法人税のしくみ⑶

2月も今日までとなり,名古屋でもほんの少し寒さが和らいできました。

さて,前回は,会社の決算上の利益に一定の調整を加えて法人税法上の所得(課税所得)を計算するというお話をしました。

では,なぜこのような仕組みがとられているのでしょうか。

まず考えられるのは,計算の簡素化です。会社が行う決算とは別に,一から課税所得を計算することは二度手間であり非効率的です。

他方で,会社の決算上の利益をそのまま課税所得としてしまうと課税の公平性を保つことができません。例えば,寄附金については,どこまで会社の事業に必要な費用と考えられるかは曖昧です。そのため,寄附金が費用として損金になるかを会社の自主的判断に任せると,その判断次第で課税所得の額が変わってしまいます。

そこで,税法上は,税法独自のルールの下で寄附金の一部を損金不算入とするという「一定の調整」を加えているのです。