弁護士法人心 名古屋法律事務所に所属しております,弁護士の青山と申します。
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事故で営業用の車両が使えなくなった場合
名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。
交通事故に遭った被害車両がタクシーやトラックなどの営業用の車両である場合、修理や買い替えに必要な期間これらの車両を使用できなかったことで、上げられなかった利益分について、損害が発生する場合があります。
このような問題は、「休車損害」の問題と言われます。
そして、この場合、基本的には、交通事故に遭った営業用車両を使用できていれば得られたであろう純益について、請求することが出来ます。
休車損害の計算方法は、
1日あたりの損害額×休車を要した日数
で計算します。
一日あたりの損害額は、通常、
(事故前のある一定期間の売上額-休車によって支払いを免れた支出額)÷日数
で計算されます。
事故車両を買替える場合、買い替えの判断に要する期間と新規購入車両の納入に要する期間をもとに認定することになりますが、営業用車両の場合、営業用車両としての許可を受けるために必要な期間がかかることもあるので注意が必要です。
この「不要となった支出額に当たる経費」は何かについて、しばしば問題となります。
裁判例では、貨物自動車の休車損害について、事故前三か月の売上から人件費、燃料、油脂代、タイヤ・チューブ代を控除した日額をもとに、修理費見積および修理に必要な期間分の損害を認定した例などがあります。
休車していたとしても、支出を避けられない固定経費については、「休車によって支払いを免れた支出」とは言えないとして、売り上げから控除すべきでないとする議論もあります。
休車損害の認定は比較的厳格になされ、代車が出ていて代車料が支払われる場合、休車損害は認められません。
交通事故車両以外に遊休車両があり、これを利用できる場合にも、休車損害は否定されますので、他に代替車両が無いことを主張、立証していくことが必要になります。
また、休車期間についても、休車していた期間すべての分について休車損害が認定されるとは限らず、一定の期間分に制限すべきだという主張が加害者側から出ることもありますので、この場合はこちらの主張する休車期間が妥当なんだということをしっかりと主張、立証していかなければなりません。