不在者財産管理人の選任申立てについて

私の住む名古屋でも梅雨入りしたようで、雨の日が多くなり、強い雨が降る日も増えたように思います。
しばらくはジメジメした日や、自転車での移動に気を付けなければならない日が続くと思いますが、しっかりと対処していきたいと思います。

今回は、「不在者管理人の選任申立て」について、取り上げたいと思います。

不在者財産管理人とは、不在者の財産が放置され散逸することによる損失を防ぐために不在者の財産を保存する者のことです。
このように、本来は、不在者自身の財産を保護することが目的なのですが、実際にこの制度が利用されるときは、不在者の財産に関して利害関係がある者が、不在者財産管理人の選任を申し立てるという利用がされています。

不在者というのは、本人が行方不明な場合のほかに、生死が不明な場合も含まれています。
所在が不明であっても、容易に連絡を取ることができる場合には、不在者ではないとされています。

不在者財産管理人が利用される典型例の一つは、所在の分からない相続人との遺産分割協議です。
遺産分割協議は相続人全員でする必要がありますので、所在が分からない相続人がいると遺産分割協議ができません。
そのため、遺産分割協議をするために不在者財産管理人の選任を申し立て、その管理人との間で遺産分割協議をするのです。

不在者財産管理人を選任してもらうためには、家庭裁判所に申立てをする必要がります。
管轄は、不在者の従来の住所地等を管轄する家庭裁判所です。
 申立人は、不在者であることを証明する書類とともに、自らが利害関係者であることも証明する必要があります。
 不在者であることの確認方法ですが、戸籍の附票や住民票によって住所地を確認したうえで、住所地を調査することや、親族らに不在者が不在となった経緯を問い合わせるなどの方法があります。