100%弁済の際の留意点

1 個人再生における100%弁済

⑴ 個人再生における債務の減額

個人再生では、通常、債務の額が減額されることにメリットがあります。

たとえば、大きな財産をお持ちでなければ、個人再生すれば、多くの場合、1000万円の債務が200万円にまで圧縮され、200万円を原則3年かけて返済することになります。

⑵ 100%弁済

しかしながら、事情によっては、個人再生をしても債務が減額されない場合があります。

1つは、再生債権(住宅ローン等を除く)の総額が100万円以下の場合です。

もう1つは、清算価値が再生債権の額を超えた場合です。

個人再生では、清算価値(基本的には所有財産の額)未満には減額できないというルール(清算価値保障原則といいます)があるため、清算価値が再生債権の額を超えると、減額されません。

2 手続開始決定後の利息や損害金の支払

100%弁済の際に気を付けるべきは、再生手続開始決定後の利息や損害金(民事再生法84条2項)も含めて払うことになる点です。

この点を失念すると、当初の想定よりも多くの返済を求められることになってしまうので注意が必要です。

いくらの利息及び損害金を払うことになるかは、申立代理人の弁護士が債権者ごとに契約書等で利息・損害金の利率を確認したうえで計算することになりますが、通常の個人再生よりも複雑な計算を要します。