熊本県で大きな地震がありました。
災害に遭われた方にはお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く元の日常が戻ることをお祈りいたします。
日本に住む限りは、地震などの災害とは無縁でいられるわけではないと思いますし、私が住んでいる名古屋もいつ被害に遭うかは分かりませんので、注意をしておきたいと思います。
今回は「成年後見制度の改正内容(制度の開始)」について、取り上げたいと思います。
前回も取り上げた令和8年6月の民法の改正で、成年後見制度も改正の対象になりました。
今回はその内容を取り上げます。
従来の成年後見制度には、いくつかの制度上の問題点が指摘されていました。
これまで、本人に成年後見が開始された場合、その判断能力が回復しない限り、原則として、成年後見は継続してきました。
しかし、成年後見は、遺産分割や不動産の売却など、特定の目的のために申立てをされることも多く、その目的を達成できた後は成年後見を継続する必要がないにも関わらず、成年後見を終了できないということもありました。
さらに、成年後見人の権限は、上記で必要とされた行為に留まらないことも問題とされました。
すなわち、成年後見人は、ほぼすべての法律行為についての代理権を有するところ、本人の意向との食違いから、必ずしも本人の意思に沿った行為をとるわけではないということも問題とされました。
改正点の一つ目は、本人の判断能力の不十分さの程度から、後見・保佐・補助に分けるということはやめて、代わって、補助の制度に一本化したことです。
開始にあたっても、本人に具体的にどのような事務を代理する必要があるのかという必要性を認定したうえで、そのような行為に限って代理権が与えられることになりました。
さらに、制度利用にあたっては、原則として本人の同意が必要ともされました。
上記の制度が原則ではあるのですが、予測できないような本人の行為によって、本人に不利益が生じたときに、その行為を取り消す必要がある場合があります。
そのような場合に備えるため、判断能力を常に欠く状態にある方については、特定補助人を付することができ、その者には取消権が認められることになりました。
「判断能力を常に欠く状態にある」かどうかは、原則として鑑定によることとし、これによらない場合にも、医師2名以上の診断書によることとして、これまでの運用よりも厳格に判断されることとされています。
今回は制度の開始にあたっての内容を取り上げましたが、次回は制度の終了についての内容を取り上げます。