1 条例における罰則
条例における刑罰については、地方自治法地方自治法14条3項に、「普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。」と定められています。
最も重いものが、2年の拘禁刑です。
刑法では、死刑もあり、また、拘禁刑についても、無期拘禁刑や20年以下の有期拘禁刑がありますので、これと比べると、条例で定めることのできる罰則は軽微なものとなっています。
その他の違いについては、過去の記事に「法律と条例の違い」がありますので、ご覧ください。
2 罰則のない条例
条例のなかには、義務違反をしても罰則のないものがあります。
「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」はその一つで、名古屋市では、エスカレーターを立ち止まって利用しなければならないという義務がありますが、これの違反に対する罰則は定められていません。
こちらも過去の記事「エスカレーターでの歩行禁止【名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例】」がありますので、ご覧ください。
このような条例について、罰則がないと意味がないと考える方もいるかもしれませんが、実際には、市民の意識が変わる、エスカレーター上を歩く人を注意しやすくなるなどの効果があるものと考えられます。