真っ向から対立し、ドライブレコーダー等もなく、証人尋問や検証等を行わざるを得ないケースであれば、訴訟のほうがなじむと言えます。