法律と条例の違い

1 法律とは

法律を制定することができるのは、国会です。

原則として、法律案が衆議院・参議院の両議院で可決したときに法律となりますが(憲法59条1項)、参議院で否決されたとしても衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば法律となります(憲法59条2項)。

 

2 条例とは

条例を制定することができるのは、地方公共団体です。

地方公共団体は、「法律の範囲内で」条例を制定することができます(憲法94条)。

法律に違反する条例は無効ですが、法律が規制していないことを規制したり、法律よりも厳しい規制をすることも可能です。

名古屋市には、「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」があり、エスカレーター上を歩くことが禁止されていますが、これは、法律が規制していないことを条例が規制している例です。

参考リンク:エスカレーターでの歩行禁止【名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例】

 

3 法律と条例の違い

このように、法律と条例は、制定する主体が異なり、両者が矛盾すれば法律が条令に優先するという関係にあります。

全国一律のルールを設けるべき事項については法律を制定し、地域の特性に応じた規制をすべき事項については条例を制定するというのが基本的な発想です。