民法改正~心裡留保~

超大型連休が終わってしまいましたね。

皆様,連休中はいかがお過ごしだったでしょうか?

弁護士法人心も,新規受付の方はお休みをいただいておりましたが,私は,特に平日と変わらぬ日々を過ごしておりました。

ということで,連休中の話題も特にないので,引き続き,民法改正のお話をしていきたいと思います。

今回は「心裡留保」についてです。

あまり聞きなれない言葉かと思いますが,心裡留保とは,「意思表示をする者が,意思表示の内容が自分の真意と異なっていることを認識しながら,当該意思表示を行うこと」を言います。

例えば,Aさんが,実際は甲という土地をBさんにあげるつもりがないのに,Bさんに「甲という土地をあげるよ」と言ったような場合がこれにあたります。

では,心裡留保を行った場合の法的な効果はどうなるのでしょうか。

なんと,心裡留保の場合,原則として,意思表示の効果は有効となります。

なぜなら,わざと真意と異なる意思表示をした者の保護ほ図る必要性が低いためです。

ですので,先ほどの例だと,原則として,AさんはBさんに甲という土地をあげなくてはなりません。

もっとも,BさんがAさんの真意を知っていた場合は,Bさんを保護する必要性もありませんので,現行民法93条但書は,「相手方が,表意者の真意を知り,又は知ることができたときは,その意思表示は無効とする。」と規定しています。

なお,細かい点ではありますが,相手方が「表意者の真意を知っていた」場合ではなくても,「なされた意思表示が表意者の真意ではないことをしっていた」のであれば,相手方を保護する必要性がないと考えられますので,改正民法93条1項但書では,「相手方が,その意思表示が表意者の真意でないことを知り,又は知ることができたときは,その意思表示は無効とする。」と規定されています。

では,AさんがBさんに甲という土地をあげるつもりがないということを,Bさんが知っていた場合,Bさんから甲土地を購入したCさんは甲土地を取得できるのでしょうか?

これまでに述べてきたことからすれば,BさんがAさんの真意を知っていた以上,A・B間の甲という土地の贈与は無効なのですから,CさんはBさんから甲という土地を取得できないように思えます。

これだと,A・B間の甲という土地の贈与が無効であることを知らずに,Bさんと売買契約を締結したCさんにとって極めて酷な結論となってしまいます。

しかし,現行民法93条には,Cさんのような第三者を保護する規定がありませんでした。

そのため,実務では他の条文を類推適用して,Cさんのような方を保護していました。

そこで,このような実務の取り扱いを踏まえ,今回の改正で,心裡留保に関する条文にも,第三者保護の規定が設けられることになりました。

改正民法93条2項は「前項ただし書の規定による意思表示の無効は,善意の第三者に対抗することができない」と規定しています(ちなみに,ここにいう「善意」とは,一般的に用いられる「好意」というような意味ではなく,「法律関係に関する特定の事情を知らないこと」を意味します)。

以上のとおり,不用意に真意と異なることを言ってしまうと,思わぬ不利益を被るおそれがありますので,注意するようにしてくださいね。

民法改正~公序良俗~

4月になり,新入社員と思われる方の姿をよく見かけるようになりました。身体と精神の健康に気を付けながら,お仕事を頑張っていただければと思います。

ちなみに,新人弁護士は12月や1月に登録することが多いので,企業に入社された方々とは,仕事を開始する時期が少し違います。

さて,今回の民法改正についてのテーマは「公序良俗」です。

そもそも「公序良俗」とは何かと言いますと,公(=社会)の秩序と善良の風俗(=日常生活におけるしきたりや習わし)のことです。

これでも抽象的すぎて分かりにくいですよね・・・。

例えば,過去の裁判例では,食品衛生法に反することを知りながら,有毒性物質が混入したアラレを販売する契約を締結したという事案において,この契約は公序良俗に反して無効であるとしたものがあります(最高裁昭和39年1月23日判決)。

このような社会正義に反する行為等が公序良俗に反するものとして無効となります。

では,現行民法と改正民法の条文を見比べてみましょう。

現行民法90条「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は,無効とする。」

改正民法90条「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は,無効とする。」

ほとんど一緒ですが,よく見ると,改正民法の条文では「事項を目的とする」という文言がなくなっています(なお,ここに言う「目的とする」とは,一般的な意味とは異なり,「内容とする」という意味で理解されています)。

この改正によって,賭博に使う目的であることを貸主に伝えた上で締結された金銭の消費貸借契約のように,その契約の内容自体は公序良俗に反しないものの,契約締結に至った過程や動機・目的を考慮すると公序良俗に反するというものも,公序良俗に違反して無効になり得るということが条文の文言から読み取ることができるようになりました。

現行民法の下でも,上記のような契約は公序良俗に反して無効とする判例は出ていました(最高裁昭和47年4月25日判決)が,この度の改正により,このような裁判実務の考え方が条文上明らかになった形です。

民法改正~意思能力~

少しずつ暖かくなってきた今日この頃ですが,皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は,しばらくお休みしていた民法改正の話をしたいと思います。

今日のテーマは「意思能力」です。

「意思能力」とは,自己の行為の結果を判断するに足りる能力のことを言います。

そして,意思能力のない人の行った法律行為は無効となるとされています(大審院判決明治38年5月11日)。

これは,「人は自己の意思に基づいてのみ権利を取得し,義務を負う」という私的自治の原則より導かれるものです。

もっとも,実は,現行民法には,意思能力のない人の行った法律行為は無効となるという趣旨の規定はありません。

それが,この度の民法改正により,明文化されることになりました(改正民法3条2項)。

明治38年の裁判例で判断されたルールが現在になってようやく明文化されることになったのは,今後,高齢化社会が進んでいくことが予想される中で,判断能力の低下した高齢者の方などが不当に不利益を被るのを防ぐことの必要性が高まっていくと考えられたためであるとされています。

非常に基本的な規定ではありますが,そうであるからこそ,普段の弁護士業務を行うにあたり,見落としてしまうことのないよう,気を付けたいと思います。

税理士法人心豊田市駅税理士事務所開設

今年は,インフルエンザが大流行しているとのことですが,みなさま,体調はいかがでしょうか。

私自身はすこぶる元気ですが,同僚や同期は何人もインフルエンザにかかって体調を崩しております・・・

体調は悪いけれども忙しくてなかなか仕事を休んで療養することができないという方もいらっしゃるかとは思いますが,何をするにしても身体が資本ですので,決して無理をしすぎて体調を悪化させてしまいませんよう,お気を付けください。

さて,この時期といえば確定申告で税理士の先生方が非常に忙しくされている時期でもあるかと思われますが,この度,税理士法人心豊田市駅税理士事務所が開設されることとなりました。

事務所の所在地は,弁護士法人心豊田市駅法律事務所と同じく,愛知県豊田市西町5丁目5番地ヴィッツ豊田タウン4階となっております。

ですので,税務に関しても,お気軽にお問合せをいただけたらと思います。

(ちなみに,豊田だけではなく,岐阜,東京,柏にも税理士事務所が新たに開設されることとなりました。詳しくは心グループのホームページをご覧ください。)

今後は,弁護士法人心豊田市駅法律事務所だけでなく,税理士法人心豊田市駅税理士事務所につきましても,何卒よろしくお願い申し上げます。

明けましておめでとうございます。

みなさま,明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

みなさまは,年末年始はいかが過ごされましたでしょうか?

私はと言いますと,12月31日と1月1日は豊田の実家で過ごし,それ以外は事務所や自宅で,年明けに提出の〆切が設定されている裁判書面の起案をしておりました。

以前は,「年明けすぐに〆切があるなんていやだなぁ。」と思っておりましたが,今では,「〆切は年明けだから,年末年始の休みの間にゆっくり起案ができる!」と,前向きに考えられるようになりました。

意外かもしれませんが,裁判書面の提出期限は,守らなかったとしてもペナルティが課せられるというものではありません。

もっとも,提出期限に遅れてしまうと,裁判官や裁判所書記官さん達に多大な迷惑をかけることになってしまいますので,決して守らなくてもよいというものではありません。

ですので,先ほども,提出期限に間に合わせるため,裁判書面を作成しておりました(無事完成いたしました!)。

今後も裁判書面の提出期限をきっちりと守っていけるよう,スムーズに仕事を進めていきたいと思います。

ではでは,今年もお仕事頑張ります!

司法修習

つい先日から,第72期の司法修習生の司法修習が始まりました。

そこで,今回も民法改正の話はお休みにして,司法修習の話をしたいと思います。

司法試験は,合格したらすぐに裁判官,検察官,弁護士になれるというわけではなく,約1年間に及ぶ司法修習を経なくてはなりません。

しかも,司法修習の最後には,俗に「二回試験」と呼ばれる卒業試験のようなものがあり,たとえ司法試験に合格していても,この二回試験に合格しなくては法曹になることはできません。

このような恐ろしい二回試験が控えている司法修習ではありますが,日々の修習自体は,弁護士になってからは見ることのできない裁判所や検察庁の内部を見ることができたり,裁判官,検察官,弁護士の率直な意見が聞けたりして,非常に貴重な経験を積むことができます。

そして何より,素敵な仲間達に出会うことができます。

私が修習生だった頃は,周りの仲間達にとても恵まれていたため,公私ともに非常に楽しく1年間を過ごすことができました。

私の友達も今年の司法試験に合格をし,まさに今,司法修習へ行っています。

大変なこともたくさんあるかもしれませんが,楽しいこともたくさんあるはずなので,有意義な1年間を過ごして欲しいです。

健康診断

ここのところ民法改正に関する記事を挙げていましたが,友達から「民法改正の話は小難しくてよくわかんない。」との意見をいただきましたので,今回は別の話をしようかと思います。

ということで,今回は健康診断に関するお話をしたいと思います。

今年も健康診断の結果が返ってきました。

去年と比較して,視力(メガネあり)が0.2ずつ下がり,正常値の範囲内ではありましたが,血糖値,コレステロール値,血圧がいずれも上昇していました・・・

以下,原因を探ってみます。

視力が落ちたのは,まず間違いなく日々の弁護士業務で書類作成などのためにパソコンの画面を見ている時間が長いからだと思います。

血糖値,コレステロール値,血圧の上昇は食生活が原因でしょうか・・・?

夕食を摂るのはいつも家に帰ってからですので,だいたい午後10時とか午後11時を過ぎる時間帯になってしまいます。

さらに,夕食を摂ったあとは疲れてすぐに寝てしまうので,それもいけないのかもしれないです・・・

来年の健康診断では数値が改善するように生活を改めていけたらと思います。

手始めに,もっと手際よく仕事をこなして,今より早い時間に夕食が摂れるようにしたいです。

頑張ります。

民法改正~時効に関する経過措置について~

台風が過ぎ去り,豊田にも秋の気配がやってきました。

季節の変わり目ですので,皆様体調を崩さないようお気をつけてお過ごしください。

さて,今回は,改正民法の時効制度に関するお話の最後として,改正民法施行までの経過措置についてお話したいと思います(なお,改正民法は西暦2020年4月1日に施行されることになっています。)

まず,改正民法施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって,その原因である法律行為が施行日前に行われた場合を含みます。以下においても同様です。)の時効期間は改正民法施行後も旧法が適用され,改正民法の施行日以降に生じた債権の時効期間は改正民法が適用されることになります(附則10条4項)。

また,不法行為による人身損害による損害賠償請求権の時効期間は,旧法では損害及び加害を知った時から3年,改正民法では損害及び加害者を知った時から5年となっているところ,改正民法の施行日前に不法行為が発生し,改正民法施行日時点で損害及び加害を知った時から3年が経過していなければ,時効期間は5年となります(附則35条2項)。

施行日前に生じた時効中断事由・時効停止事由の効力については,旧法によることとなります(附則10条2項)。

また,改正民法で新たに設けられた「権利に関する協議を行う旨の合意が書面によってなされた場合の時効完成猶予」(改正民法151条)については,書面による合意がなされた日が改正民法の施行日前である場合は適用されません(附則10条3項)

細かいことですがいずれも重要な部分ですので,十分に気を付けて業務を行っていきたいと思います。

 

民法改正~時効完成の障害事由について②~

今回は,時効完成の障害事由の内,新設された「協議を行う旨の合意による時効の完成猶予」(改正民法第151条)についてお話したいと思います。

「協議を行う旨の合意による時効の完成猶予」とは,当事者間で権利についての協議を行う旨の合意が書面でなされたときに,時効の完成を猶予するという制度です。

この制度は,当事者における協議を通じた自律的な紛争解決の支援を行うことを趣旨としています。

当事者間で権利についての協議を行う旨の合意が書面でなされたときは,

①その合意があった時から1年を経過した時点

②その合意において当事者が協議を行う期間(1年に満たないものに限る。)を定めたときは,その期間を経過した時点

③当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でなされたときは,その通知の時から6か月を経過した時点

以上の①~③の最も早い時点までの間,時効の完成が猶予されることになります。

また,これによって時効の完成が猶予されている間に,再度,当事者間で権利についての協議を行う旨の合意を書面で行った場合には,本来の時効期間の満了時から通算して5年を超えない範囲で,時効の完成猶予の効果が生じることになります。

弁護士としては,新設された規定も使いこなせなくてはなりませんので,改正民法の施行までに十分な予習をしたいと思います。

民法改正~時効完成の障害事由について①~

前回までは消滅時効の話をいたしましたので,今回は消滅時効に関連する「時効完成の障害事由」に関する改正についてお話をしようと思います。

現行民法では,時効完成の障害事由は,「時効の中断」と「時効の停止」の2種類となっています。

「時効の中断」とは,時効の進行中に時効の基礎となる事実状態の継続が破られたことを理由に,それまで進行してきた時効期間をリセットするというものです。

「時効の停止」とは,権利者による時効の中断を不可能または著しく困難にする事情が生じた場合に,その事情の消滅後一定期間が経過する時点まで,時効の完成を延期するというものです。

改正民法では,これらの「時効の中断」,「時効の停止」という用語が,それぞれ「時効の更新」,「時効の完成猶予」に改められ,更新事由,完成猶予事由についても整理がし直されることになりました(具体的にどのような整理がなされているかということに関しては,かなり細かな話になってしまいますので,ここでは割愛いたします)。

時効の完成猶予事由,更新事由を見過ごして消滅時効を完成させてしまったりすると,弁護過誤となってしまいますので,弁護士としては,時効の完成猶予事由,更新事由にも十分に注意をして業務を行っていく必要があるかと思います。

所持品検査

近頃,名古屋は猛暑が続いておりますが,皆様はいかがお過ごしでしょうか。

水分補給等,熱中症対策をしっかりして,体調を崩さず健康に夏を乗り切っていただけたらと思います。

さて,今回は民法改正に関するお話はいったんお休みにして,名古屋高等・地方裁判所合同庁舎における所持品検査のお話をしたいと思います。

これまで,名古屋高等裁判所・地方裁判所においては,特に所持品検査を行うことなく,庁舎内に入ることができていましたが,平成30年7月4日より,南玄関において,金属探知機等を用いた所持品検査が実施されることになりました。

そして,これに伴い,北玄関が出口専用となり,東玄関が閉鎖となりました。

今回の所持品検査開始の影響で,南玄関が混みあっている様子も散見しますので,裁判所にご用事のある方は,お時間に余裕を持って移動をしていただけたらと思います。

なお,弁護士は,南玄関で弁護士バッジや身分証明書の提示をすれば,所持品検査を省略することができるのですが,もしこれらの提示ができなければ,一般の方と同様に所持品検査を受けなくてはなりません。

所持品検査を受けていて裁判に遅刻してしまったなどという情けないことにならないよう,裁判所に行く際には,弁護士バッジや身分証明書を忘れずに身に着け,かつ,時間に余裕をもって行動することを心がけたいと思います。

 

民法改正~消滅時効について②~

今回は,前回に引き続き,民法改正に関し,人身損害による損害賠償請求権の消滅時効について,お話をしたいと思います。

前回お話をしたとおり,民法改正によって,債権は,「主観的起算点から5年間行使しないとき」または,「客観的起算点から10年間行使しないとき」に,時効によって消滅することが原則となりました(改正民法166条1項)。

また,不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間については,主観的起算点から3年間,客観的起算点から20年間とされています(改正民法724条)。

では,人身損害による損害賠償請求権についても,上記のような原則どおりの時効期間となるのでしょうか?

この点,現行民法においては,人身侵害による損害賠償請求権とその他の債権で時効期間に差異は設けられておりません。

しかし,改正民法では,人の生命・身体の重要性に配慮し,人身侵害による損害賠償請求権の消滅時効の期間は,損害賠償請求権の発生原因が債務不履行によるものであっても不法行為によるものであっても,主観的起算点から5年,客観的起算点から20年とされることになりました(改正民法167条,同724条の2)。

このように,改正民法においては,人身侵害による損害賠償請求権とその他の債権で時効期間に差異が生じるようになりましたので,日頃の弁護士業務においてもしっかりと注意を払っていきたいと思います。

民法改正~消滅時効について①~

ご存知の方も多いかもしれませんが,2020年4月1日より,改正民法が施行されます。

この度の改正では,新設された条文も含め,民法全体にわたって,実に342か条もの条文が改正されています。

弁護士業務においても多大な影響があるかと思われますので,このブログでも,改正民法について少しずつお話をしていきたいと思います。

第1回は消滅時効についてです。

消滅時効とは,簡単に言うと,一定の期間権利が行使されなかった場合に,当該権利を消滅させる制度です。

現行の民法では,債権は権利を行使することができる時から10年間を経過することで消滅時効が完成することを原則としつつ,例外として,一定の種類の債権(タクシーの運賃の債権や,飲食店の飲食代の債権などが挙げられます。)については短期の消滅時効を定めています。

対して,改正民法では,上記の短期の消滅時効は廃止され,原則として,債権は,①債権者が権利を行使することができることを知った時(これを,「主観的起算点」と言います。)から5年間行使しないとき,または,②債権を行使することができる時(これを,「客観的起算点」と言います。)から10年間行使しないときに,消滅時効が完成することとなりました(改正民法166条)。

次回の記事では,人身損害による損害賠償請求権の消滅時効についてお話をしたいと思います。

尋問

もう少しでゴールデンウィークが始まりますね。

皆様はゴールデンウィークのご予定等はございますでしょうか?

私の予定はと言いますと,もうすぐ尋問の期日がありますので,その準備を進める予定です。

裁判で行う尋問とは,簡単に言うと,「証人や当事者に質問をし,返答をさせる手続」のことです。

尋問に対する返答としての供述は,その事件の証拠となりますので,尋問期日において,証人や当事者の方がどのような話をするかは,非常に重要です。

そして,日本では,審判者である裁判官が尋問をするという「職権尋問」の方式ではなく,裁判官の訴訟指揮の下に当事者(弁護士含む)が証人や当事者を直接尋問をするという「交互尋問」の方式が採用されていますので,尋問をする当事者・弁護士は,事前にどのようなことを尋ねるのか等について,入念に準備をする必要があります。

「どのような質問をどのような順番でどのようにしていけば証人の言っていることが真実であると裁判官に分かってもらえるか。」,「どのような事実を聞き出せば依頼者の方に有利になるのか」などなど,尋問の準備にあたっては考えなくてはならないことが非常にたくさんあります。

尋問については,今後もブログで詳しい話をしていけたらと思います。

 

 

弁護士法人心豊田市駅法律事務所

平成30年も早くも4分の1が過ぎようとしています。

最近はすっかり暖かくなり,桜もほぼ満開という季節になりました。

新年度ももうすぐで,皆様,異動やら引継ぎやら新学期の準備やらで忙しくしていることかと思います。

かく言う私も,昨日付で異動となり,弁護士法人心豊田市駅法律事務所の所長になりました。

所属弁護士会も,愛知県弁護士会の本会から西三河支部へと変更になりますので,先ほど,西三河支部の弁護士会館まで足を運び,入会の手続書類を提出してきたところです。

豊田市は,私が高校生までの期間を過ごした町です。

高校卒業後は京都へ引っ越し,就職に伴って名古屋に戻ってきましたが,この度,豊田市まで帰ってくることになりました。

私が高校生だった頃とは街並みもだいぶ変化しており,目新しさを覚えることも少なくないです。

豊田市駅法律事務所の所在地は,「愛知県豊田市西町5-5 ヴィッツ豊田タウン4階」となっています(名鉄の豊田市駅から歩いて約3分ほどの場所にある建物の中です)。

お困りごとがございましたら,まずは「0120-41ー2403」まで,お気軽にお電話をいただければと思います。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

弁護士法人心豊田市駅法律事務所のホームページはこちらです。

所在調査②

だいぶ前に,弁護士の仕事の一つである「所在調査」についてお話をさせていただいたことがありました。

(もう一度簡単に申し上げますと,「所在調査」とは,訴状が相手方に届かなかった場合に,相手方がどこに行ってしまったのかを調査するというお仕事です。相手方の住所地に行って,ガスメーターや電気メーターが動いているか否かや,郵便受けに郵便が入っているか否かを確認して写真に撮ったり,相手方の就業先に行って,所在を確認したりします。)

そして,つい先日,新しく提起した裁判で,またもや訴状が相手方に届かないという連絡を裁判所から受けましたので,相手方の所在調査に行って参りました。

今回は,三重県のとある地方に行って来たのですが,最寄りの駅からのバスが2~3時間に1本で,周囲にタクシーも見当たりませんでしたので,徒歩で目的地まで向かうことにしました。

徒歩でいったせいで,駅と目的地の往復だけで2時間以上かかったのですが,その甲斐むなしく,結局,目的地に着いても相手方の所在は確認できませんでした・・・

久しぶりにこんなにも長時間歩いたので,その日は疲れ果て,弁護士の仕事には体力も重要であることを改めて思い知らされた一日になりました。

 

 

インフルエンザ

時が経つのは早いもので,平成30年も,もう12分の1が終わろうとしています。

皆様,いかがお過ごしでしょうか?

現在,名古屋では,雪が降るような寒い日が続き,インフルエンザが流行しています。

ところで,インフルエンザをわざと他人に感染させたという場合,何らかの罪に問われたりするのでしょうか?

ちょっと検討してみたいと思います(以下は,あくまで私の個人的な考えであり,他の意見を排斥するものではありません)。

刑法204条は,以下のように規定しています。

「人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

ここに言う「傷害」とは,人の生理的機能を侵害することを言います。

簡単に言うと,他人の健康状態を悪くさせてはいけない,ということです。

そして,性病に関してですが,病気をうつしたことが「傷害」に該当すると判断した最高裁判所の裁判例もあります。

抜粋すると以下のとおりです。

「傷害罪は他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上,その手段が何であるかを問はないのであり,本件のごとく暴行によらずに病毒を他人に感染
させる場合にも成立するのである。」(最高裁昭和27年6月6日判決・刑集6・6・795)

そうすると,インフルエンザをうつすことも,他人の健康状態を悪化させることに該当するため,「傷害」であると言えそうです。

もっとも,傷害罪で罰されるには,「故意」(刑法38条1項)に,すなわち「わざと」インフルエンザをうつしたと言えなくてはなりませんので,他人にインフルエンザをうつした人が全員傷害罪で罰されうるのかというと,そうではありません(ただし,刑法には過失傷害罪(刑法209条1項)という犯罪もあるので,少し注意が必要です。)

また,傷害罪で罰するには,ある行為と生じた結果の間に因果関係(原因と結果の関係)が存在することも必要ですので,例えば,AさんをわざとBさんにインフルエンザをうつした罪で罰しようという場合,Bさんの罹っているインフルエンザがAさんからうつったものであること証明しなくてはなりません。

こうやって考えていくと,他人にインフルエンザをうつしたことで傷害罪に問われるということは,多くはなさそうです。

ただ,傷害罪で罰されないにしても,インフルエンザを他人にうつしてしまうと,うつした相手に多大な迷惑がかかってしまいますし,だからといって仕事を休むと依頼者の皆様に多大な迷惑がかかってしまいますので,そもそもインフルエンザにかからないよう,予防をしっかりしていきたいと思います。

今日は,こんなことを考えながら,早くもバレンタイン商戦が始まり前に進むこともままならない人ごみの中を歩いてきました。

悲劇

今日はクリスマスイブですね。

私は名古屋駅のクリスマスムードとは縁がなく,いつもどおり事務所でお仕事中です。

せっかくのクリスマスイブなので,帰り道にコンビニでケーキっぽい菓子パンでも買って,晩御飯にしようかと思います。

ところで,12月に入ってからはいよいよ年の瀬という雰囲気が街に溢れ,忘年会の帰りかなと思われる方々も多く目にするようになってきました。

そんな中,私は一昨日以下のような悲劇に見舞われました。

一昨日の22日は,金曜日だったこともあって,私はその週にやり残していた仕事を片付けていました。

年の瀬ということもあり,いつもより仕事が溜まってしまっていたので,大方の仕事が片付いて,残すは郵送だけという状態になった時点で,既に午後11時30分を過ぎていました。

一昨日が金曜日でなければ,郵送業務は次の日に回すところだったのですが,発送を月曜日に回してしまうと到達が期限ギリギリになってしまいそうな郵便物があったため,その日の内に郵便局に持っていくことにしました。

午後11時30分ともなると,郵便局の通常の郵便窓口は当然すでに閉まっている時間なのですが,ありがたいことにJPタワー名古屋内にある名古屋中央郵便局のゆうゆう窓口は24時間営業ですので,一昨日も,いつものようにゆうゆう窓口に郵便物をお預けして,ようやく全ての仕事を終えました。

この時点で既に午前0時を回っており,終電ギリギリの時間となってしまっていたので,急いで駅へと向かいました。

何とか終電が来るまでに駅に着くことができ,なおかつ電車の到着まであと1分ほどあったので,少しでも身体を休めようと思い,駅のベンチに腰を下ろしました。

すると,何やらおしりから太ももにかけてひんやりとした感触がありました。

「あーなにか飲み物でも零れているところに座っちゃったかな」と思い,立ち上がってベンチを見ると,なんとそこには大量の吐瀉物が!!

そして,私のスーツのズボンにも大量の吐瀉物が付いていました(新調したばかりだったのに・・・)

不幸にもポケットティッシュを持ち合わせていなかったので,やむを得ず他人の吐瀉物にまみれたまま終電に乗りました。

臭いもひどかったので,私の周りに乗っていた方々も吐瀉物の臭いに気づいたことと思います。

あの時私の周りにいた方々に対しては,不快な思いをさせてしまったことを,この場を借りてお詫び申し上げます。

今回の件で,「家に帰るまで気を抜いてはいけない」ということを学びました。

これからも忘年会&新年会シーズンが続くので,もしかしたらまた同じようなことがあるかもしれません。

今後は仕事帰りも気を抜かずに過ごしたいと思います。

それでは皆様,少し早いですが,メリークリスマス&良いお年をお迎えください。

二回試験

今日から二回試験が始まります。

二回試験とは,正式名称を司法修習生考試といい,これが裁判官・検察官・弁護士になるための最後の試験となります。

裁判官・検察官・弁護士になるための試験としては司法試験が有名ですが,司法試験に合格しても二回試験に受からなければ法曹になることはできません。

試験科目も,司法試験と二回試験では異なり,

司法試験の科目が,憲法,行政法,民法,刑法,商法,民事訴訟法,刑事訴訟法,選択科目(倒産法,労働法,租税法,環境法,経済法,知的財産法,国際関係法(公法系),国際関係法(私法系)の中から1つ選択)の8科目なのに対して,

二回試験の科目は,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護,刑事弁護の5科目で,内容も司法試験より実務的なものとなっています(検察起案で,○○の犯人性について論じなさいという問題が出たり,民事弁護起案で,訴状(裁判をする際に一番最初に裁判所に提出する書面)を起案しなさい,というような問題が出たりします)。

科目数としては二回試験の方が少ないですが,司法試験が,計4日間(論文式試験は1日あたり2~3科目×3日間,最終日の4日目は短答式試験となります。)行われるのに対して,二回試験は,1科目あたり1日,計5日間行われます。

すなわち,二回試験の試験時間は半端でなく長いということです。

私が受験した時は,朝10時20分開始,夕方17時50分終了が基本だったと記憶しています(途中,お昼ごはんを食べても良い時間帯は設けられていますが,そのために試験時間が中断するということはありません。ですので,お昼ごはんを食べながら答案を書くこともできますし,お昼ごはんを食べずに答案を書き続けることも可能です)。

かなり長丁場の戦いとなりますので,体力の面でもかなり厳しい試験です(弁護士になってから健康と体力が大事だと思わされることも多々ありますので,二回試験を通じて,法曹になってから業務に堪えることができるのかということも試されているのかもしれません・・・)。

私は,最終日の刑事裁判のときには疲労困憊で,もはや事件記録を読んでも内容がほとんど頭に入ってこないという状態でした・・・。

司法試験の合格率が20%~25%ほどなのに対し,二回試験の合格率は90%以上なので,落ちる確率の方が低いのですが,合格の結果が出るまで気が気ではなかったです。

私からはあまり偉そうなことは申し上げられませんが,今年受験される方は,体調にだけは十分に気をつけて二回試験に臨んでいただければと思います。

健闘を祈っています!!

冬の気配

10月も今日で終わりですね。

台風が過ぎてから,急に寒くなったような気がします。

急な気温の変化のせいか,体調を崩している方も多くなってきているようです。

今月は健康の話ばかりになってしまいますが,何をするにしても身体が資本だと思いますので,皆様,体調にお気をつけてお過ごしください。