休日出勤における代休と振替休日の違い
1 代休と振替休日について
⑴ 本来の休日の代わりに与えられる休日
日曜など、もともと休みだった日に会社に出勤をして、代わりに別の日を休日として認めてもらうことがあります。
このような本来の休日の代わりに与えられる休日のことを、「代休」ですとか「振替休日」と呼んだりします。
⑵ 代休と振替休日の違いとは
一見すると、この二つに違いはないように思えますが、厳密にいうと、あらかじめ「休日の振替」が行われているか否かという手続きの違いがあります。
例えば、「今度の日曜の代わりに来週の水曜を休日にするから、日曜に出社して。」と言われていた場合には「振替休日」になりますが、「日曜は出社して、代わりの休みは、どこかでとってくれたらいいから。」といわれた場合には「代休」ということになります。
2 割増賃金がもらえるかどうかが異なる
実は、この「休日の振替」の有無が、給料額に大きく影響します。
会社は、法定の休日に従業員を出社させて仕事をさせた場合、普段支払っている賃金に35%割増して賃金を支払わなければいけません。例えば、時給1000円で普段働いている人を、休日に働かせた場合、時給1350円を支払わなければならないのです。
「休日の振替」なく休日出勤をして後から「代休」をとった場合には割増賃金をもらえます。
これに対して、事前に「休日の振替」が行われると、もともと休みだった日が、休日ではない通常の出勤日に変更されたうえで出勤するわけですから、「振替休日」をもらう場合には、割増賃金はもらえません。
3 休日出勤に関する問題でお困りの方は弁護士に相談を
このように、「代休」と「振替休日」は似ているようで、割増賃金の有無という大きな違いが生まれます。
そのため、もともと休みだった日に出勤をした場合には、「休日の振替」があったのか確認することが重要です。
なお、会社が適法に「休日の振替」を行うには、就業規則に根拠規定が必要です。
休日出勤の他、労働問題等でお悩みの方は、名古屋駅の近くにある弁護士法人心にご相談ください。