高次脳機能障害と紛争処理機構に対する紛争処理手続の申請

名古屋で交通事故案件を取り扱っている弁護士の青山です。

高次脳機能障害をはじめとして、重い後遺障害が残った被害者について、自賠責保険に後遺障害の申請をしたものの、思っていたよりも後遺障害の等級が低かったため、より重い等級を獲得できないか、というご相談をいただくことがよくあります。

高次脳機能障害をはじめとする後遺障害等級について不服を申し立てるには、最も典型的な手段は、自賠責保険に対する異議申立てです。

では、自賠責保険への異議申し立てでも等級が変わらない場合、裁判を起こすしかないのでしょうか?

実は、裁判を起こす前に、紛争処理機構に対する紛争処理手続の申請という方法があります。

実際に、私も高次脳機能障害のケースで、この方法をとることはあります。

紛争処理機構とは、一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構を正式名称とし、平成14年4月1日に改正された自動車損害賠償保障法に基づき設立された、裁判外紛争処理機関(ADR)です。

自賠責保険の判断に不服がある場合には、紛争処理機構に紛争処理手続きの申請をすることで、不服申立をすることができます。

自賠責保険とは別の判断主体になりますので、偏見なく、中立な判断者による判断が期待できます。

自賠責保険への異議申し立てでも後遺障害等級が変わらなかった場合は、裁判を起こす前に、紛争処理機構に対する紛争処理手続の申請をしてもよいかもしれません。