自己破産の際の財産隠し

最近急に寒くなってまいりました。季節の変わり目には体調を崩しやすいですので、お気を付けください。

さて、先月、自己破産の申し立てをした人が、ビットコインなどの暗号資産を裁判所に報告せずに隠していたことから、詐欺破産の疑いで逮捕されたというニュースが出ました。

詐欺破産罪は、破産法265条に規定されており、債権者を害する目的で、財産の隠匿や譲渡、安価で処分するなどした場合に、適用される可能性があります。

破産をしようとする方が高額の財産(名古屋地裁の運用だと、20万円を超える価値のあるもの)を持っていた場合、財産を処分(換価)して、債権者への配当に回す必要があります。それにもかかわらず、その財産を隠匿、譲渡、安価での処分等をしてしまうと、債権者が配当によって得られる金額が減少してしまい、債権者が害されてしまうため、許されません。

したがって、そのような行為をした場合には、刑事罰が科される可能性があるのです。

詐欺破産罪が適用されるケースはさほど多くはないですし、今回ニュースになったケースでも起訴されたかどうかは分かりません。とはいえ、破産をしようとしている場合に、財産の隠匿等をしてしまうことは、詐欺破産罪に該当する可能性がありますし、免責不許可事由に該当する可能性もありますので、絶対にしないようにしてください。

自己破産をする際には、自分の持っている財産は包み隠さず、弁護士に報告し、裁判所にも申告するようにしましょう。