免責不許可事由⑥

10月になり、猛暑の続いていた名古屋も少しずつ気温が下がり、過ごしやすい季節になってきました。個人的には夏が終わって少し肌寒いくらいの気温が一番快適です。

さて本日は免責不許可事由の252条6号についてです。

破産法252条6号は、「業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。」と規定されています。

破産手続きでは、財産目録といって、現在所持している財産を一覧にしたものを提出する必要があります。そして、財産目録には、所持している財産を漏れなく記載する必要があります。

また、特に個人事業主や法人などの場合、一般的に給与で生活している個人よりも多くの財産(不動産、機械・工具類、在庫商品、売掛金など)を持っていることが多く、どのような財産を持っているかを把握するためには、確定申告書や帳簿などの資料が参考になります。しかし、財産隠しをするために虚偽の記載がなされたり、偽造・変造などがされてしまうと、正確な財産の洗い出しができず、適切な配当ができません。小規模の個人事業主で、個人で確定申告をしているというような場合には、確定申告書に漏れや記載ミスがあることもあり、意図的ではないものであれば252条6号に該当しないという評価もあり得ますが、財産隠しを意図して故意的に記載をしない、記載されている内容を削除するというような悪質な場合にはこの免責不許可事由に該当することがあります。

破産手続きをする際は、隠匿等はせずに、正直な申告を心掛けましょう。