花粉症と法律

今年も花粉症の季節がやってきました。

弁護士の仕事をしていると、お客様のと打ち合わせで話したり、文章を読んだり、文章を書いたりと、眼と鼻と口を使った仕事が中心ですので、この季節は、花粉症で大変です。

花粉症という言葉は、いわゆる口語であって、医学的には季節性アレルギー性鼻炎というそうです。

たしかに、花粉症についても、スギ、ヒノキの花粉が多いですが、ブタクサなど別の植物の花粉で花粉症になっている方も少なくありません。

アレルギーによる鼻炎で、その原因となる物質が季節性の何かの植物の花粉であるというのが花粉症の医学的なとらえ方のようです。

このような花粉症を含むアレルギー疾患について、10年程前に国がアレルギー疾患対策基本法という法律をつくっています。

民事事件を中心にした弁護士として働くうえで、あまり触れることのない法律ですが、第2条の定義において「この法律において「アレルギー疾患」とは、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る疾患であって政令で定めるものをいう。」と記載されているように、「花粉症」対象にした法律です。

この法律は、あくまで「基本法」とされていますので、全部で22条の比較的短い法律です。記載されている内容も、国、地方公共団体、医療保険者、国民、学校等の施設が、どのようにアレルギー疾患対策に取り組んでいくかの基本的な方向性を書いているものであって、例えば「新たにスギを植林してはならない。」というような権利を制限するような具体的な対策がかかれている法律ではありません。

なお、同法21条では、厚生労働省内に「アレルギー疾患対策推進協議会」という協議会を設置することになっていますが、同法22条では、その協議会のメンバーについて「協議会の委員は、アレルギー疾患を有する者及びその家族を代表する者、アレルギー疾患医療に従事する者並びに学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣が任命する。」とされていて、単に医療従事者や学識のある人だけでなく、「アレルギー疾患を有する者及びその家族」という実際にアレルギー疾患を体験している人を協議会に入れようとしている点に特徴があります。

同法11条で、厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策基本方針(アレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針)を策定するとされており、厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策基本方針を策定する際に、アレルギー疾患対策推進協議会の意見を聴くとされています。