遺産分割に関する弁護士へのご相談
1 遺産分割でお悩みの方は弁護士にご相談を
遺産分割の割合や、誰がどの財産を相続するのかなどについて揉めてしまったり、遺産分割に応じない相続人がいたり等、なかなか思うように遺産分割を進めることができずお困りの方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合は、当法人にご相談ください。
ご意向を丁寧にお伺いし、問題解決に向けて尽力いたします。
2 遺産分割を弁護士に依頼するメリット
遺産の中に不動産が含まれているケースは珍しくありませんが、不動産は均等に分けることが難しいため、誰がどのような形で引き継ぐのかについて、意見が対立してしまうことがあります。
当事者同士だとお互い感情的になってしまい、冷静な話し合いが難しいこともあるかと思います。
そのような場合に、弁護士が間に入ることで、話し合いがスムーズに進む可能性が高いです。
また、弁護士が法律の観点から適切な分割方法について提案することで、相続人全員が納得できる形での遺産分割を目指せる点も、弁護士に依頼するメリットであるといえます。
遺産分割について、トラブルに発展することなく話し合いで合意することができれば、遺産分割後の相続手続きも滞りなく進めることができます。
少しでも不安に思うことがありましたら、お早めに弁護士にご相談ください。
名古屋駅近くの事務所です
当法人の事務所は名古屋駅から徒歩2分の場所にあります。お車をお持ちでない方にもご来所いただきやすいかと思いますので、お気軽にお越しください。
遺産分割の相談をする際に大切なポイント
1 遺産分割の相談は時間がカギを握る
「遺産分割は、いつまでに終わらせなければならないのか」という相談が少なくありません。
実は、遺産分割そのものには、期限はありません。
しかし、遺産分割は、どれだけ早く着手できるかがポイントになることが多くあります。
遺産分割そのものに期限はなくとも、以下のような、遺産分割に関連する手続きには期限が定められているため、遺産分割の相談はできる限り早く行うことが大切です。
⑴ 財産調査との関係
遺産分割をする際は、財産を調査します。
財産の調査を進める中で、もし借金の方が多いことが分かれば、相続の権利を放棄することを検討して、期限内に手続きをしなければなりません。
⑵ 相続登記の義務化との関係
令和6年4月1日から相続登記が義務化され、期限内に正当な理由なく相続登記の申請を行わないと、過料の対象となります。
遺産分割がまとまらない等の理由で期限内に相続登記ができない場合には、いったん法定相続割合で登記をするか、法務局に相続人であることを申し出て、登記の期限を延長してもらう制度を利用することも可能です。
⑶ 寄与分や特別受益の主張との関係
相続開始から10年経過してしまうと、原則として遺産分割において寄与分や特別受益の主張ができなくなります。
⑷ 相続税との関係
相続が発生した場合は、相続に関する税金を検討しなければなりません。
2 遺産分割は長期化しやすい点に注意が必要
遺産分割をする際に、遺産の分け方そのものでもめることがあります。
たとえば、亡くなったお父さんの土地を相続したいという人が複数名出てきた場合、土地の分け方を巡って、争いがおきます。
他にも、亡くなったお父さんが経営者だったような場合は、その会社の株の分け方を巡って、争いが起きることがあります。
しかし、それ以上に、遺産分割では、過去の家族関係や、感情面での対立が原因で、長期化してしまう傾向があります。
そのため、遺産分割をする際には、双方がどういった点に納得がいっていないのか、感情的にどの部分が許せないのかといった、「気持ちの棚卸し」が大切になります。
3 適切な専門家に相談する
遺産分割をする際には、財産の分け方そのものより、気持ちの部分で納得がいかず、もめ事が長期化してしまうことがあります。
弁護士の中には、「法律の手続なので、気持ちは関係ない」と、はっきり伝えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そういった弁護士に依頼した場合、モヤモヤを残したまま、形式的に財産の分け方を決めることになるかもしれません。
そのため、お気持ちの部分についても、しっかり耳を傾けてくれる弁護士に相談し、後悔しない遺産分割を進めていくことが大切です。
1 遺産分割の相談は時間がカギを握る
「遺産分割は、いつまでに終わらせなければならないのか」という相談が少なくありません。
実は、遺産分割そのものには、期限はありません。
しかし、遺産分割は、どれだけ早く着手できるかがポイントになることが多くあります。
遺産分割そのものに期限はなくとも、以下のような、遺産分割に関連する手続きには期限が定められているため、遺産分割の相談はできる限り早く行うことが大切です。
⑴ 財産調査との関係
遺産分割をする際は、財産を調査します。
財産の調査を進める中で、もし借金の方が多いことが分かれば、相続の権利を放棄することを検討して、期限内に手続きをしなければなりません。
⑵ 相続登記の義務化との関係
令和6年4月1日から相続登記が義務化され、期限内に正当な理由なく相続登記の申請を行わないと、過料の対象となります。
遺産分割がまとまらない等の理由で期限内に相続登記ができない場合には、いったん法定相続割合で登記をするか、法務局に相続人であることを申し出て、登記の期限を延長してもらう制度を利用することも可能です。
⑶ 寄与分や特別受益の主張との関係
相続開始から10年経過してしまうと、原則として遺産分割において寄与分や特別受益の主張ができなくなります。
⑷ 相続税との関係
相続が発生した場合は、相続に関する税金を検討しなければなりません。
2 遺産分割は長期化しやすい点に注意が必要
遺産分割をする際に、遺産の分け方そのものでもめることがあります。
たとえば、亡くなったお父さんの土地を相続したいという人が複数名出てきた場合、土地の分け方を巡って、争いがおきます。
他にも、亡くなったお父さんが経営者だったような場合は、その会社の株の分け方を巡って、争いが起きることがあります。
しかし、それ以上に、遺産分割では、過去の家族関係や、感情面での対立が原因で、長期化してしまう傾向があります。
そのため、遺産分割をする際には、双方がどういった点に納得がいっていないのか、感情的にどの部分が許せないのかといった、「気持ちの棚卸し」が大切になります。
3 適切な専門家に相談する
遺産分割をする際には、財産の分け方そのものより、気持ちの部分で納得がいかず、もめ事が長期化してしまうことがあります。
弁護士の中には、「法律の手続なので、気持ちは関係ない」と、はっきり伝えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そういった弁護士に依頼した場合、モヤモヤを残したまま、形式的に財産の分け方を決めることになるかもしれません。
そのため、お気持ちの部分についても、しっかり耳を傾けてくれる弁護士に相談し、後悔しない遺産分割を進めていくことが大切です。
遺産分割で専門家に相談すべきケース
1 相続人同士でもめているケース
もし、遺産の分け方でもめてしまった場合は、すぐに専門家に相談することが大切です。
相続の場面では、遺産の分け方とはあまり関係がない点でもめてしまい、その結果、遺産の分け方についてもいつまでも話が進まないというケースがよくあります。
たとえば、長男が私立の学校に通い、二男が公立の学校に通っていた場合のように、「親にかけてもらった学費」で差があるようなケースなどでは、遺産の分け方とは直接関係ない点でヒートアップしてしまうことがあります。
このようなケースでは、話を冷静に整理して進めていく必要があります。
法律上、遺産をどのように分けるのが適切なのか、学費の差や、介護の貢献度などが、遺産の分け方にどこまで影響するのかといった専門的なアドバイスが必要です。
2 相続人同士が疎遠なケース
たとえば、父が亡くなったものの、父には前妻との間に子がいて、その子とは全く交流がないといったケースがあります。
他にも、何十年も連絡を取り合っていない親族と遺産分割をするようなケースもあります。
こういったケースでは、まず相続人がどこに住んでいるのかを突き止める必要がありますが、専門家でなければ、疎遠な親族の住所を調べることは困難です。
また、疎遠な親族と、お金の話をするというのは、気が引けるという面もあり、どんどん先延ばしになってしまうことがあります。
このようなケースでは、相続人同士の調整を行う専門家の存在が重要になります。
3 遺産の中に複数の不動産があるケース
遺産の中に複数の不動産がある場合、その不動産をどのように分けるのかは、難しい問題です。
全ての不動産を売却し、その代金を分け合うのであればまだしも、不動産自体を分け合うとなれば、それぞれの不動産が何円の財産と言えるのかを決めなければなりません。
しかし、不動産の値段は、不動産会社の査定がばらばらなように、画一的な基準がありません。
そのため、遺産の中に複数の不動産があるようなケースでは、それぞれの不動産の評価を適切に行うことができる専門家のアドバイスが必要です。
1 相続人同士でもめているケース
もし、遺産の分け方でもめてしまった場合は、すぐに専門家に相談することが大切です。
相続の場面では、遺産の分け方とはあまり関係がない点でもめてしまい、その結果、遺産の分け方についてもいつまでも話が進まないというケースがよくあります。
たとえば、長男が私立の学校に通い、二男が公立の学校に通っていた場合のように、「親にかけてもらった学費」で差があるようなケースなどでは、遺産の分け方とは直接関係ない点でヒートアップしてしまうことがあります。
このようなケースでは、話を冷静に整理して進めていく必要があります。
法律上、遺産をどのように分けるのが適切なのか、学費の差や、介護の貢献度などが、遺産の分け方にどこまで影響するのかといった専門的なアドバイスが必要です。
2 相続人同士が疎遠なケース
たとえば、父が亡くなったものの、父には前妻との間に子がいて、その子とは全く交流がないといったケースがあります。
他にも、何十年も連絡を取り合っていない親族と遺産分割をするようなケースもあります。
こういったケースでは、まず相続人がどこに住んでいるのかを突き止める必要がありますが、専門家でなければ、疎遠な親族の住所を調べることは困難です。
また、疎遠な親族と、お金の話をするというのは、気が引けるという面もあり、どんどん先延ばしになってしまうことがあります。
このようなケースでは、相続人同士の調整を行う専門家の存在が重要になります。
3 遺産の中に複数の不動産があるケース
遺産の中に複数の不動産がある場合、その不動産をどのように分けるのかは、難しい問題です。
全ての不動産を売却し、その代金を分け合うのであればまだしも、不動産自体を分け合うとなれば、それぞれの不動産が何円の財産と言えるのかを決めなければなりません。
しかし、不動産の値段は、不動産会社の査定がばらばらなように、画一的な基準がありません。
そのため、遺産の中に複数の不動産があるようなケースでは、それぞれの不動産の評価を適切に行うことができる専門家のアドバイスが必要です。
遺産分割を専門家に依頼した場合の費用
1 事案によって専門家に依頼する費用が異なる
遺産分割を専門家に依頼した場合の費用については、遺産分割のうち、どの部分を、どの専門家に依頼するかによって、費用が大きく異なります。
遺産分割の流れは、一般的に、以下のとおりになります。
- ➀ 相続人調査、相続財産調査
- ➁ 遺産分割協議
- ➂ 預貯金の解約や登記手続き
こちらの手続きのうち、一部のものについては、特定の専門家しか行えないものがあります。
また、相続に関する専門家としては、代表的なものとして、弁護士、司法書士、行政書士、税理士があげられます。
以下、これらの手続きについて、どの専門家が行うことができるのかも含めて、費用についてご説明いたします。
2 相続人調査、相続財産調査の場合
相続人調査及び相続財産調査については、弁護士、司法書士、行政書士、税理士等も行うことができます。
費用については、どの専門家にご依頼したとしても、それほど大きな差はなく、一般的に、相続人調査であれば、報酬が5万円前後、相続財産調査であれば、20万から30万円前後のところが多いです。
3 遺産分割協議の場合
遺産分割協議については、弁護士しか、間に入って交渉を行うことはできません。
そのため、弁護士以外の司法書士や行政書士等の専門家が、間に入って交渉することは違法ですので、注意が必要です。
弁護士の報酬について、一般に、着手金として、20万円~30万円、成功報酬として、遺産取得額の11%前後のところが多いです。
なお、遺産額によって、金額は変わってきますので、一度、弁護士にご相談ください。
4 預貯金解約や登記手続きの場合
預貯金や株の解約手続きについては、弁護士を含め、どの専門家でも行うことができます。
費用としては、20万円から30万円前後のところが多いです。
もっとも、遺産内容や相続人の数等に応じて、金額は大きく異なる場合があります。
登記手続き(不動産の名義変更)の対応は、弁護士と司法書士しか行うことはできません。
かかる費用は、不動産の数に応じて前後しますが、一般に10万円から15万円のところが多いです。
5 遺産分割は専門家にご相談を
このように、遺産分割の中でも、どの部分を専門家に依頼するかによって、かかる費用が異なります。
もっとも、遺産分割すべてについて専門家に任せたいということであれば、まとめて弁護士に依頼されることをおすすめします。
理由としては、弁護士であれば、遺産分割のうち、すべての手続きを行うことができるためです。
また、まとめて弁護士に依頼したほうが、個別に専門家に依頼するよりも安くなる場合もありますし、相談のために様々な専門家のところに行く手間もかかりません。
そのため、遺産分割でお悩みの際は、一度、弁護士にご相談されることをおすすめします。
遺産分割を依頼する場合の弁護士の選び方
1 スピーディーな対応が可能な弁護士を選びましょう
遺産分割は、親族間同士での話し合いです。
親族だからこそ、今までの不満が爆発してしまい、直接遺産分割に関係がないことでヒートアップしてしまうことがあります。
その結果、遺産分割は、解決まで長い時間がかかる傾向にあります。
しかし、遺産分割に長い時間がかかってしまう原因は、これだけではありません。
弁護士が関与しているにも関わらず、解決まで長い時間がかかることもあります。
その原因の一つが、弁護士の業務のスピードです。
遺産分割について詳しくない弁護士であれば、遺産分割に関する法律や、裁判例をたくさん調査しなければなりません。
しかし、遺産分割に強い弁護士であれば、法律や裁判例の調査に時間がかからない分、よりスピーディーな解決が可能です。
2 しっかり話を聞いてくれる弁護士を選びましょう
遺産分割の交渉では、相手方の説得が重要になります。
相手方を説得するためには、相手方の話もしっかりと聞いたうえで、相手方の信頼も得ることが重要です。
しかし、相談者様の話さえ、満足に聞けない弁護士が、相手方の話を聞いて、相手方の信頼を得ることは難しいと言わざるを得ません。
そのため、遺産分割の交渉力の重要な鍵である「しっかり話を聞いてくれる弁護士」を選ぶことが大切です。
3 弁護士の見かけや年齢に引っ張られ過ぎないよう注意しましょう
弁護士に依頼することを検討している方は、ある程度年配の弁護士を選ぶ傾向があります。
その理由は、一定以上の年齢であれば、それだけ経験が豊富な弁護士だ、というイメージです。
しかし、重要なのは、弁護士としての経験の多さより、依頼したい分野の経験の多さです。
いくら会社関係の業務を何十年もやっていても、遺産分割を扱ったことがない弁護士は、遺産分割に強いとは言えません。
他方、若手の弁護士であっても、遺産分割を始めとした相続に特化した弁護士であれば、他の弁護士より多くの遺産分割の実績があります。
そのため、弁護士の見かけや年齢ではなく、弁護士の実績に注目しましょう。
遺産分割について相談する流れ
1 遺産分割に強い弁護士を探す
遺産分割は、数ある法律分野の、ほんの一部分です。
すべての弁護士が遺産分割に強いとは限りません。
遺産分割をあまり扱ったことがない弁護士に相談しても、その場で適切な回答ができなかったり、不適切なアドバイスをしてしまうことがあり得ます。
「法律の専門家なのに、そんなことがあるの?」と驚く方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、たとえば、眼科の医師が、心臓の手術を適切に行えるとは限らないように、専門家であっても、普段あまり扱っていない分野については、適切な対応ができないことは珍しくありません。
そのため、まずは遺産分割に強い弁護士を探すことが大切です。
2 事務所に問い合わせ
遺産分割に強い弁護士を見つけたら、事務所に問い合わせをしましょう。
いきなり事務所に行っても、弁護士が不在の場合もあるため、まずは相談の予約を取ることをお勧めします。
事務所に問い合わせる際は、相談料が必要なのか、電話相談が可能なのかなど、気になることはどんどん質問するようにしましょう。
3 相談当日の流れ
遺産分割について相談する場合は、どんな点で困っているのかを、あらかじめまとめておきましょう。
弁護士との相談は、あまり慣れていない方が多く、その場で考えて話し始めると、まとまりがない相談になってしまうことがあります。
どのような遺産があり、相続人とどういった点で折り合いがつかないのかなどを、メモにまとめておくと、相談がスムーズに進みます。
4 相談後の流れ
相談が1回で終わるとは限りません。
相談内容によっては、適切なアドバイスをするために、必要な資料を集めなければならないケースもあります。
その場合は、再度の相談を行うことになります。
初回の相談で、2回目以降の相談が有料かどうかも、確認しておくとよいでしょう。
5 弁護士に依頼する場合の流れ
弁護士に遺産分割の依頼をした後は、基本的に相手方との交渉を弁護士に任せることになります。
弁護士は、普段の業務の進捗を、報告しつつ、最終的な解決に向けて活動をします。
遺産分割についてお悩みの方へ
1 遺産分割は財産の調査が重要
遺産分割を行う場合、遺産全体を把握できていないと、話し合い自体を進めることが難しくなります。
しかし、たとえご家族であっても、亡くなった方がどのような財産を所有していたのかまでは、把握できていないというケースが少なくありません。
そこで、相続財産の調査を行う必要があります。
具体的には、どこの銀行の、どの支店の預貯金の口座があるのや、どこの市区町村の不動産を所有していたのかを調べることになります。
2 遺産分割は不動産に注意が必要
仮に、遺産が全て預貯金等であれば、遺産の分け方はあまり難しくありません。
しかし、遺産の中に不動産がある場合は、注意が必要です。
不動産は、金銭等と異なり、簡単に分けることができません。
その上、不動産は遺産の中でも高額な財産であるケースが多いため、不動産の分け方次第で、他の遺産の分け方に大きな影響がでます。
遺産の中に不動産がある場合は、誰がその不動産を取得するのか、その不動産をいくらの財産として考えるのか等、様々な点を考慮しつつ、遺産分割を行う必要があります。
3 遺産分割では裁判官目線の考え方が必要
相続人同士で、遺産の分け方を決めようと話し合いをしたとしても、必ずしもうまくまとまるとは限りません。
最後の最後まで折り合いがつかない場合、裁判官が遺産の分け方を強制的に決めることになります。
そのため「このまま裁判官が遺産の分け方を決めた場合、どのような結果になるのか」ということを、常に考えながら話し合いを行う必要があります。
その予想が、自分にとって望まない結果なのであれば、そこを見越したうえで遺産分割協議を行う必要があります。
たとえば、仮に裁判官が遺産の分け方を決めると、取得できる遺産が500万円程度と予想される場合、話し合いの場では、500万円以下の合意には応じる必要がありません。
反対に、話し合いの場で、500万円を超える金額の提示がされた場合は、すぐにその金額で合意した方がよいこともあります。
こういった判断をするためには、裁判官目線の考え方が必要になります。
4 遺産分割に強い弁護士にご相談ください
遺産分割を多く扱い、裁判官の判断を詳細に分析している弁護士であれば、「このまま裁判官が遺産の分け方を決めた場合、どのような結果になるのか」ということを、常に予想しながら交渉を進めることが可能です。
そのため、遺産分割の相談をするなら、遺産分割に強い弁護士に相談することが大切です。
弁護士は、遺産分割を行う前の財産調査の段階から対応できますし、遺産分割協議では、依頼者の代理人として、代わりに交渉を行うことができます。
遺産分割のお悩みは、弁護士にご相談ください。
遺産分割の相談をするなら不動産評価に強い弁護士に
1 不動産評価は遺産分割の重要なポイント
不動産は、遺産の中でも高額な財産であることが多いものの、適正な金額がいくらなのかは、はっきりとしない一面があります。
そのため、遺産分割の場面では、不動産の評価額をいくらにするのかという問題が発生します。
しかし、不動産の評価には様々な考え方があり、確定した計算式などは存在しないため、慎重に検討する必要があります。
2 不動産の評価次第で遺産の取得額が減ることも
遺産の中に不動産が含まれている場合に、どのように評価額が関係してくるのかについて、具体例を挙げてご説明します。
相続人が長男と長女で、遺産が5000万円の土地と、5000万円の預金だった場合を考えます。
長男と長女は、遺産を半分ずつ相続する権利があります。
仮に、長男が土地を相続することを希望した場合、長男は5000万円の遺産を相続したことになるため、長女は残りの預金5000万円を取得することになります。
他方、この土地の評価額が4000万円ということになった場合、長男は土地に加えて1000万円預金を取得することができます。
このように、不動産の評価額が変わると、取得する遺産額が変わってきます。
そのため、不動産の評価額は、相続人同士が揉める原因になり得るのです。
3 弁護士が不動産評価に強いとは限らない
一言で法律と言っても、多種多様な分野があり、不動産に関係がない分野も多く存在します。
また、不動産に関係がある分野を扱っている弁護士であっても、不動産評価自体は不動産業者の査定書を鵜呑みにするというケースは珍しくありません。
遺産分割で適正な遺産を取得するためには、不動産業者が作成した査定書に反論できるレベルまで、不動産評価に詳しくなる必要があります。
不動産が含まれている遺産分割を弁護士に相談・依頼する場合は、その弁護士が不動産評価に強いか確認することが大切です。
4 遺産分割の相談は、不動産評価に強い弁護士に
遺産分割の機会は、一生の間に、多くても数回程度しかありません。
その大事な場面で、悔いが残ってしまうようなことを避けるためには、早い時期に弁護士に相談することが大切です。
特に、遺産分割では、不動産の評価によって、大きく結論が変わることがあるため、相談先を選ぶ際には、その弁護士が不動産評価に詳しいかどうかが重要なポイントになります。
遺産分割に強い弁護士にご相談ください
1 弁護士が遺産分割に強いとは限らない
弁護士は法律の専門家なので、法律に関係することであれば、どんな分野であっても詳しいと思われる方がいらっしゃいます。
しかし、法律の分野は多岐に渡るため、弁護士であっても、全分野に精通しているとは限りません。
そのため、遺産分割の相談をするのであれば、遺産分割に強い弁護士に相談することが大切です。
2 遺産分割に強い弁護士の見極め方
相談する弁護士が、遺産分割に強いかどうかは、どういった点に着目すればいいのかが分からないという方も多いかと思います。
そこで、遺産分割に強いかどうかについて、いくつかのポイントをご紹介します。
⑴ 遺産分割の実績が豊富
法律には様々な分野があり、遺産分割はその中の1つに過ぎません。
様々なジャンルを広く扱うと、当然遺産分割の実績を積む機会が少なくなります。
仮に、遺産分割を年に1件しか扱わない弁護士と、遺産分割を年に100件扱っている弁護士がいるとすると、実績で100倍以上の差が出ると考えられます。
⑵ 税金に詳しい
遺産分割の場面では、様々な税金が発生することがあります。
そのため、遺産分割を多く扱っている弁護士であれば、遺産分割に関係する税金についても、深い知識があります。
特に、遺産の分け方によって、支払う税金に大きな差が生まれることもあるため、税金面に考慮した遺産分割ができるかどうかは、大切なポイントです。
⑶ 不動産事情に詳しい
遺産分割の場面では、不動産の分け方が大きな問題になります。
たとえば、遺産の中に名古屋の不動産がある場合、その不動産の価値がどれくらいかという点で、もめることがよくあります。
そうなった時に、名古屋の不動産の価値を適正に評価できなければ、大きな不利益を受けることがあります。
遺産分割を多く扱っている弁護士であれば、どういった事情で不動産の価値が上下するのかという点についても、アドバイスが可能です。
⑷ 遺産分割専用のホームページがある
ホームページは、その事務所のアピールポイントを掲載する場でもあります。
事務所のホームページだけでなく、遺産分割専用のホームページがある場合は、その事務所が遺産分割に特に力を入れていることの表れということができます。
遺産分割で困った場合の相談先
1 もめている場合や、もめそうな場合は弁護士に相談を
遺産分割で困った場合に相談する専門家として、弁護士、司法書士、行政書士、税理士などの士業が考えられます。
しかし、これらの資格者のうち、遺産を巡ってもめている案件を取り扱うことができるのは、原則として弁護士だけです。
弁護士は、依頼者の方の代理人として、他の相続人と交渉したり、調停や審判といった裁判手続きを行うことができます。
他方、他の資格者は、原則としてこういった裁判手続きを行うことができません。
そのため、現在すでに遺産分割でもめごとが発生している場合は、弁護士に相談する必要があります。
また、他の専門家に相談したものの、結果的にもめごとが起きた場合は、結局弁護士に相談しなければならなくなります。
よって、もめごとが予想される場合にも、やはり弁護士に相談をする必要があります。
2 他の専門家は何ができるのか
相続人同士でもめていない場合は、遺産の分け方についての合意書である、遺産分割協議書を作成することになります。
司法書士や、行政書士は、遺産分割協議書の作成については、行うことが認められています。
また、税理士は、相続税申告が必要な場合で、かつ、相続人同士がもめてない場合は、遺産分割協議書を作成することができます。
3 最初から弁護士に相談するメリット
遺産の分け方を話し合うことになった場合、それまで仲が悪くなかった家族が、突然もめてしまうというケースは、それほど珍しいことではありません。
仮に、もめることはないと思って、弁護士以外の専門家に相談し、結果的にもめてしまった場合は、改めて弁護士に相談することになり、手間や費用が多くなります。
最初から弁護士に相談しておけば、遺産分割トラブルが生じた際に弁護士を探す手間なく、引き続き問題解決に向けて取り組んでもらえます。
弁護士であれば代理交渉ができるため、ご自身で他の相続人と交渉することを負担に思っている場合も、弁護士にご依頼いただくとよいです。
また、遺産分割協議書作成時点ではもめてなくても、相続に詳しくない専門家が遺産分割協議書を作成したため、遺産分割協議書の内容を巡って、裁判に発展するということも考えられます。
相続に関する裁判を扱っている弁護士であれば、そのような事態を防ぐために、適切な遺産分割協議書を作成することが可能です。