自己破産と損害賠償義務

最近のニュースで回転寿司屋さんで醤油の注ぎ口をなめる、レーン上の寿司に唾液を付けるなどの迷惑行為が行われ、その様子を撮影した動画が拡散されています。各回転寿司チェーン店は、民事、刑事両面で厳格に対処する旨のコメントを出しています。

では、民事事件で、不法行為による損害賠償請求訴訟が提起され、損害賠償義務が認められた場合、不法行為者が「そのような金額は払えない」と自己破産をした場合、その支払い義務は免除されるのでしょうか。

破産法では、破産によっても免責されない(=支払い義務が免除されるない)債務として、税金の支払い義務、悪意によって加えた不法行為に基づく損害賠償義務、故意または重大な過失により人の生命・身体に対して加えられた不法行為に基づく損害賠償請求権などが挙げられています。

店舗に対する迷惑行為の場合、悪意によって加えられた不法行為に該当すれば、自己破産をしても免責されないことになります。なお、「悪意」とは、故意よりも強く、相手方へ害を加えてやろうという意図を意味すると考えられています。

飲食店では、安全・安心な食事の提供が求められており、特にコロナ禍では食事の際の感染を予防するための様々な対策が取られるなど、日々企業努力が重ねられています。そのなかで、不衛生な行為を行い、かつその様子を動画に撮影してネット上にアップする行為は、飲食店の信頼を害し、多大な損害を与えることが容易に想像できますので、「悪意」ありと判断され、自己破産をしても免責されない可能性があります。

個人再生委員が選任される場合②

2023年が始まりました。今年もよろしくお願いいたします。

さて、今回は、個人再生委員が選任された場合の手続きの流れについてお話しします(名古屋地裁での運用、当職の経験上のお話です。)。

個人再生委員が選任されると、通常は申立代理人の弁護士と、個人再生を申し立てた本人が揃って個人再生委員の事務所へ出向き、面談をすることになります。そこで、財産や履行可能性(返済能力があるかどうか)、裁判所からの確認事項等についての質問・確認があります。特に履行可能性に疑義がある場合には、家計の収支バランスの改善を指示され、今後の家計の状況において改善が図られているかチェックされることもあります。

そして、面談における回答内容を踏まえて、再生委員が手続開始が相当であると考えれば、その旨の意見が裁判所に対して出され、それを受けて裁判所が開始決定を出します。

開始決定が出ると、いつまでに再生計画案を提出しなければならないかが決まります。

通常は、再生計画案を裁判所に提出する前に、再度再生委員と面談をし、再生計画の内容や、その履行が可能かどうかの確認を行ったうえで、裁判所に再生計画案を提出します。

それ以降の流れは、通常の個人再生と同様で、(小規模個人再生の場合には債権者の多数決を経て、)認可決定、認可決定確定へと進んでいきます。

個人再生委員が選任される場合①

個人再生を裁判所に申し立てた場合、個人再生委員という弁護士が選任されることがあります。

個人再生委員は、①再生計画の履行可能性に疑義がある場合、②清算価値を正確に把握する必要がある場合に選任されることがあります。

①再生計画とは、個人再生の手続きにおいて法律誌にたがって減額された後の金額の分割払いの計画のことをいいます。個人再生の手続きにおいて、裁判所は、「減額された後の借金を分割で支払う能力があるか」という点を重視します。収入、支出のバランスから見て、分割で支払う能力がないのではないか?と疑義を持たれた場合には、個人再生委員が選任され、収支バランスの改善を指示されたりします。

②清算価値とは、個人再生をする方の全財産に相当する金額のことをいいます。個人再生によって減額される金額につき、清算価値の基準が採用される場合、清算価値の金額がどこまで借金の減額がなされるかという結論に直結します。したがって、清算価値基準が採用される場合には、その金額を正確に把握する必要性が高いことから、個人再生委員が選任されることがあります。

もっとも、名古屋地方裁判所では、個人再生委員が選任される事案はさほど多くありませんし、個人再生を依頼した弁護士の方で十分に返済能力や清算価値についての調査・報告が尽くされていれば、個人再生委員が選任されないこともあります。

次回は、個人再生委員が選任された場合の手続きの流れについてご説明します。

破産・再生における債権の取り扱い

11月に入り肌寒い季節になってまいりました。また、新型コロナウイルスについても第8波になることが予想されていますので、体調にはお気を付けください。

さて、自己破産や個人再生をしようとする方が、例えばAさんにお金を貸しているような場合、Aさんに対してお金を返してと請求する権利(貸金返還請求権)を持っていることになります。このような債権も、破産・再生をする方の財産に含まれることになります。

自己破産の場合、債権の金額が20万円以上であれば、破産管財事件となる可能性があり、破産管財人からAさんに対して、破産者が貸していたお金を返すよう請求することがあります。

個人再生の場合、Aさんに貸していた金額も清算価値に含まれることになりますから、金額次第では借金がいくらまで減額されるかに影響が及ぶこともありえます。

なお、Aさん自身も金銭的な余裕がなく返済能力がない場合や、Aさんとは音信不通であり連絡も取れないし居場所もわからないということもあります。そのような場合には、Aさんに対する貸金返還請求権は回収の可能性がないから、財産的価値はないとの主張をすることも考えられます。

ただし、裁判所に対してそのような主張をするのであれば、Aさんが生活保護を受けているとかAさん自身も破産の申立て準備中であるといった具体的な事情を説明する、弁護士がAさんの住民票を取得するなどしてAさんの住所の調査を尽くしたが見つからなかったことを報告する、などの対応が必要になる場合もあります。

破産・再生をお考えの方で、第三者に対して債権を持っている場合には、弁護士に対応方法を相談すべきでしょう。

自己破産の際の財産隠し

最近急に寒くなってまいりました。季節の変わり目には体調を崩しやすいですので、お気を付けください。

さて、先月、自己破産の申し立てをした人が、ビットコインなどの暗号資産を裁判所に報告せずに隠していたことから、詐欺破産の疑いで逮捕されたというニュースが出ました。

詐欺破産罪は、破産法265条に規定されており、債権者を害する目的で、財産の隠匿や譲渡、安価で処分するなどした場合に、適用される可能性があります。

破産をしようとする方が高額の財産(名古屋地裁の運用だと、20万円を超える価値のあるもの)を持っていた場合、財産を処分(換価)して、債権者への配当に回す必要があります。それにもかかわらず、その財産を隠匿、譲渡、安価での処分等をしてしまうと、債権者が配当によって得られる金額が減少してしまい、債権者が害されてしまうため、許されません。

したがって、そのような行為をした場合には、刑事罰が科される可能性があるのです。

詐欺破産罪が適用されるケースはさほど多くはないですし、今回ニュースになったケースでも起訴されたかどうかは分かりません。とはいえ、破産をしようとしている場合に、財産の隠匿等をしてしまうことは、詐欺破産罪に該当する可能性がありますし、免責不許可事由に該当する可能性もありますので、絶対にしないようにしてください。

自己破産をする際には、自分の持っている財産は包み隠さず、弁護士に報告し、裁判所にも申告するようにしましょう。

リボ払いの恐怖

債務整理の相談をしていると、「支払が厳しくて、カードをリボ払いしていた。そうしたら、気付いた時には返済ができないほど借金が膨らんでいたため、債務整理をしたい。」というような方が非常に多くいらっしゃいます。

リボ払いとは、月々の返済金額を一定の金額に固定して、毎月その金額を返済していくような支払方法をいいます。一定の金額に固定されると、大きな買い物をした場合でも返済金額が少ないため、生活が安定すると思ってリボ払いにされる方もいらっしゃるのですが、実際は借金がどんどん膨れ上がっていくだけの状態になってしまうことが多いです。

具体的に言うと、例えば、生活費として5万円をカード決済したとして、リボ払いで毎月の返済金額を1万円に設定したとします。すると、毎月の返済額は1万円で済みますが、残りの4万円は借金として残ります。そして、次の月もまた生活費で5万円カード決済をしたとすると、借金の残額が9万円となり、1万円返済しても借金が8万円残ることになります。このように、継続的にカードの利用を続けながらリボ払いにした場合、毎月ちゃんと返済できていたとしても借金の金額がどんどん膨らんでいくのです。さらに、今の例ではわかりやすくするために省略しましたが、当然借金には利息や手数料がかかりますから、1万円返済しても借金の金額は利息や手数料を引いた金額分しか減りません。つまり、思っている以上に借金の金額が増えるペースが速いのです。

リボ払いは、1回限りの大きな買い物をした場合に、分割払いをする方法としては便利な側面もあるかもしれませんが、借金を大きく増やしてしまうきっかけになってしまうケースを多く見てきました。

借金の支払が多く、リボ払いをしようか迷っているという方は、リボ払いにする前に弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。借金の金額が少なければ、債務整理の選択肢も広がりますので、早めに手を打った方がよい場合もあります。また、すでにリボ払いをしていて、完済の目途が立たないという方も、弁護士に相談してみることをお勧めします。

債権者集会における各裁判所の違い

前回の続きで、各地方裁判所ごとの債権者集会における質問内容についての違いについて、お話しします。

名古屋地方裁判所や津地方裁判所では、免責に関する質問として、例えば、自己破産に至った経緯はどのようなものか、自己破産をすることについてどのように考えているか、二度と自己破産をしないようにどのようなことに気をつけて生活しているか、などの質問がなされることが多いです(事案によっては、裁判官から質問がなされることもなく、二度と破産をしないように気を付けてください、という注意のみで終わることもあります。)。これらの質問に対して真摯に答えれば、その場で免責許可決定が出され、数分で債権者集会は終わることが通常です。

しかし、岐阜地方裁判所本庁では、自己破産に至った経緯について、浪費やギャンブル、投資などがある場合、それらにのめり込んでしまった原因は何か、なぜ途中でやめられなかったのか、また同じような失敗を繰り返さないために実践していることは何かなど、かなり細かく、厳しく追及されることがあります。そして、回答の内容を踏まえて、免責許可するか後日決定するものとして、債権者集会が終わることもあります。

個人的な感想ですが、岐阜地裁の裁判官は、債権者集会における質問を通して、しっかりと自己破産に至ってしまったことを反省させ、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしようという意識が強いのかな、と感じました。
たまたま厳し目の裁判官に当たっただけなのか、事案の性質的に免責を許可すべきか微妙な案件だったからなのか、真相は分かりませんが、岐阜地裁の本庁はそのような傾向が強いように感じました。

破産管財事件における債権者集会

私は普段、名古屋駅近くの事務所で執務しておりますが、岐阜県や三重県にも出張で相談に出向くこともありますし、職場が名古屋市内にあるため、岐阜県や三重県にお住まいの方が名古屋駅の事務所まで相談に来られることもあります。

そして、自己破産や個人再生は、原則として申立を行う方の住所を管轄する裁判所に申立てをしなければなりませんから、名古屋地方裁判所だけでなく、岐阜地方裁判所、津地方裁判所へも自己破産や個人再生の申立てをすることがあります。

手続きの流れ自体は法律に従って進められますので、裁判所ごとの運用が異なることはありませんが。自己破産の中でも破産管財事件において開かれる債権者集会という期日について、裁判所(もしかしたら裁判官かもしれませんが。)ごとに傾向が違うような気がしてきています。

そもそも、債権者集会では、破産管財人として裁判所から選任された弁護士から、破産者の財産調査、財産の換価、債権者への配当に関する報告がなされ、その後裁判官から破産者に対して免責に関する質問がなされます。
このような流れについては裁判所ごとに運用が異なるということはありませんが、免責に関する質問について違いがあるように感じています。
次のブログで具体的に書いていきます。

またもや…

こんにちは。弁護士の松岡です。

あっという間に梅雨が明け、真夏になってしまいました。名古屋では6月なのに30度を超える暑さが連日続いております。節電も呼びかけられてはいますが、温度管理と水分補給は十分に行っていただき、皆様熱中症にはお気を付けください。

さて、前回のブログで破産管財事件の非招集型についてお話しし、今回はその続きをと思っておりましたが、またもや破産をした方の情報をネット上の地図に張り付けてアップしているサイトが登場しましたので、ブログを更新いたしました。

みたところ、2009年~2019年までの破産者の情報を掲載しているようです。また、情報の削除を求める場合には6万円又は12万円分のビットコインを支払うよう要求しており、悪質といえます。

以前登場した破産者マップと同様、いずれかの時期にはこのサイトも閉鎖に追い込まれるとは思いますが、破産をしたという情報はむやみに他人に知られたくない情報であることは間違いなく、自己破産をして人生をやり直そうと思っている方にとって不安材料にしかなりません。個人情報保護の観点からも許されるものではないと思いますので、一刻も早く消えてもらいたいものです。

 

債権者集会非招集型手続きについて①

弁護士の松岡です。

自己破産手続のうち、破産管財人が裁判所から選任される破産管財事件では、裁判所に裁判官、破産管財人、弁護士が代理人となって申立てをした場合には申立代理人弁護士、破産者、債権者(金融機関のみの場合、債権者はほぼ誰も来ませんが。)が集まり、債権者集会という期日が開かれます。

債権者集会では、破産管財人から、破産者の財産調査の結果や、財産の換価・配当手続に関する報告、破産者に免責を認めるべきか否かに関する報告等がなされたり、裁判官から破産者に対して質問や二度と破産しないようにといった注意喚起(お説教?)があります。

しかし、最近、名古屋地方裁判所を含む各地の裁判所で、債権者集会を招集することなく手続きを進める非招集型の手続きが行われるようになりました。

非招集型のメリットは、債権者集会の場に行く必要がないという点が挙げられます。債権者集会は、平日の日中に行われますので、場合によっては仕事を休んで参加しなければならないこともありますが、非招集型であればそのような負担がなくなります。

他方で、非招集型の場合、免責許可決定が出るまでの期間が1~2か月ほど遅くなる点、官報に掲載される回数が1回増えるため官報公告費が4816円高くなる点がデメリットとして挙げられます。

個人的には、免責許可決定が出るまでの期間が長くなったとしても、債権者集会に出席する負担がなくなるのであれば、そちらの方がよいのではないかと思います。また、官報公告費についても、債権者集会が開催された場合の弁護士の出廷費用の方が一般的には高額ですので、一概にデメリットとも言えないように思います。

次回は、どのような場合に非招集型になるのかをご紹介できればと思います。

債務整理と個人からの借金

今年のゴールデンウィークは、最大10連休という方もいるようで、久しぶりの外出制限のないゴールデンウィークということで各地で多くの人出が見られたというニュースを見ました。確かに、ゴールデンウィーク中に名古屋駅を通ると、大きなキャリーバックを持った方も多くいらっしゃいました。みなさんはどのように過ごされましたでしょうか。

債務整理をお考えの方の中には、親、兄弟姉妹、友人、勤務先の同僚など、個人の方からも借金をしている方もいらっしゃいます。そのような場合に債務整理をすると、どのような影響があるのでしょうか。

⑴自己破産・個人再生の場合

自己破産や個人再生といった裁判所の手続きでは、債権者平等の原則を守らなければなりません。債権者平等の原則とは、言葉の通りすべての債権者を平等に取り扱わなければならないということです。

したがって、銀行や消費者金融、カード会社等の金融機関には返済をしない一方で、個人からの借金だけは返済するという行為は、債権者間に不平等が生じてしまうため、許されないことになります。個人から借入れがある方が、自己破産や個人再生をする場合には、個人に対しても返済をしてはならないという点にご注意ください。

⑵任意整理の場合

任意整理では、任意整理の対象とする債権者と、対象にしない債権者を選択できますから、金融機関を任意整理の対象として、個人の債権者はその対象にしないことができます。

したがって、任意整理によって金融機関への返済金額を減らしてもらったり、利息を免除してもらいながら、個人への返済を続けることも可能です。

個人からも借金をしている場合、その個人との関係性から、その人には返済を続けたいとお考えの方は多いと思います。そのような方は、弁護士に相談し、任意整理を検討されてはいかがでしょうか。

 

 

債務整理をすると引っ越しできないのか?

これから3回目のワクチン接種に行ってきます。副反応によって仕事に穴をあけるのが怖いので、毎回金曜日か土曜日に打つようにしています。今までは副反応で翌日に多少熱が出たくらいで、そこまでひどくはなかったのですが、今回はどうでしょうか。

さて、4月に入り新年度を迎えました。3月終盤には就職や入学等のためか、引越しをされている様子をよく見かけました。

債務整理をした方も、様々な理由で引っ越しが必要になることもあると思いますが、債務整理をしたことがあるという点は引っ越しに影響があるのでしょうか。

不動産の賃貸借契約をする場合に、家賃の不払いに備えて信販系の会社を保証会社として立てなければ賃貸借契約を結んでくれないところがあります。そのような場合、保証会社となる信販会社が信用情報を確認することになりますので、過去に債務整理をしていたという点から賃貸借契約を断られてしまう可能性があります。

他方で、保証会社を立てる必要がない場合には、信用情報による審査もありませんので、過去に債務整理をしていたという点がネックになることはないと思われます。

したがって、過去に債務整理をした方は、賃借する物件を探す際に多少選択肢が狭まってしまう可能性はありますが、賃貸借契約を結ぶことが一切できず引っ越しができないということはなさそうですので、ご安心ください。

債務整理に関するご相談は、ぜひ弁護士法人心へお問合せください。

自己破産における車の取り扱い

自己破産をする場合に、持っている車がどのような取り扱いを受けるか不安に思われる方は多いと思います。そこで、自己破産における車の取り扱いについてお話しします。

①ローンの残っている車

車のローンを組んだ際、ローンを支払い終えるまで車の所有権をローン会社やディーラーに残しておく「所有権留保」という条項が契約内容に含まれていることがあります。その場合、ローンの残った状態で自己破産をすると、車がローン会社等によって引き揚げられてしまい、手元に残すことができません。

その場合、例えば親族等から援助を受けて、自己破産をする前にローンを完済してしまえば、ローン会社等に引き揚げられることはなくなります(ただし、下記②によって処分される可能性はありますので、注意が必要です。)。

他方で、銀行系の車のローンですと、所有権留保が付いていない場合もありますので、引き揚げられずに済む場合もあります。

②ローンの残っていない車

ローンの残っていない車であっても、名古屋地裁の運用では、時価額が20万円を超えるものは、処分されてしまい、債権者への配当に回ります。他方で、20万円を下回るものについては、手元に残すことが可能です。

なお、名古屋地裁では、初年度登録から7年以上経過していて、かつ新車価格が300万円以下の国産車であれば、原則として時価額をゼロと評価する運用となっていますので、手元に残すことができます。

裁判所の運用は、各地の裁判所によって異なることがありますし、変更になる可能性もありますので、気になる方は弁護士にご相談ください。

名古屋で自己破産のご相談をお考えの方はこちらをご覧ください。

一度自己破産をしたことがある方は、自己破産できないのか?

弁護士の松岡です。

新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急激に広がっています。私の依頼者様の中にも、コロナにかかったり濃厚接触者になってしまい仕事に行けなくなってしまったと連絡をくださる方も出てきており、感染拡大を実感しています。より一層、毎日の検温、手指の消毒、換気を徹底していきたいと思います。

さて、今回は、過去に自己破産をしたことがあるけど、自己破産をすることはできるのか?という点についてお話しします。

過去に自己破産をしたことがある場合、過去の破産の際に裁判所から「今後借金をしないように注意して生活していくように」と指導されたかと思います。しかし、それにもかかわらず、再び破産をしなければならないほど借金を増やしてしまったのですから、自己破産ができるのか不安に思われる方もいらっしゃると思います。

法律上は、7年以内に自己破産をしたという場合には、免責不許可事由に該当し、自己破産が認められない可能性が高いです。

他方で、それよりも以前に自己破産をしたという場合であれば、再び自己破産をすることも可能です。ただし、2回目の自己破産となると、裁判所も免責を許可すべきかを慎重に判断する必要がありますので、破産管財事件になる可能性があります。他方で、1度目の自己破産からかなりの期間が経過していたり、1度目の破産が例えば親の借金の保証人になっていたことが原因である(つまり、自分が作った借金ではない場合)など、事情によっては同時廃止事件になる場合もあり得ます。

過去に自己破産をしたことがあるという方でも、自己破産についてのご相談はお受けできますので、お気軽にご相談ください。

債務整理と携帯電話②(キャリア決済について)

前回、債務整理をした場合の携帯電話の利用についてお話ししましたが、今回はそれと関連した話をさせていただこうと思います。

携帯会社がキャリア決済というサービスを行っています。キャリア決済とは、お店で商品を購入する際に携帯電話会社のID等を利用して決済し、代金は携帯電話料金と一緒に後払いにすることができるサービスです(d払いやauペイなど)。

これらはキャッシュレス時代に合った便利なサービスですが、後払いの性質を持ちますので、借金の一部であることに変わりはありません。

したがって、自己破産や個人再生といった裁判所を通じた手続きをする際には、借金を作る行為は一切禁止されていますので、キャリア決済をすることも基本的にはNGとなります。

キャリア決済はほとんどが一括払いですので、あまり借金という認識がなく使い続けてしまう方もいらっしゃるのですが、これから自己破産や個人再生をお考えの方は、キャリア決済をしないようご注意ください。

なお、任意整理の場合には、このような制限はありませんので、使い続けていただいて差し支えないのですが、使いすぎて返済が回らなくなってしまうと任意整理をした債権者から一括払いを求められることもありますので、計画的にご利用されるべきでしょう。

 

債務整理と携帯電話①(強制解約・新規購入の可否)

債務整理をすると、携帯電話は使えなくなるのか?といったご質問をよくいただきます。ここでは、債務整理と携帯電話への影響についてまとめます。

①携帯料金の割賦払いが残っている場合、強制解約となるか?

任意整理であれば、携帯会社をその対象から除外し、携帯料金を支払い続けることができれば、強制解約となることもなく携帯電話を利用し続けることができます。

他方で、自己破産や個人再生の場合、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないため、原則としては携帯電話会社も債権者として取り扱わなければならず、強制解約とならざるを得ません。もっとも、携帯電話は現代においては生活必需品と言えるものであること、携帯電話が強制解約になってしまうと連絡手段がなくなり、手続きの円滑な進行に支障が出ることから、事実上携帯電話の割賦払いを続けることを認める運用をとる裁判所もあるようです。詳しくは弁護士にご相談ください。

②債務整理後の携帯電話は購入できるか?

債務整理をすると、信用情報センターという機関に情報が登録されます。そうすると、携帯電話の機種変更に伴い、新しい機種を購入しようとする際、分割払いの審査が通らないことがあります。もっとも、その場合でも、分割払いでの購入ができないだけで、一括での購入であれば可能ですので、一切機種変更ができないわけではありません。

亡くなった方の借金について(債務整理の手続き)

前回は、亡くなった方の借金について、相続放棄の手続きをとることで引き継がなくても済む可能性についてお話ししました。

しかし、相続放棄は、相続を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申出をしなければならず、親族が亡くなったバタバタで3か月の期間を過ぎてしまう方もいらっしゃいます(中には、相続放棄という手続き自体を知らず、プラスの財産もないから引き継ぐものもないと考えてそのまま放置してしまう方もいらっしゃいます。)。

そのような場合、亡くなった方の借金も自らの借金として支払い義務を負うことになります。厳しいようですが、亡くなった方の借金だから、プラスの財産は何も受け取っていないから、あるいは亡くなった方とは疎遠だったから、といった事情は考慮されません。

金額が少なく一括で支払うことができる場合、分割であれば支払うことができる場合には、そのまま支払っていくことになると思いますが、金額が大きく返済が難しい場合には、個人再生や自己破産という手続きを取らなければ、支払い義務を減額、免除をしてもらうことができません。

個人再生や自己破産については、裁判所の手続きで収入関係の資料や不動産、自動車、保険等の財産に関する資料など様々な資料の提出を求められますが、他方で相続放棄の手続きは戸籍等役所で取りそろえる資料のみで基本的には足りますので、自己破産や個人再生よりも労力はかかりません。

亡くなった方に借金があることが判明したら、早めに弁護士に相談された方がよいでしょう。

亡くなった方の借金について(相続放棄の手続き)

親族が亡くなったが、その債権者から請求書が届いたとしてご相談に来られることがあります。このような場合、どのように対応したらよいでしょうか。

①亡くなった当初から借金があることを知っていた場合

この場合、その方が亡くなったことを知ってから3か月以内に「相続放棄」という手続きをとると、亡くなった方のマイナスの財産(借金)を引き継がなくてもすみます。もっとも、相続放棄をすると、プラスの財産も引き継ぐことができませんので、相続したい財産がある場合には慎重に検討した方がよいでしょう。なお、プラスの財産の範囲内でのみ負債も引き継ぐという「限定承認」という手続きもあります。

②亡くなった後に借金があることを知った場合

亡くなってから3か月以内に債権者から請求書が届いた場合、①と同様に相続放棄の手続きをとることを検討した方がよいでしょう。

他方で、亡くなってから3か月以上経過した後に債権者から請求書が届いたことで初めて借金があったことを知った場合、原則としては相続放棄をすることはできません。もっとも、相続により財産を取得しておらず、請求書が届いて初めて借金の存在を認識した場合には、その時から3か月以内であれば相続放棄をすることができる可能性があります。

亡くなった方の借金についてお困りの場合には、まずは相続放棄を検討してみてはいかがでしょうか。

破産者情報を掲載するインターネットサイト

15日の新聞の一面に破産者情報を掲載するインターネットサイトについての記事が載っていました。

以前ブログでも書きましたが、また新しいサイトが登場してしまっているようです。

こういったサイトが登場するたびに弁護士会等が動いて閉鎖されているのですが、破産・再生を行った方、これから破産・再生を行う方が安心して手続に進めるように、このようなサイトが登場しないことを祈るばかりです。

弁護士と司法書士の違い

債務整理の相談をしようとするとき、弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか悩まれる方もいるかと思いますが、弁護士と司法書士の違いについてお話ししようと思います。

まず、司法書士は、債務額が140万円を超える場合には和解の代理人となることはできないとされていますから、借金額が140万円を超える場合は任意整理の代理人となることができません。

また、司法書士は、自己破産や個人再生の書類の作成をすることはできますが、代理人となることはできませんので、裁判所や破産管財人、個人再生委員との間のやり取りについて間に入ることはできません。したがって、裁判所等とのやり取りは、自身で行う必要があります。さらに、司法書士による自己破産、個人再生の申立ての場合、破産管財人や個人再生委員が選任される可能性もあります。

他方で、弁護士は債務額による制限はないため、借金の額が幾らのものであっても任意整理の代理人となることが可能です。また、弁護士は自己破産や個人再生の手続きにおいても代理人として裁判所等とのやり取りの間に入ることができます。

弁護士と司法書士にはこのような違いがあります。借金の金額が大きい場合や自己破産、個人再生の手続きにおいて裁判所とのやり取りに不安がある場合には、弁護士にご相談されることをお勧めします。