些細な言葉の違いにも

些細な言葉の違いにも,調べてみると随分と深い意味の違いがあることがあります。

弁護士の仕事は,言葉をつかって相手を説得したり,情報を分析する仕事ですから,細かな言葉遣いについても可能な限り注意をするよう心がけたいと思っています。

たとえば,つい先日「鉄」と「鋼」とは何が違うのだろうと疑問に思いました。

どちらの言葉も「鉄のような意思」「鋼のような肉体」などと,固く強靭な様を例えるのに使います。

さっそく,気になって調べてみました。

硬度等の素材の特性の違いはあるのかもしれませんが,鉄と鋼とを区別する一つの指標として,含まれる炭素量の違いで区別されているそうです。

炭素量が約0.02%未満の場合には鉄と呼ばれ,0.02%~約2%程度の炭素量を含むものが鋼と呼ばれるそうです。

普段は,特に意識をすることもなく使っている,良く似た言葉にも調べてみると色々な発見があるものだなと思います。

 

戸籍について

弁護士の仕事は,いろいろな文書に触れる仕事です。

その中には,「戸籍」も含まれます。

相続人の範囲を確認したりする際など,戸籍を集めてきて読み解く作業は必須です。

ただ,この戸籍というものは,かなり年代をさかのぼって調べなければならないことも多く,しばしば明治時代に編纂された戸籍などを読まなければならなくなります。

古い戸籍を読むのは,慣れないとなかなか骨の折れる作業です。

手書きの文字のなかには判読の難しい崩れた文字もあります。

「戸主」という現在ではなくなってしまった制度上の地位も登場します。

とくに,表記の仕方が古い戸籍では右から左に文字が書きすすめられる形になっているため,「主戸」「主戸前」と書かれていて,初めて戸籍をご覧になった方の中には「しゅこ?」「しゅこまえ?」と混乱してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なかなか弁護士等の仕事に就いている人間でないと,戸籍を日常的に読むこともないとは思いますが,一度,興味をもたれた方はご自身の戸籍などを取り付けられて読まれると,面白い発見があるかもしれません。