障害年金受給者の個人再生

障害年金を受給している方が個人再生をすることができるのでしょうか。

個人再生の手続のうち,利用者が多い小規模個人再生を例に説明します。

小規模個人再生では,手続を開始させるために「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」(民事再生法221条1項)が必要です。

これに該当する限り,年金を受給している方も個人再生を利用することが可能です。

老齢年金なら,基本的に年金額が減ることはないので,問題ありません。

しかしながら,障害年金の場合は特別な考慮が必要となります。

すなわち,障害年金のうち一部は,一度認定されても一定年数毎の申請が必要となるのです。

したがって,一度障害を認定されて障害年金を受給したとしても,それが生涯継続するとは限らないのです。

そのため,障害年金を受給していることから当然に「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があるとは判断できず,これまでの障害年金を受給してきた実績や現在の障害の状態,通院歴等から再生計画の終了時に支給停止となる見込みが小さいと判断されたとき,「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があるとは判断されて個人再生が利用できることになります。

実際,支給停止となる見込みが小さいと弁護士が説明することで,障害年金を受給している方が個人再生を利用できるようになった経験があります。

家計の状況作成の注意点

個人再生や自己破産を行うとき,数か月分の家計の状況を作成して裁判所に提出する必要があります。

家計の状況では,1カ月ごとの世帯全体での収入と支出を記載しますが,漫然とした記載では不適切となる場合があります。

以下では,名古屋地方裁判所での運用を前提に,家計の状況作成における注意点をご説明します。

 

1 まずは,その1カ月の間に実際に動いた金額を記入します。

すなわち,2月分の電話代を3月に支払った場合には,3月の家計の状況に支払った額を記入します。

2 次に,家賃や電話料金,水道代等の公共料金は領収書や通帳の記載を確認して,1円単位で正確な額を記入する必要があります。

特に公共料金について,紙の請求書をもとにコンビニ払いをしているような場合,領収書の提出を求められることがあります。

3 また,どの項目に入れてよいのか一概にはわからない支出は,「その他」の項目を利用したり,余白に金額をメモしたりして記入すべきです。

むやみに「食費」や「日用品・雑費」という項目に振り分けて記入すると,その項目のみ高額となってしまい,どのようなお金の使い方をしているのか検証しにくくなったり,浪費をしていると誤解されたりする可能性があります。

 

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