米国際貿易裁判所における1974年通商法122条に基づく関税措置違法判決

1 米国際貿易裁判所における1974年通商法122条に基づく関税措置違法判決

2026年2月に「1974年通商法122条に基づく関税措置」という記事を書きました。
米国最高裁がIEEPAに基づく関税措置を違法と判断したことを受けて、米国政府が1974年通商法122条に基づく関税措置を取るというものです。
今回、この1974年通商法122条に基づく関税措置について、米国際貿易裁判所(CIT:Court of International Trade)で、上記措置を違法とする判決が出され、日本の弁護士や企業実務担当者の間でも関心が高いものと思われます。

2 米国際貿易裁判所の判決理由

1974年通商法122条で関税措置を行う際の要件である「巨額かつ深刻な国際収支の赤字(large and serious United States balance-of-payments deficits)」が認められるかが争点となりました。
これについて、米国際貿易裁判所は、「国際収支の赤字」と「貿易赤字」は異なるとして、同要件の充足を否定しました。

3 米国際貿易裁判所とは

通常の連邦地方裁判所とは異なり、米国際貿易裁判所は、アメリカの国際通商事件を専門的に取り扱う裁判所で、アメリカ全土の管轄権を持っています。
米国際貿易裁判所の判決への控訴は連邦巡回区控訴裁判所(CAFC:Court of Appeals for the Federal Circuit)に対してなされ、更にその上訴は米国連邦最高裁判所に対してなされます。
つまり、一審、二審は専門裁判所が担い、最終審は、通常の訴訟と同じく、米国連邦最高裁判所が担うという仕組みになっています。
今回の判決は、あくまでも一審段階のもので、既に控訴がなされていますので、今後、控訴審において判断が示されることになります。