自己破産はどのような方に適しているか

こんにちは。すっかり夏の天気になり,私の住んでいる名古屋でも連日30度を超える厳しい暑さとなっています。皆様も熱中症にはくれぐれもご注意ください。

さて,今回は,自己破産についてどのような方に適しているのかをご説明したいと思います。もっとも,任意整理及び個人再生のところでは,それぞれの手続きのメリットをご紹介し,どのような方に適しているのかをご説明いたしましたが,自己破産の場合には逆にこういう方は自己破産すべきでない,というご紹介の仕方になります。

そもそも自己破産とは,裁判所を通じた手続きによって,借金の金額をゼロにしてもらうこと(「免責」といいます。)をいいます。

その最大のメリットは,やはり借金がゼロになるため,任意整理や個人再生とは違って手続き終了後に返済をする必要がなくなるということです(もっとも,滞納した税金や養育費,不法行為による損害賠償義務など,破産によっても免責されないものもあります。)。

ただし,このような大きなメリットをもたらす手続きですから,破産をする場合には様々なデメリットやリスクがあります。

①免責不許可事由があると破産が認められない可能性がある。

免責不許可事由とは,破産の申し立てをした方にそのような事情があった場合に,裁判所が免責を許可しないことができる事由のことをいい,例えばギャンブルや投資によって借金を増やした場合や,クレジットカードで購入した商品を決済が済まないうちに売却して現金化した場合などが挙げられます。

もっとも,免責不許可事由があっても,裁判所の裁量で免責許可が得られることもありますので,免責不許可事由があっても破産できる可能性はあります。

②財産が取られてしまう。

破産の申し立てをした方が,不動産や自動車などの価値の高い財産を持っている場合,それらの財産が処分されてしまい,債権者への配当に充てられてしまう可能性があります。

もっとも,すべての財産が取られるわけではなく,99万円以下の金銭や生活に不可欠な家財道具は,自由財産として手元に残すことも可能です。

自己破産をしても残すことのできる財産についてはこちらをご覧ください。

③破産をするとできない職業がある。

警備員や保険の募集人などは,破産をするとその職業に就くことができなくなってしまいます。

したがって,それらの職業で生計を立てている方は,破産をすることで職業を失ってしまうことになりますから,破産を避けるか,別の職種へ転職する必要があります。

自己破産をすると影響のある資格・職業についてはこちらをご覧ください。

以上より,破産をすると就くことができない職種に就いておらず,特に処分されて困るようなめぼしい財産もなく,かつ免責不許可事由にもあたらない方は,自己破産が適しているといえます。

また,免責不許可事由に該当していても,裁判官の裁量で免責許可が得られる場合もありますから,任意整理や個人再生では返済のめどが立たない場合には,自己破産を選択するのもよいかと思います。

ただし,ここでお話しした内容は簡単な一般論にとどまり,どの方針をとるべきかは個別具体的な判断が必要となります。

債務整理でお悩みの方は,弁護士法人心までご相談ください。

個人再生はどのような方に適しているか

先月は,任意整理はどのような方に適しているかというタイトルで,任意整理のメリットについてお話しさせていただきました。今月は個人再生についてお話したいと思います。

まず,そもそも個人再生とは,裁判所を通じた手続きによって借金の金額を減らしてもらい,分割によって完済を目指す手続きです。

メリット① 借金の金額を減らすことができる

任意整理の場合には,利息をカットできる可能性はありますが,借金の元本は減りません。

他方で,個人再生の場合には,借金の金額が,100万円か,5分の1か,清算価値(自分の財産をすべて処分した場合に得られる金額)のいずれか高い金額まで減額されます。例えば,借金の金額が1000万円あり,財産がほとんどない方は200万円まで減額され,借金は1000万円あるが,300万円の財産がある方は300万円まで減額されます。

また,分割弁済の期間は原則として3年間で,特別の事情が認められれば最大5年間まで延長することも可能です。

メリット② 家を残すことができる

個人再生の大きな特徴の一つとして,住宅ローンが残っている状態で個人再生をしても家を残すことができるという点です。したがって,借金の金額が多く任意整理では払いきることができないが,家を残したいという方は,個人再生が適しているといえます。

メリット③ 免責不許可事由があっても個人再生できる

自己破産の場合,投資やギャンブル,浪費等によって借金を増やした場合など,免責不許可事由に該当する事情がある場合には破産が認められないことがあります。もっとも,個人再生の場合には,免責不許可事由があっても認められますので,免責不許可事由に該当する方でも借金を整理することができます。

したがって,借金の金額を減らさないと完済はできないが,ローンを組んだ家は残したいという方,投資やギャンブル,浪費によって借金を増やしてしまったが,整理をしたいという方は個人再生が適していると考えられます。

個人再生をお考えの方は,弁護士にご相談ください。

個人再生に関する名古屋駅法律事務所のサイトはこちら

任意整理はどのような方に適しているか

今年のゴールデンウィークは,史上最大の10連でした。いかがお過ごしでしたでしょうか。

さて,先月のブログで借金の整理の方法は大きく分けて3つあるとのお話をさせていただきました。借金の整理をお考えの方にとって,自分はどの方針をとったらよいかわからないという方のために,それぞれの方針についてのメリットをご紹介したいと思います。

今回は任意整理についてお話します。

メリット① 家族に内緒で借金の整理ができる

借金問題は,家族や近しい友人などにも打ち明けにいものだと思いますから,借金の整理についても誰にも知られずに終わらせたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。任意整理は,裁判所を通じた手続きではなく,弁護士と各貸金業者や銀行等(以下,「債権者」とします。)が個別に交渉し分割返済の約束をする手続きですから,家族にも知られずに行うことが可能です(もっとも,債権者が訴訟提起するなどした場合には,自宅に裁判所からの書面が届いてしまう場合があります。)。

メリット② 月々の返済金額や利息を減らすことができる

借金問題でお困りの場合,返済金額が多くて生活が回らない,毎月返済をしているがそのほとんどが利息に充てられてしまい元本がなかなか減らないというケースが多く見受けられます。任意整理では,借金の利息を免除(減額)してもらい,元本を長期間(目安としては3年~5年)で分割返済する合意を目指すことになります。したがって,任意整理によって月々の返済金額が減り,また利息が免除(減額)されることで完済までの見通しを立てることができます。

メリット③ 費用を安く抑えられる

個人再生や自己破産の場合,着手金だけで数十万円ほどかかりますが,任意整理では比較的費用を安く抑えることができます。なお,弁護士法人心の場合,着手金は1社当たり3万9800円+税,成功報酬金は0円です。

メリット④ 資料集めや書類作成の手間がない

個人再生や自己破産の場合,裁判所に提出しなければならない資料がたくさんあります。弁護士に依頼した場合でも,資料集めや家計の状況などについてはご自身で作成しなければならないものもあって手間がかかりますが,任意整理の場合にはそれらの負担がありません。

任意整理に要する期間についてはこちらをご覧ください。

来月は,個人再生のメリットについてご紹介したいと思います。

借金の整理の方法

こんにちは。新元号「令和」が発表され,裁判所からの次回期日に関する書面も「令和元年○月○日」という記載がされるようになりました。いよいよ改元が間近に迫ってきたな,という印象です。

さて,元号も変わるタイミングで借金の整理をお考えの方もいらっしゃるかもしれません。そこで,借金の整理の方法についての大枠をお話したいと思います。

借金の整理の方法は,大きく分けて3つあります。①任意整理,②個人再生,③自己破産です。

①任意整理とは,貸金業者との間で任意の話し合いによって,借金の利息をカットしてもらったり長期間での分割弁済の合意をすることをいいます。借金の金額が多い場合には,月々の返済金額の大半が利息に充てられてしまい元本がほとんど減らない…といった事態に陥ってしまうことがあります。任意整理により,利息をカットしてもらうことができれば,完済までの道筋が見えてきますし月々の支払金額を減額できる場合もあります。

②個人再生とは,裁判所を通じた手続きによって,借金の金額を減らし,3年(場合によっては5年)で分割返済をすることをいいます。個人再生のメリットとしては,住宅資金特別条項を利用することで,住宅ローンの残っている住宅を残したまま手続きをすることができる可能性がある点です。破産の場合には,住宅ローンの残っている住宅は競売にかけられるなどしてしまいますので,住宅を残して借金の整理をしたい方は,個人再生を検討すべきでしょう。

③自己破産とは,裁判所を通じた手続きによって,借金をなくすことをいいます。借金がなくなる点でメリットも大きいのですが,破産が認められなくなってしまう事情(免責不許可事由)もありますので注意が必要です。この点については,いずれ詳しく取り上げたいと思います。

それぞれの手続きにおいて,メリット・デメリット,利用できる条件等が異なります。借金の整理をお考えの方は,弁護士にご相談ください。

債務整理の種類についてはこちらもご覧ください。

平成30年度賃金センサス

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡です。

少しずつ暖かくなってきて,もうすぐ名古屋でも桜が見られるような季節になってきました。

さて,3月29日に平成30年度の賃金センサスが公開されました。賃金センサスとは,性別,年齢,学歴等の分類ごとに,平均的な収入をまとめたものです。交通事故の損害賠償請求の際に,被害者の方の収入が不明確である場合(例えば,主婦としての家事労働を収入に換算する必要がある場合,若年者で将来的に仕事をした場合にどれほどの収入が得られるか分からない場合など。)に,賃金センサスの平均収入をもとに損害の金額を計算することがあります。

ここでは,交通事故の損害賠償請求の際によく使われる平均収入をご紹介します。なお,賃金センサスの検索方法や平均収入の計算方法は,平成30年3月の私のブログでも取り上げておりますので,詳しくはそちらをご参照ください。

男女・学歴・全年齢計…497万2000円(平成29年:491万1500円)

男性・学歴・全年齢計…558万4500円(平成29年:551万7400円)

女性・学歴・全年齢計…382万6300円(平成29年:377万8200円)

このように,前年に比べて平均賃金が上昇傾向にあることが分かります。

離婚慰謝料に関する最高裁判決

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡です。

今月19日,離婚の慰謝料に関する注目の最高裁判決が出されました。この事案では,男性が,元妻の不倫相手に対して離婚に関する慰謝料を請求していました。しかし,最高裁は,離婚に関する慰謝料を不倫相手に請求することは原則としてできないとの判断をしました。

これだけを読むと,不倫相手に対する慰謝料の請求はできないのか,という誤解が生まれそうなので,詳しく見ていきたいと思います。

この最高裁判決を理解する上でポイントとなるのが,”不倫”の慰謝料と”離婚”の慰謝料は違う,という点です。

そもそも,配偶者が不倫をした場合,不倫された側には,配偶者とその不倫相手に対して不倫に関する慰謝料を請求する権利があります。そして,不倫の慰謝料請求権は,民法上,不法行為に基づく損害賠償請求権となり,3年で時効になってしまいます。今回のケースでは,男性が不倫を知ってからすでに3年以上が経過しており,男性の不倫相手に対する不倫の慰謝料請求権は時効にかかってしまっていました。そこで,男性は不倫から5年後の離婚を原因として,不倫相手に慰謝料を請求したのです。

もっとも,裁判所は,「離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき事柄である」から,不倫相手が必ずしも離婚に関する不法行為責任を負うわけではなく,不倫相手に対する離婚を原因とする慰謝料請求が認められるのは,不倫相手が「単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情があるときに限られる」と判断しました。

以上をまとめると,①不倫相手に対する”不倫”の慰謝料請求は認められる(ただし,3年の時効に注意),②不倫相手に対する”離婚”の慰謝料は特段の事情がなければ認められない,ということになります。

今後の裁判では,この「特段の事情」に当たるか否かが争われるケースが出てくると思われます。判例の集積に注目していきたいと思います。

人身事故扱いにするか否か

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて,事故に遭ったばかりの方の交通事故の相談を受ける際に,よく聞かれるのが,人身事故扱いにした方がよいかどうか,という点です。

警察での交通事故の取り扱いは,人身事故と物件事故の2通りあります。両者の違いは,人身事故は簡単にいえば交通事故によって怪我人が出た,物件事故では車は壊れたが怪我人は出ていない,ということになります。また,物件事故扱いの場合には,警察の方で「物件事故報告書」という簡単な書類が作成されるのみですが,人身事故の場合には「実況見分調書」という事故状況が詳しく記載された書類が作成される点で違いがあります。

信号待ちで停止しているところに追突された場合のような被害者側に過失がない事故類型の場合には,人身事故扱いにしておいた方がよいでしょう。というのも,物件事故扱いのままだと,怪我の程度がそこまで大きくなかったのではないかと誤解されてしまうことがあるからです。

また,事故当事者の言い分が異なっており,過失割合に争いがあるような事故態様の場合には,実況見分調書が有力な証拠となる場合がありますので,人身事故扱いにしておいた方がよい場合があります。ただ,人身事故扱いにすると,被害者側にもある程度の過失割合が認められるような事故態様の場合,免許の点数が引かれたり,罰金等の刑罰が科されるリスクもありますので,ご注意ください。

相手方の任意保険会社からは,物件事故扱いのままでも怪我の対応はするからと言われることもありますが,それに従う必要はありません。警察の方も,事故から時間がたちすぎてしまうと人身事故扱いにできないといわれてしまうこともありますので,もしご心配であれば,早めに弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士費用特約

早いもので今年ももう終わりですね。来年は平成から新元号に変わるため,なにかと「平成最後の」というワードをよく耳にします。平成最後の年末年始,皆さんはどのように過ごされるのでしょうか。

さて,今回は,弁護士費用特約についてお話したいと思います。

弁護士費用特約は,自動車保険や生命保険,火災保険等の保険に付加される特約で,弁護士に法律相談をした際の法律相談料,依頼した際の着手金・成功報酬金等の費用を保険会社が負担してくれるものをいいます。

弁護士というと,やはり敷居が高くて相談しにくいというイメージを持たれる方が多くいらっしゃいます。その原因の一つが,費用が高いことにあると思います。確かに,法律相談だけで30分5000円~1万円かかることも多いので,費用が高いと思われることも当然と思います。しかし,弁護士費用特約に加入していれば,上限金額はありますが弁護士費用は保険会社が出してくれるので,気軽に相談・依頼をすることができます。

弁護士に相談をしたいと思われた場合には,自分の入っている保険の中に弁護士費用特約がないかチェックしてみてください。また,保険会社によっては,同居のご家族が加入している保険の弁護士費用特約を使える場合もありますので,併せてご確認ください。

交通事故の弁護士費用特約についてはこちらもご覧ください。

環境整備

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡聡司です。

早いもので11月も終わり,今年もあと1か月ですね。11月は秋から冬になるようなイメージでしたが,今年は体感的にそこまで寒くはないのかなとは思いますが,風邪をひかないようしっかりと体調管理をしたいですね。

さて,弁護士法人心では,株式会社武蔵野さんのご指導の下「環境整備」というものを行っています。環境整備は,整理・整頓・清潔を通して,より効率的に仕事ができる環境を整えるとともに,細かな点にも気づくことができる感性を磨くことを目的として行っています。

私は,以前実践幹部塾というものに参加していましたが,その際にも環境整備によって仕事環境が改善され,業績アップにつながったところを見学したこともあります。私たちの方で環境整備を行うようになってから約半年ほど経つのですが,始めたばかりのころは実践幹部塾の際に見学したものを見よう見まねでやっていましたが,回数を重ねるにつれて同じ班のメンバーとコミュニケーションをとりながら,物をどこに配置したら効率的な業務ができるかや,清潔な状態を保つための仕組みづくりを行い,少しずつですが環境は良くなってきているのではないかな,と思います。

環境整備は,会社だけではなく自宅にも応用ができるもので,例えば「整理」としては要るものと要らないものを判断して,要らないものを処分することを意味するのですが,自宅でも実践したところ要らないものを大量に捨てることができ,スペースの確保につながりました。また,物の置き場所を決める「整頓」をすることによって,物がなくなったり,探すのに時間がかかるといったことを防ぐことができるようになりました。

皆さんも環境整備を実践してみてはいかがでしょうか。

家事従事者の休業損害②

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡です。

今年の夏は特に暑かった印象ですが,ここ最近は風が肌寒くも感じるようになってまいりました。急な気温の変化に体調を崩しやすい季節ですので,皆様も体調には十分お気を付けください。

さて,前々回お話しした家事従事者の休業損害の続きです。前々回は,家事従事者の休業損害の算定方法についてお話しいたしましたが,今回は家事への支障をどのように主張したらよいのか,という点に触れたいと思います。

まず,事故前に比べて家事ができなくなってしまった,と抽象的に主張するだけでは不十分です。具体的にどのような家事に,どのような支障が生じてしまったのかを主張する必要があります。例えば,事故前は毎日食事を作っていたが,長時間立ちっぱなしだと首や腰の痛みが強くなってしまうので事故後はお弁当やお惣菜を買う機会が増えた,事故前は毎日掃除機をかけていたが,事故後は腰の痛みから前かがみになることができず週に1回に減ってしまった,事故前は一人で買い物に出かけていたが,事故後は重い物を持つことができなくなってしまったため夫に代わりに行ってもらうようになった,などです。

これらの事情は客観的な証拠で立証することはなかなか難しく,当事者の主張においてどれだけ説得的な事情を集められるかが重要になると思います。もっとも,このような事情を後から思いだすことはなかなか難しいので,事故に遭ったばかりの方や現在通院中という方は,事故後から日常生活で家事をするときに,事故前と比べてできなくなってしまったことや誰かに代わりにやってもらったことがあればメモしておくことをお勧めします。

名古屋駅法律事務所に移転

こんにちは。弁護士の松岡聡司です。

私はこれまで弁護士法人心本部で勤務していましたが,9月21日より勤務場所が弁護士法人心名古屋駅法律事務所【名古屋市中村区椿町18-22 ロータスビル4階】に移転いたしました。

勤務場所が移転したといっても,名古屋駅法律事務所も名古屋駅太閤通南口から徒歩2分の位置にあり,今まで勤務していた本部の向かいくらいの位置(徒歩で30秒くらい)ですので,ご来所いただく際にも以前とさほど変わりはない形になっております。また,提携の駐車場も従前通りオータケパーキング【愛知県名古屋市中村区椿町20-1】となっておりますので,お車でご来所される際にはこちらの駐車場にお止めください。

もっとも,勤務場所移転にともなって,電話番号及びFAX番号が変わりましたので,従来の電話番号で登録されている方は,知らない番号からかかってきたと思われてしまうかもしれません。お手数ではございますが新しい電話番号の方でご登録いただけると幸いです。

新しい電話番号及びFAX番号は以下の通りです。

TEL:052-485-9123

FAX:052-485-9124

ご迷惑をおかけいたしますが,今後ともよろしくお願いいたします。

家事従事者の休業損害①

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡聡司です。

今回は,家事従事者,いわゆる主婦の休業損害についてお話します。

事故によって傷害を負い,その通院等のために仕事を休んだ場合の収入の減少を損害ととらえて相手方に請求することができます。もっとも,主婦の場合,日常生活上の家事で収入は発生していませんから,家事を休んだとしても「収入の減少」はありません。しかし,主婦が交通事故に遭って受傷し,家事ができなくなってしまった場合に休業損害を認めた裁判例が多数ありますので,示談交渉においても主張していくべきでしょう。

では,主婦の休業損害はどのようにして計算されるのでしょうか。

①自賠責保険基準

自賠責保険基準では,家事への支障が認められる日数(通院日数が基準になる場合が多い)×5700円で計算されます。

②裁判基準

裁判基準では,賃金センサス(3月1日のブログにて取り上げました。)を基に一日当たりの基礎収入が算出され,事故前と比較して何パーセントくらい家事ができなかったかを掛け合わせて導かれます。

例えば,事故後10日間入院しその間は何も家事ができず,退院後20日間は事故前と比べて50パーセントくらいしか家事ができず,その後1カ月間は少しずつ症状が良くなり事故前と比べても30パーセントくらいの支障にとどまった,という場合でみると,「一日当たりの基礎収入×10日×100%+基礎収入×20日×50%+基礎収入×30日×30%」という計算に基づいて休業損害の金額が導かれます。

少し長くなってきたので,次回ももう少し家事従事者の休業損害についてお話ししようと思います。

専業主婦の基礎収入についてはこちらもご覧ください。

あおり運転と殺人罪

弁護士の松岡です。

7月も中盤に入り,暑さも本格的になってきました。私の住んでいる名古屋でも連日の猛暑日で,丸の内の駅から裁判所まで少し外を歩いただけでも汗がにじんできます。熱中症で運ばれたり亡くなられる方もいらっしゃるようですので,皆様も熱中症にはお気を付けください。

さて,最近の気になるニュースとして,あおり運転でバイクに追突し,乗っていた大学生を死亡させた事件について,検察庁は殺人罪で起訴したことがあります。

通常交通事故は前方不注視やハンドル操作ミス等の「過失」によって発生するものであることから,被害者を死傷させた場合,過失運転致死傷罪等の過失犯が適用されます。これに対して,殺人罪は,相手を殺してやろうとか相手が死んでしまってもかまわないといった「故意(殺意)」がある場合にしか適用されないので,交通事故で故意犯である殺人罪で起訴した点は異例といわれており,被告人に故意(殺意)があると検察側が立証できるかどうかが大きな争点となりそうです。

あおり運転の危険性が叫ばれる中でこのような悲惨な事件が起き,このような事故が無くなることを祈るばかりですが,今後もこの事件には注目してみたいと思います。

司法取引制度と刑事免責制度

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡聡司です。

今年の6月から,司法取引制度と刑事免責制度が導入されました。

司法取引と聞くと,よくドラマや映画とかでありそうな,「罪を認めれば刑を軽くしてやる」といったものを思い浮かべる方もいるかもしれませんが,今回導入される司法取引制度はこのような類型(自己負罪型)ではありません。

今回導入される司法取引制度とは,他人の犯罪についての捜査・公判に協力することと引き換えに,起訴しないことや求刑を軽くするなどの恩恵を与えることを合意することをいいます。

例えば,覚せい剤の使用・所持の被疑者・被告人との間で,その売人について供述することと引き換えに,起訴しない・公訴提起を取り消すことを約束することをが考えられます。

刑事免責制度とは,証人の証言拒絶権をはく奪して証言を強制するが,その証言やその証言から派生して得られた証拠は,証人の刑事事件の証拠として使用することが禁止されることをいいます。

例えば,オレオレ詐欺の主犯格の公判において,下っ端である出し子に証言拒絶権をはく奪して証言させるが,その出し子本人の公判では,当該供述及びそこから派生して得られた証拠は証拠として使用することができないことになります。

これらの制度が実務上どのように運用されていくのか,注目していきたいと思います。

弁護士法人心では,刑事事件も取り扱っております。

買い替え諸費用

名古屋の弁護士の松岡聡司です。

交通事故で車が損傷した場合,基本的には車の時価額と修理費用のどちらか安い方が物損の損害額となります。例えば,車が大きく損傷して修理費が50万円かかるとしても,車の時価額が30万円であれば,30万円が損害額となります。

そうだとすると,車の時価額の方が安い場合(経済的全損と呼ばれます。),修理費用との差額(上の例だと20万円)を負担して修理するか,時価額(上の例だと30万円)を受け取って新たな車に買い替えるかを選択することになります。

仮に買い替えを選択した場合,車の購入にはその本体価格のみならず買い替えの際に諸費用が発生することが通常ですから,その諸費用相当額も損害として認められる可能性があります。

諸費用として認められる可能性のあるものとしては,自動車取得税,事故車両の自動車重量税,リサイクル料金,検査・登録費用,車庫証明費用(これらの手続きの代行費用)などが挙げられます。なお,新車の自動車重量税,自賠責保険料については,諸費用として認めないと判断した裁判例があります。

買い替え諸費用としていくら請求していくかの立証面ですが,相場から概算する方法や,実際に車を買い換えた際の見積書の中に各費用について記載してもらい,記載された金額を請求する方法などが考えられます。

給与所得者の休業損害②

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡聡司です。

前々回,給与所得者の休業損害についてお話ししましたが,今回はその続きで,交通事故で怪我をしてその通院等のために有給休暇を取得した場合の休業損害の計算方法についてお話します。

前回のお話では,基本的には会社を休んで収入が減少した場合にその減収部分を休業損害として請求できるとご説明いたしましたが,有給休暇を取得した場合,収入の減少はありませんので休業損害を請求できないとも思えます。しかし,本来であれば自由に取得できるはずの有給休暇を通院等に充てなければならなくなったということになりますので,減収が生じていなくても有給休暇を取得した日数分の休業損害を請求することができるとされています。

有給休暇について休業損害が発生すること自体は,さほど争いになることはありませんが,休業損害の計算方法について争いになることがあります。

相手方保険会社は,通常の欠勤と同じように事故前3カ月間の収入を90日で割った金額を1日当たりに収入とし,有給休暇を取得した日数分の金額を提示してくることがほとんどです。しかし,裁判例上は事故前3カ月分の収入を事故前3カ月間の稼働日数で割った金額を1日の基礎収入として計算したものが多く見受けられます。稼働日数で割れば,1日当たりの基礎収入が増えますので,休業損害の金額の増額の可能性があります。

休業損害に関しても弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

休業損害の計算方法については,こちらもご覧ください。

平成29年度賃金センサス

こんにちは。名古屋の弁護士の松岡聡司です。

2月28日に厚生労働省のホームページ上に平成29年度の賃金構造基本統計調査(いわゆる賃金センサス)が発表されました。賃金センサスとは,年齢や学歴,職種ごとに平均的な収入の統計をまとめたもので,交通事故の損害賠償の金額を算定する際に参考にされることが多いものです。毎年2月頃に前年度のものが発表されますので,今年発表されるのが平成29年度のものになります。

賃金センサスがよく参照されるのが,主婦の休業損害の算定の場面です。交通事故に遭ってけがを負った主婦の方の,日常家事への支障を金銭的に評価する場合,簡単に言ってしまうと「基礎収入×支障が生じた日数×支障の程度」といった計算方法が用いられます。主婦の方は基本的には収入がありませんので,「基礎収入」の部分で賃金センサスにおける平均収入が参照されます。

参考までに,賃金センサスの見方,平成29年度の賃金センサスにおける女性の全年齢の平均賃金の計算方法をご紹介します。

①「e-Stat政府統計の総合窓口」というサイトの「賃金基本統計調査」のページを開きます(賃金センサスと検索すれば出てきます。)

②平成29年賃金構造基本統計調査の「産業大分類」をクリックします。

③年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額の「産業計・産業別」のExcelをクリックします。

④エクセルの「女 学歴計」の「決まって支給する現金給与額」×12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を足し合わせた金額が平均収入となります。

したがって,26万3600円×12カ月+61万5千円=377万8200円が平成29年における女性の平均収入となります。

給与所得者の休業損害①

名古屋の弁護士の松岡聡司です。

早いもので今年も1か月が終わり,2月に入りました。今年は厳しい寒さが続き,インフルエンザも大流行しているようですので,皆様もご自愛ください。

交通事故で怪我をしてしまい,通院治療が必要になった場合,どうしても仕事を休んで通院しなければならないこともあるかと思います。その場合,基本的には仕事を休んだことによって収入が減少したのであれば,その減収分を休業損害として加害者側に請求することが可能です。

給与取得者の休業損害については,「休業損害証明書」という書類を会社に作成してもらい,相手方保険会社に提出すれば休業損害が支払われます。なお,休業損害証明書の書式は,相手方保険会社から取り寄せるか,弁護士も持っていますので,ご相談の際におっしゃっていただければお渡しすることもできます。

通常は,最後の通院が終わった後,相手方保険会社との示談が成立した後にまとめて支払われることがほとんどですが,場合によっては直近の生活費がなくて困っていることを訴えれば,示談より先に支払ってくれることもあるようなので,相手方保険会社に申し出てみてはいかがでしょうか。

休業損害の計算方法ですが,事故前3カ月の収入(本給と残業代等の付加給を合計したもの)を90日で割った金額を1日当たりの収入とし,休業した日数で乗じることで算出されます。

もっとも,有給休暇を取得したような場合には,裁判例上違った計算方法がとられた例もあります。次回,その点について詳しく見ていこうと思います。

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代車使用料

こんにちは,名古屋の弁護士の松岡聡司です。

名古屋も寒さが厳しく,雪がちらつく日も多くなりました。雪道の走行はいつも以上に速度と車間距離にご注意ください。

さて,事故で車が損傷し,修理もしくは買い替えが必要になった場合,修理工場で修理している期間や新しい車が納車されるまでの期間別の車が必要になると思います。そのような場合に,代車(レンタカー)を借りて日常生活や,通勤等に使用することが多々ありますが,その費用は全額加害者側の保険会社が支払ってくれるのでしょうか。

裁判例上,代車を借りる必要性があり相当な期間であれば,加害者側が代車費用を支払う義務があるとされています。

① 代車の必要性

まず,代車を借りる必要性があるかどうかは,被害者の方の仕事や生活状況等から,代車を借りないと生活できないような状況にあるかどうかで判断されます。例えば,事故で損傷した車以外に他の車を所有していて,その車があれば仕事や生活に支障がないような場合には,代車の必要性がないと判断される可能性があります。

② 代車の相当期間

代車使用料について問題となる場面が多いのが,代車を借りる期間の相当性です。代車を借りる相当期間について,加害者側の保険会社から長くても1カ月が限度といった話をされることが多々ありますが,裁判例上も代車の相当期間については2週間から1カ月程度と判断する傾向にあります。もっとも,個別的な事情によってはより長期の代車の相当期間を認定したものもあります。東京地裁平成13年12月26日は,代車使用料に関し,「一般に,加害者の示談交渉を代行し,交通事故処理を専門的かつ継続的に担当する損害保険会社の担当者は,被害者に対して合理的な損害賠償額の算定方法について十分かつ丁寧な説明をなし,その根拠資料を示して,被害者の理解を得るように真摯な努力を尽くすべき…。そして,被害者が納得するための説明,交渉等に時間を要し,その結果,修理又は買換手続に着手する以前の交渉等に費やされた期間中に代車料が生じたとしても,それが,加害者(損害保険会社の担当者)の具体的な説明内容や被害者との交渉経過から見て,通常の被害者が納得して修理又は買換手続に着手するに足りる合理的な期間内の代車料にとどまる限り,加害者(損害保険会社)はその代車料についても当然に負担する責任を負わなければならない。」と判断しています。つまり,加害者側の保険会社からの説明内容や交渉経過によっては,保険会社との交渉が長引いたことにより代車使用期間が延びたとしても,その期間も代車を使用する相当期間に含まれる可能性があります。

このように代車使用料については個別事情によって判断が分かれる可能性が高いので,お困りの方は弁護士にご相談ください。

交通事故による代車使用料については,こちらもご覧ください。

実践幹部塾④~幹部としての在り方,太陽のマネジメント~

株式会社武蔵野さんが主催する実践幹部塾第4講に参加してきました。今回のテーマは,1日目が「幹部としての在り方」「部下が成長し活躍できる組織作り」,2日目が「結果を出しながら人を育てる上司の魔法」というものでした。

武蔵野さんでは,幹部としての在り方とは,社長の決定をすぐに実行に移すことと考えられています。一番重要なのは「すぐに」という点です。社長が決定したことを会社全体にすぐに伝達し実行に移せなければ,会社全体としてのスピード感が失われてしまいますし,特に日々情勢の移り変わる業界では,一日の実行の遅れによってライバル会社に先を越される結果にもつながる可能性もあります。また,このお話の中で一番心に残ったことは,能力や人材,設備などは時間をかけなければ変わることはできませんが,スピードは自分の意識だけで変えることができるということでした。私も意識的に仕事のスピードを上げられるようになりたいと思いました。

部下が成長できる組織作りに大切なのは,部下にできる仕事を自分ではせずに部下に多くの体験をさせること,部下に関心をもって接すること,具体的行動を褒めてやる気にさせることなどが重要であると学びました。これまでは,部下に任せるよりも自分でやったほうが早いし正確だと思って,自分でやってしまうこともありました。しかし,それではいつまでたっても部下が成長できないし,部下が成長できなければ自分の仕事が増えていくばかりになってしまい,悪循環に陥っていたことに気づかされました。部下が成長できる環境を作るためにももっと積極的に経験を積ませていかなければ,と思いました。

「上司の魔法」の講演では,「北風のマネジメント」と「太陽のマネジメント」という言葉が出てきました。有名な童話に「北風と太陽」というお話がありますが,それがモチーフにされており,「北風のマネジメント」とは仕方なく,やらされて仕事を行う場合のことをいい,「太陽のマネジメント」とはやりたいと思って仕事を行う場合のことをいいます。そして。「北風のマネジメント」と「太陽のマネジメント」では仕事の効率が23倍も違い,疲れにくさは9倍も違うとのことでした。

私も,小学生の時に中学受験のための勉強をしていましたが,最初はまったく乗り気でなく,まさに「やらされている」という感覚でした。しかし,弁護士になるという目標を立てた瞬間,「やりたい」という気持ちで勉強に臨むことができ,成績も急激に上がった記憶があります。まさにこれが「太陽のマネジメント」なのだと思います。

今後の仕事においても,依頼者の方の力になりたいという「太陽のマネジメント」で頑張っていきたいと思います。