刑事上の「故意」とは?

犯罪が成立するためには、「故意」が必要です(例外的に、過失致死罪など故意がなくても過失があれば成立する犯罪もあります。)。
このことは、刑法38条1項に、「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。」と規定されています。
故意というと、「わざとやった」「知っていてやった」などというイメージかと思いますが、厳密には、犯罪が成立するための要件(構成要件)に該当する事実の認識・認容があることをいいます。
ここで、「認容」が必要とされているというのがポイントです。
つまり、認識はしているけれども、認容していないという場合には、故意はなかったということになるのです。
一体どのような場合かというと、例えば、医師がリスクの高い手術をする際に、医師は、自分が手術をすることによって患者を死なせてしまうかもしれないと思っていれば殺人罪の「認識」はありますが、そうなってもよいとは思っていないので「認容」はなく、故意がないことになります。

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