破産・再生における債権の取り扱い

11月に入り肌寒い季節になってまいりました。また、新型コロナウイルスについても第8波になることが予想されていますので、体調にはお気を付けください。

さて、自己破産や個人再生をしようとする方が、例えばAさんにお金を貸しているような場合、Aさんに対してお金を返してと請求する権利(貸金返還請求権)を持っていることになります。このような債権も、破産・再生をする方の財産に含まれることになります。

自己破産の場合、債権の金額が20万円以上であれば、破産管財事件となる可能性があり、破産管財人からAさんに対して、破産者が貸していたお金を返すよう請求することがあります。

個人再生の場合、Aさんに貸していた金額も清算価値に含まれることになりますから、金額次第では借金がいくらまで減額されるかに影響が及ぶこともありえます。

なお、Aさん自身も金銭的な余裕がなく返済能力がない場合や、Aさんとは音信不通であり連絡も取れないし居場所もわからないということもあります。そのような場合には、Aさんに対する貸金返還請求権は回収の可能性がないから、財産的価値はないとの主張をすることも考えられます。

ただし、裁判所に対してそのような主張をするのであれば、Aさんが生活保護を受けているとかAさん自身も破産の申立て準備中であるといった具体的な事情を説明する、弁護士がAさんの住民票を取得するなどしてAさんの住所の調査を尽くしたが見つからなかったことを報告する、などの対応が必要になる場合もあります。

破産・再生をお考えの方で、第三者に対して債権を持っている場合には、弁護士に対応方法を相談すべきでしょう。