離婚に伴う財産分与と破産

1 破産と離婚の財産分与

破産直前に離婚して財産分与を行った場合、その財産分与は破産手続の中でどのように扱われるのでしょうか。

基本的に財産分与は離婚する当事者二人が自由に内容を決めることができ、後から第三者が口出しすることはできません。

しかしながら、債務超過に陥っている方がそのことを認識しつつ自己の財産を他人に与える行為は、破産が始まった後、破産管財人という弁護士に効果を覆される可能性があります。

このように、債権者に配当等するための財産を増やすため、以前の行為の効果を覆すことを否認といいます。

2 財産分与が取り消される基準

破産に至らなくとも同じような効果をもたらす制度として詐害行為取消権があります。

最高裁判所は、離婚に伴う財産分与は、民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるにたりるような特段の事情のない限り、詐害行為とならないと示しています。

つまり、あくまで原則は財産分与は詐害行為ではありませんが、「特段の事情」があれば詐害行為となって後に取り消されることになるのです。

破産における否認も基本的に同様の枠組みで考えられています。

3 参考となる書籍

最近出版された書籍(佐藤鉄男ほか編『家族破産法への誘い』(商事法務、2025年)は、近時の裁判例を分析して傾向を示したり、債務超過となった時点では離婚の実体が存在しなかったなどの一定の要素が重なると、「積極財産の2分の1までの分与は相当」と単純に言えない状況にあることを記載したりしており、参考になります。