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相続放棄ができなくなる行為とは

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年3月28日

1 単純承認をしたとき

相続では、相続人が「単純承認」をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継しますので(民法920条)、相続放棄ができなくなります。

注意が必要なのは、自ら相続したと意思表示をしていなくとも、「単純承認」とみなされてしまう行為があるということです。

2 法定単純承認事由(民法921条)

⑴ 相続財産の全部又は一部を処分した

相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、単純承認したものとみなされます。

ですので、相続人は、亡くなった方の相続財産を勝手に売却などすることのないように注意が必要です。

売却以外にも、例えば亡くなった方の相続財産のうち、不動産の移転登記を行うような行為も、相続財産を処分したといえますので、単純承認したものとみなされます。

被相続人が、借りていたマンションを解約して引き払うような行為も、相続財産の処分といえますので、勝手に解約してしまうと相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。

ただ、大家から早く解約して欲しいと言われることもありますので、そのような場合は、速やかに弁護士に相談し、事務管理や保存行為として解約ができるようにアドバイスをもらいましょう。

他にも、過去の裁判例では、相続財産である賃貸不動産の賃料振込口座の名義を、亡くなった方から相続人に変更する行為が単純承認とみなされた例や、相続財産である株式の議決権を行使したことが単純承認とみなされた例などがあります。

相続放棄ができなくなるか不安な方は、速やかに弁護士に相談しましょう。

⑵ 期限内に限定承認や相続放棄をしなかった

限定承認や相続放棄には、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内という期限が決められています。

この期限内に限定承認や相続放棄を行わないことも、単純承認とみなすと取り扱われます。

⑶ 相続放棄をした後でも注意

相続放棄をした後であったとしても、相続財産の全部又は一部を隠匿したり、私的に消費したり、悪意で財産目録に記載しなかったような場合には、この場合も単純承認とみなされ、相続放棄はできなくなります。

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