治療費の打ち切りと症状固定

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

交通事故の被害者から、治療費は、いつまで交通事故の加害者側に支払ってもらえるのでしょうか?という質問を受けることが良くあります。

この点,治るまで(自分が治ったと感じられるまで)支払ってもらえるのが望ましいですが、現実は必ずしもそうはなっておりません。

症状が続く限り、加害者側に治療費を永遠に支払ってもらえるわけではなく,これ以上治療しても改善の可能性がなく「症状固定」と判断された場合、症状固定以降の治療費は、原則として、加害者側が支払う必要はなくなります。

そこで、保険会社などは、事故からある程度時間が経過すると、「症状固定」になったと主張して治療費の支払いを打ち切ることもあります。

ここで注意したいのは、保険会社の打ち切り=症状固定ではない場合もあるということです。

症状固定になったか否かは、事故内容や症状、治療経過等の諸般の事情を考慮して、医師の意見を踏まえて決められるべきもので、保険会社が一方的に決定できるものではありません。

未だ症状改善の可能性があるのであれば,症状固定には至っていない可能性があります。、

この場合は、打ち切り以降の治療費は被害者が一旦立て替えることとなりますが、後に加害者側に請求すれば支払われる場合があります。

ただ、保険会社も一度打ち切っている以上、打ち切り以降の治療費の請求には保険会社も簡単には応じてくれませんので、治療費の支払いを打ち切られ、納得ができない場合は一度弁護士にご相談ください。

 

 

示談をする前にご相談ください

弁護士の青山です。名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っています。

おかげさまで、多数の交通事故の新規ご相談をいただいております。

交通事故に遭われた皆様、治療が終了したら、示談前に必ずご相談ください。

加害者側から提示された金額でそのまま示談してしまうと、不当に低い金額で示談をすることとなり、損をしている場合があります。

示談金のチェックは無料で行っておりますので、是非、お気軽にご相談ください。

コロナも9~10月にかけて感染者が減少傾向にありますので、外出の機会も増えてくると思います。

お出かけの際は交通事故にお気を付けください。

ワクチン接種

名古屋で交通事故案件を中心に扱っている弁護士の青山です。

先日、コロナワクチンの2回目の接種が終了しました。副反応はありましたが、一般的なものでした。

9月中旬の現在、毎日何千人もの感染者が出ておりますが、徐々に減少している傾向にあるようです。

交通事故の相談は電話でお受けすることもできますので、感染が心配で外出を躊躇してしまう方も、一度お電話ください。

 

軽微事故と弁護士への相談

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

今年の夏も暑さが厳しいですね。

名古屋は7月末~8月に入り、連日35度以上の異常な暑さが続いています。

先日、東京オリンピックも終了しました。

コロナの第5波が来ているといわれている中で開催されましたが、開催の是非をめぐっては賛否両論あり、私自身も感染の拡大を危惧する気持ちはありましたが、やはり、実際にスポーツを見ると何度も感動させられたことは否定できません。

日本人のメダルラッシュはすごかったですね。

私は個人的に男子バスケットボールを応援しておりましたが、残念ながら予選突破なりませんでした。

しかし、選手の気持ちが伝わってくる試合ばかりで、2019年に開催されたバスケットボールのワールドカップの頃と比べると、素人目に見ても、日本チームが確実にレベルアップしているのを感じました。

さて、私は、猛暑に夏バテしそうになっておりますが、交通事故の新規相談は随時受付中です。

私が日ごろよく感じるのは、軽い交通事故だった場合、「このくらいの事故で弁護士に依頼してもいいのか?」と悩む方が意外と多いということです。

確かに、あまりに軽い事故ですと、人損(例えば、慰謝料の増額交渉)ではあまりお役に立てないこともあります。

しかし、その判断もご自身でするのは難しいと思いますので、「弁護士が入ることでプラスになる可能性があるのか」だけでも一度ご相談ください。

また、軽い事故でも、物損の過失割合の交渉等であれば、弁護士がお力添えできる場合もあります。そして、弁護士費用特約にご加入であれば、弁護士費用も気にする必要がありません。このような場合も、一度ご相談下さい。

暑さとコロナに負けず、弁護士業務に励んでいきます。

 

自転車利用者も損害賠償保険に加入しましょう

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

前回の記事で、自転車事故に関することを書きました。

最近では、自転車事故を起こした加害者に対し、高額の損害賠償を命ずる判決も多く出ております。

中には、一億円近くの損害賠償義務を認めた判決もあるくらいです。

自転車も法律上は車と同様に扱われるため、自転車に乗って道路を走行する際には、車の運転者と同様の義務を負いますし、事故を起こした場合には被害者に対して損害賠償責任を負います。

しかしながら、加害者である自転車利用者が損害賠償保険に加入していなければ、加害者が高額の賠償金を支払うことができず、被害者が泣き寝入りするケースも少なくありませんでした。

このような流れを受けて、最近では自転車損害賠償保険への加入を義務付ける自治体が増えてきています。

名古屋市でも、平成29年から条例により、自転車損害賠償保険の加入が義務化されました。

自転車に乗る場合、万が一事故を起こしてしまった場合に備え、自分のためにも相手のためにも、自転車損害賠償保険に加入したほうがよいでしょう。

ここでいう自転車損害賠償保険には、自転車向け保険のほか、自動車保険や火災保険の特約、会社等の団体保険など様々な種類があります。

また、万が一、自転車事故の被害を受けた場合、加害者側と示談する前に、一度弁護士に相談したほうが良いです。

弁護士として、示談金額が適切か否かアドバイスるすることが可能です。

 

 

自転車事故でのご相談

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

名古屋近辺で、自転車に乗っている際に事故に遭ったことで、ご相談をいただくことがしばしばあります。

その際によく話題に上るのが、「過失割合で揉めている」ということです。

自転車は、過失割合において、徒歩と四輪車の中間的な扱いをされることが多いです。

ただし、自転車も道路交通法上は軽車両とされ、あくまで車両として扱われるため、徒歩の場合と比べ、自転車運転者にも過失が認められる場合が多くなります。

自転車事故の場合も、過失割合を決めるにあたっては、「別冊 判例タイムズ 38」が利用されることが多いです。

判例タイムズはあくまで目安ですので、絶対の基準というわけではありませんが、交通事故の過失割合を検討する際、裁判官、弁護士、保険会社等は非常によく用いるものであり、重視されております。

過失割合で揉めることが多い事例としては、自転車と4輪車・単車との事故であり、信号機がない交差点における事故の場合です。

この場合、同幅員の交差点の場合、基本が自転車20:自動車80、であるものの、自転車のほうが広い道路である場合、自転車のほうが狭い道路である場合、自動車側に一時停止規制がある場合、4輪車側に一時知識性がある場合、一方が優先道路である場合、一方に一方通行違反がある場合等で変わってきます。

また、歩行者と自転車との事故の場合、基本的には歩行者が被害者と考えられ、自転車が全面的な過失を負うか、自転車の過失のほうが多く問われる場合が多くなっております。

過失割合で揉めた際には、一度弁護士に相談していただくのも良いと思います。

交通事故で治療中に別の事故に遭ってしまったら

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

今年は、例年に比べて春の訪れを早く感じます。

桜が満開になるもの早かったです。

コロナさえなければお花見を楽しむことができたのに・・・と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。

最近の感染状況をみても、まだまだ外食や宴会は控えないといけないですね。

 

さて、交通事故の治療中に別の事故に遭ってしまったとのご相談いただくことがあります。

度重なる不運で、本当にお気の毒ですが、この場合には相手方保険会社の対応等で気を付けていただかなければならないことがあります。

先発事故での傷害と、後発事故の傷害の内容が全く別でない限り、通常ですと、先発事故と後発事故が相まって(より重くなった)傷害を負ったという関係にあるといえます。

このような場合、訴訟となれば、後発事故以降に発生する治療費、交通費、休業損害、慰謝料等については、先発事故と後発事故の寄与の度合いを決め、先発事故の加害者と後発事故の加害者(ないし保険会社)で賠償を案分するということになります。

ただ、実際には、訴訟まで至らないことの方が多いです。

訴訟に至らない場合は、実務上、先発事故の発生から後発事故の発生までの治療費、交通費、休業損害、慰謝料等は先発事故の保険会社が支払い、後発事故後の治療費、交通費、休業損害、慰謝料等は後発事故の保険会社が支払うという取扱いが慣行となっています。

ここで、注意していただきたいのは、後発事故が起こった時点で、後発事故で全く別の傷害を負ったのか、全く別ではなく先発事故の傷害がひどくなったものなのか、医師の診断を受け、先発事故と後発事故の両保険会社にそれぞれ別事故の存在を申告し、両保険会社間で後発事故後の治療費等をどちらが負担していくのかを協議してもらうことが必要であるということです。

これをせずにいると、同一部位の傷害について2つの保険会社から2重に治療費等の支払いを受ける場合も生じ、後々保険会社とトラブルになります。

 

また、後発事故以降の治療費は後発事故の保険会社が負担していくこととなった場合、先発事故の保険会社からは後発事故の治療終了を待たず、早急に示談を求められることがあります。

この場合は、すぐに示談をしてしまうのは好ましくありません。

なぜなら、後発事故の保険会社から、先発事故の寄与の度合いが大きい等を理由に十分な賠償金の支払いを受けられない場合もあり、その場合に先発事故で既に示談をしてしまっていると、それ以上の請求を先発事故の保険会社にできなくなってしまうからです。

ですので、必ず後発事故の治療が終わってから、先発事故と後発事故の示談交渉は同時に行うことが大事です。

交通事故の治療中に別の事故に遭ってしまった場合のご相談も受け付けておりますので、一度ご相談下さい。

新事務所オープン!

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っております、弁護士の青山です。

弁護士法人心で新事務所が続々オープンしております!

まずは、横浜法律事務所!

弁護士法人心横浜法律事務所の詳細はこちらへ

横浜駅きた東口Aを出て、徒歩3分のアクセス便利な立地です。

横浜で弁護士をお探しの方は、是非、弁護士法人心横浜法律事務所にご相談ください。

次に、京都法律事務所!

弁護士法人心京都法律事務所の詳細はこちらへ

京都駅 出入口9を出て、徒歩3分の好立地です。

関西方面にも進出いたしました。

京都及びその近辺で弁護士をお探しの方は、是非、弁護士法人心京都法律事務所にご相談ください。

おかげさまで、関東、中部、関西と主要都市を網羅しつつあります。

当法人を頼ってくださる依頼者様のおかげです。

今後も、弁護士法人心をよろしくお願いいたします!

話は変わりますが、新しく自動車の購入をされた場合、あるいは、自動車保険の更新をする場合、弁護士費用特約はつけておられますか?

弁護士費用特約も数年前に比べ、かなり普及してきたように思います。

弁護士費用特約を付けていれば、万一事故に遭われた際、弁護士費用を保険会社が支払ってくれます。

また、弁護士費用特約を使用しても、次年度以降の保険料が上がる等のデメリットはありません。

事故は、どれだけ気を付けていても起こり得るものです。

後ろから追突を受けるなどの完全な貰い事故もあります。

このような万一の際、安心して弁護士に依頼できるよう、弁護士費用特約を付けていただくことをお勧めいたします。

非接触の事故

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っています、弁護士の青山です。

先日、自動車と自転車との非接触の事故があり、自動車の運転手が警察への報告や救護措置などをとらず、現場から立ち去ったことのニュースがありました。

自動車とバイクや自転車、その運転者が直接接触はしていないものの、自転車やバイクの運転者が衝突を回避するために転倒する等した場合でも、あくまで交通事故ですから、自動車の運転者は警察への報告、被害者の救護等を行わなければなりません。

これを怠った場合は、ひき逃げ(道路交通法違反)となります。

他方、非接触事故の場合は、過失割合で揉めることが多いです。

加害者側の保険会社から、「被害者側が転倒したから怪我をしたので、過失割合は5分5分だといわれた」等の相談を受けることがあります。

確かに、通常の過失割合よりも、被害者側に1~2割過失がプラスされることはありますが、被害者側としては、転倒が避けられなかったのであれば、安易に相手方からいわれるままの過失割合で示談すべきではありませんので、しっかりと交渉しましょう。

ところで、1月に入り、また緊急事態宣言が出されました。

これを受け、交渉相手である保険会社の在宅勤務等がより加速され、裁判でも現在決まっている裁判期日を予定どおり実行すべきか裁判所と検討中のものがある等、弁護士の業務にも少し影響が出ております。

依頼者様にはなるべくご迷惑をおかけしないよう、弁護士業務を進めてまいります。

皆様が健康でありますように。

警察への診断書の提出

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

すっかり涼しくなってきまして,過ごしやすくなりました。

今年の夏はコロナのせいで,夏らしいことはほとんどすることができませんでしたが,皆さまも同じではないでしょうか。

9月末になり,コロナの新規感染者数も落ち着いてきてはいますが,未だ一定数は出ていますね。

引き続き,万全の感染対策をとりたいと思います。

さて,コロナにもかかわらず,おかげさまで,交通事故案件の新規ご依頼数は,今のところ目立った減少はなく済んでおります(もちろん,いつ新規依頼数が減少してもおかしくありませんが)。

その中で,お客様から,交通事故に遭い,怪我をした場合,警察に診断書を提出し,人身事故扱いにした方がよいのか,物損事故扱いのままでよいのか,というご質問を受けることがよくあります。

この点,人身事故扱いにしていなければ,怪我が大したことがないという扱いをされてしまい,治療費が早期に打ち切られる,適切な後遺症認定が受けられない等のおそれがあることは否めません。

しかしながら,加害者から,車両を仕事で使用するため免許が停止等されると困るとして,人身事故扱いにしないでほしいと懇願されることは多くあります。

このような場合に,加害者を気遣って,あるいは,加害者の逆恨みをおそれ,人身事故扱いにしないでいることも少なくはありません。

人身事故扱いとしないからといって,直ちに治療の面で不利益な取り扱いを受けることは,近時では少なくなっているようですが,そのリスクが無いとは言えないので,できれば,人身事故扱いにしておいた方が良いとは言えます。

事情があり,物損事故扱いのままにするときは,治療費の対応は十分にしてもらえるよう,あらかじめ保険会社と相談しておくことをおすすめします。

また,過失に争いがある場合は,人身事故扱いとしておくことをお勧めします。

なぜなら,物損事故扱いの場合は,事故現場の実況見分等の詳細な捜査は行われず,簡単な「物件事故報告書」が作成されるのみとなります。これでは,事故状況をはっきりさせる材料がなく,過失が争いになった場合に示談交渉が進まなくなるおそれがあります。

ただし,人身事故扱いとする場合は,警察は双方を被疑者として捜査を開始する場合がありますので,場合によってはご自身も刑事処分等の対象となる可能性はあることだけご注意ください。

 

 

後遺障害逸失利益の定期金賠償

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

むちうち症状から高次脳機能障害等の重い後遺障害案件まで,幅広く取り扱っております。

前回のブログの続きです。

最近出された最高裁判決について。

交通事故で重い後遺障害が残った場合,被害者が将来にわたり働いて得られるはずだった収入を,加害者側に「後遺障害逸失利益」として請求することが可能です。

そして,これまでは,後遺障害逸失利益が支払われる場合,将来にわたり発生する分も一時金として一括で支払われ,将来にわたり発生する分を現時点にて受け取ることとなるため,中間利息を控除するという扱いが慣行となっておりました。

例えば,将来の40年分を請求する場合,事故当時の収入額等の基礎収入額×40とするわけではなく,中間利息を控除した係数(ライプニッツ係数を用いることが多いです)をかけます。

40年の場合の係数は,令和2年4月1日より前の事故の場合であれば17.1591,令和2年4月1日より後の事故の場合であれば23.1148となります。

従って,一時金として一括で支払いを受ける場合,実際の取り分が半分以下に減額されることとなり,交通事故被害者は大変な不満を感じることが多かったのです。

ところが,今回の最高裁判決は,後遺障害逸失利益について,実際の取り分が大きく減る一括払いではなく,将来にわたり,毎月定期的に受けとる定期金賠償の形で支払いを受けることを認めました。

この判決が交通事故の実務に与える影響は大きいと思われますが,定期金によるのか,一時金によるのかは,ケースごとに慎重な検討が必要になりそうです。

なぜなら,定期金賠償のほうが,被害者が受け取れる金額が増える点で被害者に有利と思われますが,被害者は,定期的に症状や収入状況に変化がないか,加害者側(保険会社等)から接触を受け続けなければなりません。

この負担ないしストレスは相当なものでしょう。

また,加害者側から,症状が回復した,十分な収入を得られるようになった等と主張され,後に減額されるというリスクもあります。

従って,弁護士としては,依頼者とよくよく打ち合わせをして,どちらにするのが有利なのか判断しなければなりません。

交通事故に遭い,高次脳機能障害等の重い後遺障害が残ってしまった方は,一度弁護士法人心にご相談ください。

弁護士法人心千葉法律事務所オープン!

弁護士の青山です。

この度,弁護士法人心の千葉法律事務所がオープンいたしました!

千葉駅から徒歩1分のアクセスが便利な場所にあります。

これで,千葉県内では柏法律事務所について2店舗目になり,弁護士法人心全体では12店舗目になります。

千葉県在住の皆様により充実したリーガルサービスを提供してまいります。

千葉県在住で弁護士をお探しの際には,是非,弁護士法人心千葉法律事務所にご相談ください。

なお,お車でお越しの方には,駐車券のサービスもございます。

弁護士法人千葉法律事務所のホームページはこちら

 

ところで,最近,交通事故案件において,注目すべき最高裁判例が出されました。

高次脳機能障害など,重度の後遺障害が残った案件で,将来にわたり後遺障害逸失利益が発生する場合,その定期金賠償を認める判例です。

これまでは,後遺障害逸失利益が支払われる場合,将来にわたり発生する分も一時金として一括で支払われ,その際将来にわたり発生する分を現時点にて受け取ることとなるため,中間利息を控除するという扱いが慣行となっておりました。

今回の最高裁判例は,後遺障害逸失利益を請求する場合において,一時金ではなく,中間利息の控除が不要である定期金による賠償を,一定の事情のもとに認めるという内容です。

詳しくは,また追ってご紹介したいと思います。

 

 

あおり運転厳罰化

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

以前,「ながら運転」が厳罰化される法改正があったことを,このブログで取り上げました。

今回は,「あおり運転」の厳罰化について取り上げます。

近時,あおり運転による凄惨な事故が多発していることを受け,いわゆる「あおり運転」を正式に「妨害運転罪」として規定し,罰則を規定する道路交通法が令和2年6月10日に公布され,令和2年6月30日から施行されます。

これにより,他の車両等の通行を妨害する目的で,「妨害運転」行為を行った場合は,3年以下の懲役,又は50万円以下の罰金が科せられることとなりました。

重いです。

これは,このような妨害運転行為の危険性を重視したものと言えるでしょう。

また,「妨害運転」行為により,著しい交通の危険を生じさせた場合は,5年以下の懲役,又は100万円以下の罰金となりました。

以上が刑事処分です。

これに加え,一発で免許取り消しという厳しい行政処分もあります。

ここでいう「妨害運転」には,次のような類型があります。

1 通行区分違反(対向車線を逆走等)

2 急ブレーキ禁止違反(後ろの車両が危険を感じるような急ブレーキ等)

3 車間距離不保持

4 進路変更禁止違反(急な車線変更,割り込み等)

5 追い越し違反

6 減光等義務違反(わざとハイビームで照らしたり,不要なパッシングをする等)

7 警音器使用制限違反(不必要なクラクション等)

8 安全運転義務違反(蛇行運転,幅寄せ等)

9 最低速度違反(高速での低速走行)

10 高速自動車国道等駐停車違反(高速での駐停車)

 

 

続・新型コロナウイルス

名古屋で交通事故案件を取り扱っている弁護士の青山です。

今年は自粛で外出できない異例のGWとなりました。

皆様いかがお過ごしだったでしょうか。

交通事故案件を取り扱っている弁護士として感じるのは,5月は車の通行自体が少なかったためか,4月,5月に事故にあったとする新規のお問い合わせは少なかったように思います。

もっとも,弁護士への依頼のタイミングは事故直後とは限らず,治療の途中,治療の終了後のタイミングで依頼を受ける場合もありますので,現在のところ,目だった新規のご依頼の減少はなく済んでおります。

5月下旬に緊急事態宣言が解除され,延期になっていた裁判の期日も,次々に6月以降の日程で調整が済んできております。裁判所や弁護士会等も徐々に通常の業務体制に戻ってきたようです。

解決が滞っていた案件も,ここから進展があるよう頑張りたいものです。

ただ,第2波が心配されますので,引き続き警戒は怠らないようにしたいところです。

弁護士法人心でも,出勤前の体温の測定が義務付けられ,手洗い,うがいの徹底が周知されています。

また,会議等でもなるべく3密を避けるために窓や扉を開け,人と人の距離を空け,部屋を分散し,少しでも体調が悪い場合は在宅ワークを推奨する等されております。

依頼者様にも,事務所にお越しいただいた際にはマスクの着用や手指の消毒にご協力をお願いしております。

コロナウイルスの感染拡大を防止し,一日も早く元通りの社会にするため,ご理解いただきますようお願いいたします。

高次脳機能障害

名古屋で交通事故を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

以前,高次脳機能障害と将来介護費についてこのブログでも取り上げましたが,今回は高次脳機能障害が残りそうな場合の注意点について書きたいと思います。

1 高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは,脳に損傷を負った結果,記憶力の低下,集中力の低下,社会的に問題のある行動を起こすようになるなど,様々な神経心理学的障害が生じ

ることを指します。運動機能や生命維持機能ではなく,感情的をコントロールしたり,記憶力,集中力,文章を書く能力など,理性的に行動する能力に障害が生じる点が特徴的です。

2 後遺障害等級

事故に遭い,高次脳機能障害が残った場合,自賠責保険にて後遺障害が認定される可能性があります。日常生活上介護を要するほど重い場合ですと1~2級,日常生活上の介護までは不要であっても労働能力を完全に喪失した場合は3級,完全に喪失したわけでなくとも労働能力に制限を受けた場合は,制限の程度に応じて5級,7級,9級の等級が付くことがあります。

当然,認定される等級によって,賠償額は大幅に異なります。

高次脳機能障害が残った場合,被害者には将来にわたって労働に支障が生じるため,適切な等級を獲得できることは一生にかかわる重要な問題です。

3 注意する点

高次脳機能障害は,発見されない場合も少なくありません。

はたから見る限り,被害者が一見すると特に問題ないように見える場合も多いのです。

事故被害者が頭部を負傷し,頭がい骨骨折,局所脳損傷(急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,脳挫傷等),びまん性脳損傷等の診断を受けた場合,一見回復したように見えても,実は,高次脳機能障害が残っている場合がありますので,家族などの身近な人の見守りが非常に重要です。

記憶力が悪くなったとか,一つのことに集中できないとか,性格が変わった(怒りっぽくなった,こだわりが強くなった)等が認められた場合,高次脳機能障害の可能性を考えたほうが良いかもしれません。

この場合,脳神経外科等を受診し,適切な治療とリハビリを受け,もし症状が残ってしまった場合は後遺障害の申請をした方がよいでしょう。

4 後遺症の申請をする場合

高次脳機能障害が残ったことにより後遺障害の申請をする場合,さまざまな書類や資料を揃える必要があります。

医師が症状固定時に作成する後遺障害診断書,治療中に医師が定期的に作成していた診断書,診療報酬明細書,診療録,レントゲンやMRIなどの画像資料,各種所見,事故車両に関する資料等などが考えられます。

これらを被害者の方が自分で揃えるとなると,何を揃えればよいのかわかりませんし,揃えることが出来たとしても非常に手間がかかります。

また,後遺障害の申請を相手方保険会社に任せることもできますが,保険会社の立場はあくまで「相手方」ですので,「被害者のために何としても適切な後遺障害を取得してあげよう」という姿勢を期待することは困難です。

高次脳機能障害で後遺障害の申請をする場合,経験のある弁護士に依頼したほうが良いと思います。

「ながら運転」が罰則強化

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

車を運転している方にとっては重大な法改正がありました。

改正道路交通法が令和元年12月1日から施行され,運転中に携帯電話を操作する,いわゆる「ながら運転」の罰則が強化されます。

昨今,運転中にスマートフォンのゲームに夢中になる等,「ながら運転」が後を絶たず,重大な事故が発生することもあり,「ながら運転」が社会問題となっておりました。

このような背景を受けての今回の法改正です。

運転中にスマートフォンの画面を注視したり,手に持って通話したりすれば,これまでは免許の点数が1点減点されていたところ,今回の改正により3点減点となりました。

また,従前,ながら運転の罰金は,これまで5万円以下の罰金だったものが,今回の改正により,6月以下の懲役または10万円以下の罰金となり,反則金も,例えば普通車であれば,従前6000円だったものが1万8000円と引き上げられました。

さらに,ながら運転中に事故を起こせば,これまでは2点減点であったものが,6点減点であり,一発免停となる重い処分となりました。

もちろん,交通事故の民事の損害賠償においても,「ながら運転」で事故を起こした場合は過失割合や賠償額に影響を与えます。

「ながら運転」は極めて危険です。

絶対にしてはいけないですね。

 

 

ライプニッツ係数と民法改正

皆様,ライプニッツ係数という言葉をご存じですか?

弁護士として交通事故案件を取り扱っていると,後遺障害逸失利益や将来発生する治療費や介護費用を請求する場合など,将来発生することが予測される損害を,現在(示談時や裁判時等)に一時金として支払いを受ける案件があります。

この場合,本来,将来の発生時点まで支払いを受けることができないものを,いわば前倒しのような形で一時金にて支払いを受けるものですので,その間に発生する利息(中間利息といいます)を差し引く必要があります。

この中間利息は,法定利率である年5%で計算されます。

この中間利息分まで交通事故の加害者に支払い義務を負わせることは,公平ではありません。

そこで,損害賠償実務では,将来発生することが予測される損害を現時点で前倒しにて賠償する場合,中間利息控除がなされます。

ライプニッツ係数は,中間利息控除をするための計算に用いられます。

例えば,将来10年分の介護費用の賠償を受ける場合,「介護費用の年額×10」という計算をするわけではありません。

10年のライプニッツ係数である7.7217をかけます。

 

ちなみに,1→0.9524,2→1.8594,3→2.7232,4→3.5460,5→4.3295,6→5.0757,7→5.7864,8→6.4632,9→7.1078・・・です。

 

このライプニッツ係数は,法定利率の年5%に基づいて中間利息を控除するための係数であるところ,2020年4月1日からは民法が改正され,法定利率が年3%となります。

したがって,ライプニッツ係数の数値(未確定)は増額修正されるため,損害賠償額は増加することとなります。

ただ,その分保険会社の負担が増加するため,自動車保険料額が増額されるという声もあります。

今後の動向に注目です。

交通事故の被害に遭われ,将来にわたり発生する損害を計算しなければならない場合,複雑な損害賠償額の計算は弁護士にご相談ください。

交通事故について弁護士をお探しの方は,弁護士法人心名古屋駅法律事務所にご相談ください。

高次脳機能障害と将来介護費

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている,弁護士の青山です。

交通事故に遭い,高次脳機能障害が残った場合,将来の介護費が認められることがあります。

常時介護を要する場合が通常ですが,常時介護を要しない場合でも,介護の必要性の程度,内容に応じて減額されることがありますが,認められる可能性があります。

自賠責保険の後遺障害等級別表第1の1級及び2級の場合に認められることが多いですが,3級以下の後遺障害等級でも症状や状況次第で認められることがあります。

これまでの裁判例をみると,たとえば,併合3級(高次脳機能障害5級2号,外貌醜状7級12号,右眼視野欠損13級2号)の後遺障害につき,日常生活動作は自立しており,日常生活全般にわたり常時介護を要する状態とは認められないが,時に看視や声掛けを要し,平衡機能障害により家事が制限され,外出の際送迎や付き添いが必要である場合に平均余命まで1日4000円の将来介護費を認めた事例があります。

また,高次脳機能障害3級3号の後遺障害につき,自宅で一人で過ごしていることが多く,近くのコンビニに買い物に行ったりリハビリのため通院したりすることがある事案で,平均余命まで1日当たり3000円の将来介護費を認めた事例があります。

これに対し,近時,高次脳機能障害5級2号の事例で,時には家族の援助や配慮を要することがあるとしても,随時の声掛けや監視が欠かせない状態とまでは認められないとして,将来介護費を否定した裁判例が東京地裁から出ました。

従前の裁判例と比較すると厳しい判断な気もしますが,将来介護費については裁判所の判断も分かれる部分なのでしょう。

弁護士としては,将来の介護費が問題となる事案では,介護の必要性を具体的に主張・立証する必要性があります。

 

話は変わりますが,当法人のホームページに掲載している,弁護士やスタッフの集合写真を,この度変更いたしました。よろしければ,一度ご覧ください。

http://www.lawyers-kokoro.com/

 

 

 

 

GW

名古屋で交通事故を中心に取り扱っております弁護士の青山です。

4月はあっという間でした。

今年は花粉症が本当にしぶとく,今もまだ症状が続いています,,,

 

話は変わり,先日,弁護士法人心の本部で交通事故勉強会が開催されました。

多くの方にご来場いただき,ありがとうございます。

勉強会のあとは名古屋駅付近で懇親会も開催されましたが,とても盛り上がりました。

これまでにお付き合いがありお電話で何度もお話したことがあるものの直接お会いしたことが無い方とも勉強会でお会いでき,感激でした。

 

勉強会にご参加いただいた皆様,今後ともよろしくお願いいたします。

 

さて,来週からGWに入ります。

 

今年のGWは10連休で大型ですね。当法人も4月27日~5月6日まではお休みとさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

 

GWに旅行をされる方は多いと思いますが,車で遠出される際はお気をつけ下さい。

例年,高速道路上での事故のニュースをよく耳にしますし,交通事故のご相談を多く受ける気がします。

お気を付けください。

 

僕は,6月にキックボクシングの試合が決まりました。

普段は仕事が忙しく,練習が思うようにできないので,GW中は普段よりは練習ができると思います。

今回は,アマチュアで一番上のレベルのクラス(プロデビュー前の選手がでるようなクラス)で出るので,楽しみ半分,怖さ半分,ですね。

絶対勝つ・・・!できればKOで・・・!

 

皆様も,良いGWをお過ごしください!

 

 

 

政府保障事業について

名古屋で交通事故案件を取り扱っている弁護士の青山です。

交通事故の相手方が無保険だった場合,治療費や休業補償,慰謝料等はだれが支払ってくれるのでしょうか。

少なくとも車を運転するのであれば自賠責保険に入ることは義務ですが,自賠責保険すら入っていない場合を想定しています。

相手方が保険に入っていないのであれば,相手方本人から支払ってもらうのが本筋ですが,保険に入っていない方が自分自身で十分な賠償ができるほどの資力があるとは考えにくいところがあります。

この場合,最終手段として,政府保障事業があります。

全く救済を受けられない被害者が存在してしまっては,被害者の保護を図るという自賠責法の目的を達成することはできなくなってしまいますので,政府が自動車損害賠償保障事業を行うことで交通事故の被害者を保護しようとするものです。

交通事故の相手方が無保険車であった場合,盗難車であった場合,ひき逃げ事故で相手方が判明していない場合等が政府保障事業の保障対象となります。

保障内容は,自賠責保険と基本的に同一となります。

ただし,健康保険や労災など,他の保険による補償が受けられるのであれば,他の保険を使用することが前提となり,他の保険では填補されない部分について補填されるものとなります。

また,被害者救済のため,一般の損害賠償のような過失相殺は行わず,自賠責保険と同様,被害者に重大な過失があった場合のみ一定の減額がなされます(平成19年4月1日以降の事故の場合)。

政府保障事業は,自賠責保険を取り扱っている国内の各損害保険会社等が政府から委託を受け運営されております。

政府保障事業についてのお問い合わせは,各保険会社にお問い合わせください。