破産における債権の優先関係

弁護士の松山です。

破産においては、配当の場面で債権の優先関係が問題となります。

まず、全ての財団債権は、全ての破産債権に優先します(破産法151条)。

財団債権の中での優先関係は、条文及び解釈上、以下のとおりとされています(1、2、3、4の順で優先され、同順位の債権間では按分して配当されます)。

1 管財人報酬(立替事務費を含む)

2 債権者申立て又は第三者予納の場合の予納金補填分

3 破産法148条1項1号・2号の債権(⑴⑵以外)(破産法152条2項)

① 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権(1号)

② 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権(2号)

4 その他の財団債権

① 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び97条5号に掲げる請求権を除く)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から1年を経過していないもの(148条1項3号)

② 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権(148条1項4号)

③ 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権(148条1項5号)

④ 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権(148条1項6号)

⑤ 53条1項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権(148条1項7号)

⑥ 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(53条1項又は2項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権(破産法148条1項8号)

⑦ 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権(遺贈の目的の価額を超えない限度において)(148条2項)

⑧ 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権(148条4項)

⑨ 破産手続開始前3か月間の破産者の使用人の給料請求権(149条1項)

⑩ 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)のうち、退職前3か月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前3か月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前3か月間の給料の総額)に相当する額

 

破産債権の中での優先関係については、別の記事でまとめます。