名古屋で交通事故を中心に扱っている弁護士の青山です。
交通事故に関する相談は日々多数受けておりますが、加害者が任意保険に加入していなかった事例が意外と多いです。
この場合、治療費の支払い等はどのようにすればよいのでしょうか?
いくつか手段はありますが、大きく言うと次のものが考えられます。
1 自賠責保険への被害者請求
任意保険がない場合、相手方の自賠責保険に直接治療費等の支払いを請求することができます。
ただし,傷害については上限が120万円です。
また,相手方の任意保険会社が治療費の支払いをしてくれる場合は,保険会社が病院等へ直接治療費を支払うため,被害者が一時的に立て替える必要はございませんが,自賠責保険を使う場合は,一旦被害者が治療費等を立て替える必要があります。
2 健康保険
交通事故の治療でも健康保険を使うことが出来ます。
相手方の任意保険会社が治療費の支払いをしてくれない等の場合,一旦は自身で治療費を立て替えることとなりますが,健康保険を使用する場合は3割負担で治療を受けることが出来ます。
ただし,「第三者行為災害の届出」を出す必要がございます。
3 労災
仕事中の事故あるいは通勤途中の事故の場合,労災保険を使用することができます。
労災を使用できるのであれば,相手方の任意保険会社が治療費を支払ってくれない,あるいは休業損害を支払ってくれないという場合であっても,労災からこれらの支払いを受けることが出来ます(なお,労災でも休業補償は支払われますが,収入の60%に限られます)。
4 人身傷害保険
ご自身の自動車保険等についていることが多いです。
人身傷害保険は、相手方に任意保険がない場合,病院等に直接治療費の支払いをしてくれます。
ですので,ご自身で治療費を立て替える必要はありません。
また,人身傷害保険は,保険会社の定めた上限はありますが,自身に過失があるかは問わずに支払われます(慰謝料,休業損害等も額は限られますが支払われます)。
最近では,ほとんどの車両保険に付帯されているのが人身傷害保険です。
弁護士としても,人身傷害保険への加入は非常にお薦めです。