不動産を所有したままでの同時廃止申立て

1 所有する不動産に住宅ローンを被担保債権とする抵当権が設定されている等の場合,不動産に設定されている担保権の被担保債権額が不動産の価値を一定程度上回るときには,不動産を所有したままであっても,同時廃止の申立てが認められる場合があります。

2 被担保債権額がどの程度,不動産の価値を上回れば,不動産が無価値とみなされて,同時廃止が認められるかは,それぞれの地方裁判所ごとに運用が異なります。

3 名古屋地方裁判所の運用

固定資産評価証明書を提出し,建物の担保する被担保債権額が固定資産税評価額の1.5倍以上である場合の建物,及び土地の担保する被担保債権額が固定資産税評価額の2倍以上である場合の土地は,無価値とみなすことができます。

固定資産評価証明書を用いた上記基準では,不動産が無価値とみなされないときには,次の①~③のいずれかの条件を満たす場合に無価値とみなすことができます。

① 近隣不動産業者2名の査定書の提出

当該不動産が担保する債権額が当該不動産の時価(査定額の平均額)の1.5倍以上である場合。

② 不動産執行手続中の売却基準価額を証する書面の場合

当該不動産が担保する債権額が当該不動産の売却基準価額の2倍以上である場合。

③ 不動産鑑定士作成の鑑定評価書の提出

当該不動産が担保する債権額が当該不動産の時価の1.2倍以上である場合。

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