交通事故で治療中に別の事故に遭ってしまったら

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

今年は、例年に比べて春の訪れを早く感じます。

桜が満開になるもの早かったです。

コロナさえなければお花見を楽しむことができたのに・・・と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。

最近の感染状況をみても、まだまだ外食や宴会は控えないといけないですね。

 

さて、交通事故の治療中に別の事故に遭ってしまったとのご相談いただくことがあります。

度重なる不運で、本当にお気の毒ですが、この場合には相手方保険会社の対応等で気を付けていただかなければならないことがあります。

先発事故での傷害と、後発事故の傷害の内容が全く別でない限り、通常ですと、先発事故と後発事故が相まって(より重くなった)傷害を負ったという関係にあるといえます。

このような場合、訴訟となれば、後発事故以降に発生する治療費、交通費、休業損害、慰謝料等については、先発事故と後発事故の寄与の度合いを決め、先発事故の加害者と後発事故の加害者(ないし保険会社)で賠償を案分するということになります。

ただ、実際には、訴訟まで至らないことの方が多いです。

訴訟に至らない場合は、実務上、先発事故の発生から後発事故の発生までの治療費、交通費、休業損害、慰謝料等は先発事故の保険会社が支払い、後発事故後の治療費、交通費、休業損害、慰謝料等は後発事故の保険会社が支払うという取扱いが慣行となっています。

ここで、注意していただきたいのは、後発事故が起こった時点で、後発事故で全く別の傷害を負ったのか、全く別ではなく先発事故の傷害がひどくなったものなのか、医師の診断を受け、先発事故と後発事故の両保険会社にそれぞれ別事故の存在を申告し、両保険会社間で後発事故後の治療費等をどちらが負担していくのかを協議してもらうことが必要であるということです。

これをせずにいると、同一部位の傷害について2つの保険会社から2重に治療費等の支払いを受ける場合も生じ、後々保険会社とトラブルになります。

 

また、後発事故以降の治療費は後発事故の保険会社が負担していくこととなった場合、先発事故の保険会社からは後発事故の治療終了を待たず、早急に示談を求められることがあります。

この場合は、すぐに示談をしてしまうのは好ましくありません。

なぜなら、後発事故の保険会社から、先発事故の寄与の度合いが大きい等を理由に十分な賠償金の支払いを受けられない場合もあり、その場合に先発事故で既に示談をしてしまっていると、それ以上の請求を先発事故の保険会社にできなくなってしまうからです。

ですので、必ず後発事故の治療が終わってから、先発事故と後発事故の示談交渉は同時に行うことが大事です。

交通事故の治療中に別の事故に遭ってしまった場合のご相談も受け付けておりますので、一度ご相談下さい。