出挙の制度

前回のブログの補足になりますが、日本でも古くから種まきの時期に種子を貸し付けて、収穫があったときに、貸した種子に加えて少し多めに種子を返してもらうという文化は定着していたようです。

 

文字による記録がほとんどない、弥生時代の農村で慣習的にこのような取引がなされていたのかを確認することは困難ですが、飛鳥時代・奈良時代・平安時代へと時代が進んで律令国家制度が整備されたときには「出挙」といって、利子付の貸借が制度として成立していたことが分かっているそうです。

 

弁護士として、現代の法律制度と歴史上の過去の法律制度を比較してみるのは興味深く、好奇心が刺激されます。

 

それにしても、飛鳥時代・奈良時代・平安時代といえば、貨幣経済も十分に成熟しておらず、市場で物々交換をしていた時代と高校時代にならった記憶があります。

 

時代も扱う品物も違うものの、少しでも儲けたいと考える人間の本質は、古代から現代まで変わるものではないようです。