法テラスの償還請求権の財団債権性

伊藤眞『伊藤眞古稀後著作集 民事司法の地平に向かって』(商事法務、2021年)に所収されている「法テラスの破産手続開始申立弁護士費用立替に基づく償還請求権の財団債権性ーー借金苦による悲劇を繰り返さないために」を読みました。

タイトルのとおり、法テラスを利用して破産申立てする際の、法テラスが債務者に対して有する償還請求権が財団債権となるか破産債権となるかがテーマです。

合理的な範囲での申立代理人の弁護士費用は共益性を有することを理由に財団債権であることが検討されたうえで、立替えによって代位取得した労働債権は財団債権として行使することができるとした最高裁判例の考えに従えば、法テラスが申立代理人の弁護士費用を立て替えたことに基づいて発生した債務者に対する償還請求権は財団債権であることが論じられています。

法テラスが立て替えるのは弁護士の着手金と実費のみなので本論文と直接には関係しませんが、法テラスを利用しない場合で委任契約上は成功報酬金が発生するときも金額が相当なら財団債権といえるのか、また、法テラス以外の者が弁護士費用を立て替えた場合にも同じ論理で財団債権として扱ってよいのか気になるところです。