高次脳機能障害と成年後見

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

交通事故で高次脳機能障害を負い、被害者に判断能力がなくなった場合には、成人であれば成年後見人を付けたほうが良いケースがあると、以前にもお伝えしたことがあると思います。

最近の報道で、交通事故の後遺症で高次脳機能障害と診断され、精神障害者手帳の交付を受けた被害者が、亡くなる直前に自宅を不動産会社に売却していたことが分かり、被害者の遺族が不動産会社を相手取り提訴した、というニュースを目にしました。

このケースでは、交通事故の被害者が意思能力(単独で有効に意思表示をできるだけの能力、判断能力)を欠いていたかかが主な争点になると思われます。

意思能力があったかは、ケースごとに、行われた契約等の法律行為の難易度や重要性等を考慮して、その行為の結果を正しく認識できていたかで判断すると裁判例上考えられております。

本件でも、この意思能力がなかった点を原告側が主張・立証していかなければならないでしょう。

この点、高次脳機能障害が残り、判断能力がないことが判明した時点で、なるべく早期に成年後見人をつけるということが、重要です。

成年後見人がついていれば、本人が単独でなした法律行為は取り消すことができ、被害者を守ることができます。

高次脳機能障害の被害者は、後見人を付けたほうが良いケースが一定数ございます。

この点も含め、高次脳機能障害が残った交通事故患者様やそのご家族の方は、一度ご相談ください。