先週末は、大阪では淀川の花火大会が開催されました。
見物に行く余裕はありませんでしたが、ドーンドーンと大きな爆発音がでて、ビルの隙間からちらっと花火の光が見えたので、遠巻きに花火大会の気分を味わいました。
考えてみると、花火というのはすごい爆発力です、高層ビルより高くに飛んで挙がって、そこからあれだけ広範囲に燃焼反応を見せながら拡散するのですから、万が一、花火が垂直ではなく誤って水平に飛んで来たらと思うとゾッとするような怖い存在です。
弁護士として法律面から花火を説明すると、大阪市の淀川花火大会の案内の中にも記載されているとおり、 花火は火薬類取締法第2条の「火薬類(煙火)」にあたります。
火薬類取締法は、「火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱を規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする」法律です(同法第1条)。
火薬類は、扱いを間違えば非常に危険な存在ですので、作って、売って、保管し、使用してという様々な局面で、行政(経済産業省や地方自治体)の許可が求められる仕組みを作り、安全性を保とうというのが火薬類取締法の制度制度設計です。
淀川の花火大会規模の花火を打ち上げようと思うと、相当厳密に事前の許認可を受けなければならないのだと思います。
他方で、花火というと、ドン・キホーテなどで販売されている小さな手持ちの花火などもあります。
過去の記憶を振り返ると、いわゆる有名な花火大会などは、学校の試験期間と重なる日程が多く、「花火を楽しんだ」記憶としては、むしろ、小規模な市販の花火で遊んだ記憶の方が中心です。
このような、市販の花火については、火薬類取締法では、「がん具煙火」として、その消費について行政から個別の許可を受ける必要がないように別枠で定義されています。
具体的には、火薬類取締法第2条2項に「この法律において「がん具煙火」とは、がん具として用いられる煙火その他のこれに類する煙火であつて、経済産業省令で定めるものをいう。」と定められています。
行政の規制に関する法律には、よく登場する構造ですが、このように「~省令で定めるもの」という定義をされた場合には、具体的な内容を知るには、該当する省令を参照しなければなりません。
火薬取締法施行規則1条の5では、具体的に、このがん具煙火に該当する基準が示されていますが、読んでいるとものすごく細かな規定です。
例えば、線香花火などについては「線香花火その他の火花を出す柄付きのより物又は火薬が露出しているねり物であつて、火薬〇・五グラム以下のもの」というように、形状と火薬量で規定がされます。
ちなみに、市販の花火以外にも、例えば、自動車に積む発煙筒なども、「緊急保安炎筒」としてがん具煙火の一つとされています。
「経済産業大臣が告示で定める緊急保安炎筒であつて、火薬百五十グラム以下のもの」という記載になっています。
この「経済産業大臣が告示で定める」という箇所については、経済産業省のホームページで確認できるのだと思いますが、検索するのは非常に労力がかかる作業になりそうです。