民法改正~債権者代位権④~

緊急事態宣言が明けるまであと少しですね。

これで豊田の街にも活気が戻ると良いのですが・・・

さて、今回は「債権者代位権」に関して新たに設けられた新法423条の3について解説していきたいと思います。

おさらいですが「債権者代位権」とは、債権者が自分の債権を保全する必要がある場合に、債務者が有している権利を行使することが出来る権利のことを言います。

そのため、「AさんがBさんに100万円を貸したが、Bさんは返済するだけのお金を持っていないため返せない。ただ、BさんはCさんに100万円を貸しつけており、まだCさんから返してもらっていない。」という事案において、Aさんが債権者代位権の制度を利用すると、Aさんは、BさんがCさんに対して有している貸金返還請求権を行使できる可能性があります。

しかし、本来、BさんがCさんに対して有している貸金返還請求権を行使した場合、Cさんは「Bさんに」お金を返すのが原則です。

そのため、上記の例において、Aさんが債権者代位権を行使したものの、BさんがCさんから100万円を受け取ることを拒否したような場合、結局、AさんはBさんからお金を返してもらえないという結論になりかねません。

そこで、新法423条の3では、AさんがCさんに対し、「自分に100万円を支払え」と請求することができる旨を規定しています。

これによって、Aさんは、Cさんから直接100万円を受け取ることができ、「その100万円をBさんに返還する債務」と、「AさんがBさんに対して有している100万円の返還請求権」を相殺することで、AさんはBさんから100万円を返してもらったのと同じ結果を実現することができるのです。