佐賀県で起きたDNA鑑定の不正について

先日、佐賀県警科学捜査研究所において、DNA鑑定における不正が130件確認された、との報道がありました。

刑事事件において、例えば現場に残されていた毛髪や皮膚片(犯人ともみあいになったときに、被害者の爪の間に残ることがあります。)、血液などが、犯人を割り出すための重要な証拠となることがあり、DNA鑑定の結果によって「現場に残されていた犯人の毛髪等から採取されたDNA=被疑者・被告人のDNA」となった場合、「犯人=被疑者・被告人」と判断される可能性が非常に高いです。

現在のDNA鑑定の制度は99.99パーセント以上といわれているため、DNA鑑定の結果というのは犯人性を決定付ける証拠といっても過言ではありません。今回は、そのDNA鑑定において、不正が行われたということで、DNA鑑定への信用性を大きく損なうおそれのある事態です。

佐賀県警の説明によると、公判への影響はないとのことですが、果たして本当なのか疑問が残りますし、佐賀県警だけではなく、ほかの科捜研においても同様のことが行われていないかという不安もあります。佐賀県警だけではなく、全国の科捜研において不正が行われていないか、調査と再発防止を徹底してもらいたいところです。