高次脳機能障害は見落とされることがある

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

交通事故に遭い、頭部に衝撃を受けた場合、高次脳機能障害が残ることがあります。

この高次脳機能障害というものは、将来にわたって障害が残るにもかかわらず、意外と見落とされることがあるなぁ、とよく感じます。

まず、医師も見落とすことがあります。

なぜなら、脳挫傷、外傷性くも膜下出血等の診断名がついていれば、脳のMRIやCT画像でも明確に異常所見が映るため、見落とされることが少なくなりますが、いわゆるびまん性軸索損傷の場合は、画像撮影の技術的な限界で、異常が確認できないことが多いです。

そこで、画像上は一見、異常が明らかでなくても、本人が何となく怒りっぽくなった、物忘れがある、周りの人間との衝突が多くなった等がないか、家族等の見守りが極めて重要になります。

また、被害者である高次脳機能障害患者自身が、高次脳機能障害について自覚を持ちにくいことも、高次脳機能障害が見落とされやすい要因です。

被害者自身には、病識がないゆえに、患者自身の客観的な能力と、患者自身の自己認識のギャップが、思わぬ事故を呼び、初めて高次脳機能障害が判明することもあります。

更に、発覚までに時間がかかること場合があります。

例えば、交通事故に遭った場合、事故直後の時点では高次脳機能障害が明らかではなくても、成長し、大人になって仕事を始めたときに、初めて周囲となじめない等で社会的な適応能力の問題が発覚し、高次脳機能障害が発覚することもあります。

このような高次脳機能障害を見落とさないためにも、交通事故に遭い、頭部に衝撃を受けた場合は、医師に詳しく検査をしてもらうこと、家族の見守りが極めて重要となりますが、損害賠償の観点から弁護士がアドバイスできることもありますので、一度ご相談ください。