相続で弁護士に依頼するのは争いがある場合?

1 「弁護士=争いごと」は誤り

弁護士というと、法廷で依頼者のために闘っているイメージが強く、弁護士に依頼するのは争いがある場合に限られるとお考えの方も少なくありません。

確かに、弁護士は、親族間で揉めている遺産分割、遺留分侵害額請求といった争いのある事案を対応することもあるのですが、それだけではありません。

 

2 生前の相続対策

生前の相続対策として、遺言や民事信託などあります。

例えば、遺言においては、せっかく作成しても、記載内容が不明確な場合や、遺言作成時において遺言者の意思能力があったのかが不明確な場合には、かえって争いを招いてしまうこともあり得ます。

弁護士は、どのような場合に争いになるのかを把握しているため、その知識を活かして、争いが起こらないための遺言を作成することも可能です。

 

3 相続手続

生前対策だけでなく、相続が発生した後の各種相続手続等についても、弁護士が関与することがよくあります。

故人の預金の払い戻し、車の名義変更、相続登記などは、争いごとがなくても相続の際に必要になってくる手続きですが、これらも弁護士が行うことができます。

 

4 相続に詳しい弁護士にご相談を

相続に詳しい弁護士であれば、争いのある案件の交渉等から、各種手続業務までしっかりと対応できますので、お気軽にご相談ください。

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消滅時効(民法改正後のルール)

1 消滅時効とは

消滅時効制度というのは、一定期間、権利を行使しないと、権利自体が消滅してしまうという制度です。

例えば、お金を貸していて、返済時期を過ぎても返済をしてもらわず、そのまま一定期間放置しておくと、時効になって、お金を返してもらう権利が消滅してしまいます。

なお、以前に、このブログで、犯罪の時効について書きましたが、そちらは刑事上の制度で、こちらは民事上の制度ですので、別物です。

参考:犯罪の時効

 

2 民法改正によって時効の期間が変わった

2020年に施行された改正民法では、時効も従来のルールから変更されています。

重要な変更点の1つとして、消滅時効の期間の変更があります。

⑴ 一般債権の消滅時効

従来、契約関係がある場合の権利については、原則として、権利を行使することができる時から10年で消滅するとされていました。

これについて、改正民法では、原則として、行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効消滅すると変更されました(民法166条)。

また、改正民法では、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効については、行使できることを知った時から5年、行使できる時から20年とされました(民法167条)。

⑵ 不法行為債権の消滅時効

当事者間に契約関係のない不法行為(交通事故などが典型です)に基づく損害賠償請求権の時効については、従来は、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年とされていました。

これに対し、改正民法では、人の生命又は身体を害する不法行為については、損害及び加害者を知った時から5年、行使できる時から20年とされ(民法724条の2)、債権の場合と同じになりました。

なお、改正民法でも、人の生命又は身体を害さない不法行為の消滅時効期間については、従来と同じく、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年となっています。

3 時効に関するご相談

弁護士法人心では、時効の援用(時効の完成を債権者に主張すること)などのご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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