『実務解説 サイバーセキュリティ法』について

今年も、あとわずかとなりました。
例年、「年内にもめごとを解決させて、新しい年をすっきりした気持ちで迎えたい」というお気持ちを持たれる方も多く、年末は特に忙しくなる時期でもあります。
今年の残りの時間を有効に使って、引き続き、業務を集中して進めていきたいと思います。

今回は、八雲法律事務所さまから発刊される『実務解説 サイバーセキュリティ法』という書籍について、取り上げたいと思います。

サイバーセキュリティという言葉自体は、ニュースでも日常的に取り上げられていますし、もはや説明が必要ないほどに一般的なものになっているでしょう。
今やインターネットに接続することなく事業を営んでいるという企業や自営業者はほとんどないでしょうし、事業で内外部の重要な情報を情報媒体で取り扱っていないということもほぼないでしょう。
その意味では社会経済活動をするうえで、サイバーセキュリティとは関係がないという方はほとんどいらっしゃらないでしょう。
 いざインシデントが発生してしまった場合には、企業は多大な経済的損害を被ることになりますし、十分な対策を怠っていれば、社会的な非難の対象にもなるでしょう。
 私が所属する組織でも、サイバーセキュリティが頻繁に会議の議題とされていますし、組織的な体制の構築と職員へのリテラシーの向上を図っています。

本書は、サイバーセキュリティに関連した法律業務分野の実務について解説した書籍です。
「サイバーセキュリティ法」では、民法、商法、行政法、刑法などの多分野の法律が関係しています。
私の認識では、独立の講学上の学問領域というよりも、実務上の領域であると認識しています。
この領域が法律以外の技術的な専門的知識を要求されること、これまでに弁護士が扱ってきた業務分野とは異なること、他方で、多数の関係法令が存在することが、この分野を専門的に扱う必要性を生じさせていると思います。
このような実務分野が存在するのは、やはりその対象の専門的な性格にあると考えられますし、一般的な弁護士が扱うことは難しい分野だと思います。

八雲法律事務所さまは、サイバーセキュリティ分野を専門的に取り扱っておられ、本書では、これに関する問題点について、とても理解しやすく解説されています。

この分野において弁護士業界に対する社会的なニーズは高まっており、より多くの弁護士がこれに応えられるよう、本書が資することは確実だろうと思います。