交通事故で自分に過失があっても自賠責保険からは100%支払われる?

1 過失相殺とは?
交通事故に遭うと,事故の状況等に基づいて,過失割合が「1:9」などと決まります(交通事故の過失割合について詳しくはこちらをご覧ください)。
過失相殺というのは,例えば,100万円の損害を被ったとして,自分の過失割合が1割,相手の過失割合が9割であれば,相手には100万円の9割の90万円を請求できることになります。
ここまでは多くの方が理解されているのですが,次にお話しする自賠責保険では,過失があっても100%支払いを受けられる場合があり,これについてはご存じない方も少なくありません。

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2 自賠責保険では過失があっても100%支払われる?
交通事故の被害者の方は,加害者が加入する自賠責保険から損害賠償の支払いを受けることができます(自賠責保険と任意保険の関係についてはこちらをご覧ください)。
被害者の方が亡くなった場合や後遺障害が残った場合は別として,ケガをしたという場合であれば,自賠責保険から,120万円を上限として,治療費,休業損害,慰謝料等の支払いを受けることができます。
そして,ここがポイントなのですが,自賠責保険においては,過失が7割未満であれば,自己の過失分を減額されません。
上記の例では,被害者の過失は1割(7割未満)ですので,損害額である100万円が支払われます。
他方で,過失が7割を超える場合には,2割減額されますが(重過失減額),それでも通常の過失相殺と比べてかなり被害者に有利になっています(なお,後遺障害や死亡に関するものについては減額される割合が異なります。)。
実際に交通事故に遭った直後では,損害額は確定していませんが,事故状況やケガの程度などから見通しを立てて対応することは可能ですので,過失などで不安がある場合には早い段階で弁護士に相談されることをおすすめいたします。