運転中に水たまりの水を歩行者に掛けてしまったら?

東京は雨の日も多くなってきましたが、まだ梅雨入りはしていないようです。
例年は今頃梅雨入りなので、今年は少し遅いのかもしれませんね。

私の勤務する池袋法律事務所は、池袋駅から地下道を通って事務所のすぐ近くまで雨に濡れずに行けるので、ご来所いただくお客様にも大変便利かと思います。
(くせ毛で湿気に弱い私の髪の毛にも大変ありがたい立地です。)


東京ではでこぼこした道がだいぶ減り、道路に大きな水たまりができることも少なくなりましたが、郊外などでは車両が道路上の水たまりの上を減速せずに走行し、泥水が盛大に撥ねているところをまれに目にします。

私が小学生のころにも、通学途中ダンプカーに水を掛けられて制服がびしょびしょになり、着替えにとぼとぼと帰宅したことがありました。

この「泥はね運転」は、道路交通法71条1項に車両等の運転者が守らなければならない事項として、「ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。」と規定されています。

上記の違反に罰則は定められていませんが、道交法施行令別表第六で反則金が定められています。

ちなみに、この反則金は刑事罰である罰金とは異なり、いわゆる「青切符」(交通反則告知書)に基づいて行政処分として課せられるものです。

泥はね運転の反則金は、大型車が7000円、普通車又は二輪車が6000円、原付者が5000円です。

司法試験と弁護士の能力

5月12日と13日、15日と16日に、2021年度の司法試験が行われました。
去年は新型コロナウイルスのため試験が8月に延期となっており、いまだ東京をはじめとした複数の都市で緊急事態宣言が出されているなか今年は大丈夫なのだろうかと心配していましたが、例年どおりに実施されたようです。

去年の出願者数が4226人、受験者数が3703人と、新司法試験となって受験者数が初めて4000人を割り込んだことが話題になりました。
ところが、今年は出願者数が3754人、受験者数はまだ発表されていませんが受験予定者数が3733人だそうで、すでに出願者数が4000人を割り込んでいることにショックを感じました。
私が受験したころは受験者数が8000人台だったので、その半分以下になってしまっているようです。

なぜ受験者数が減ったかについては様々な要因があるとは思いますが、その一因として、「新司法試験になって合格者の質が下がった!」などと言われ、新司法試験合格者は旧司法試験合格者と比べて能力が劣っているかのような見方が出てきたこともあるのではないかと思います。

もっとも、私は新司法試験合格者全体として、旧司法試験合格者全体より能力が低いとは思いませんし、実際に実務に出てからの能力と司法試験での成績にそこまでの相関関係があるとは思っていません。
司法試験で判断できるのは、限られた短時間でいかに正確な法律構成ができるか(+いかに早く字が書けるか)という能力だけですが、その能力だけで業務を行うことは不可能です。

少なくとも弁護士業務に限っていえば、依頼者様の気持ちや考えをどのようにくみ取るかという能力や、相手の立場も考慮しつついかにこちらの交渉を有利に進めていくかという能力のほうがよほど重視されます。

なので、弁護士に依頼しようと考えた際の弁護士に選び方について、「この弁護士は新司法試験合格者だからやめておこう。」とか、「新司法試験だけど予備試験合格者だから優秀だ。」とか、「この弁護士は旧司法試験を上位合格しているから安心だ。」とかは全くあてにならないと思ってください。
それよりも、信頼できる人の口コミや、実際にその弁護士と話したときのご自身の印象などを参考にしたほうがよほど信頼性は高いと思います。

給与が減少していないと逸失利益はもらえないのか⑤

最近の東京は暖かい日が多く、上着が要らないのではないかと思う日すらあります。
この暖かさのせいか、多くの桜が満開を過ぎて散りかけてしまっています

何か月かにわたりお届けしている「給与が減少していなくても逸失利益が認められる場合」についてですが、前々回と前回にわたって、①減収不発生が一時的であること、②昇進昇給における不利益があること、③業務への支障が生じていること、④退職転職の可能性、⑤勤務先の規模、存続可能性、⑥本人の努力、⑦勤務先の配慮の7点をお話ししました。

これらを踏まえて、①から⑦の事情があることを証明するためにはどうすべきかについてですが、①は例えば残業時間が増えたことが原因であるならば、給与明細の写しやタイムカードの写し、ご自身で残業時間を毎日記録したメモや日記などで残業時間を明らかにするといった方法があります。

②、③、⑥、⑦については、ご自身で普段からメモのような形で日々の支障についてなどを残しておき、後で文章にまとめて陳述書にする方法があります。
さらに、ご自身で作成した書面のみだと客観性に欠け証拠として弱いため、可能であれば勤務先の上司や人事担当者にも陳述書をお願いできればベストです。

給与が減少していないと逸失利益はもらえないのか④

弁護士の岡原です。


何か月かにわたりお届けしている「給与が減少していなくても逸失利益が認められる場合」についてですが、前回は①減収不発生が一時的であること、②昇進昇給における不利益があること、③業務への支障が生じていること、の3点をお話ししました。
今回も引き続き、裁判所が考慮要素としている点をお話しいたします。

④ 退職転職の可能性
後遺障害により業務に支障があり、今後も継続して勤務することが難しく、今後退職または転職する可能性がある場合は、将来の減収の発生を推認させる事実となります。
これは、退職して無職になれば収入がゼロになりますし、転職するとしても後遺障害の存在が再就職で不利になったり、転職できたとしても後遺障害がない人と比べて雇用条件が劣ったりする可能性があり、逸失利益を認める方向の考慮要素となります。

⑤ 勤務先の規模、存続可能性
勤務先で人員整理(リストラ)が行われる可能性が高いこと、勤務先の経営不振、小規模で経営基盤が盤石といえないこと等は、被害者が今後再就職を余儀なくされる可能性が高いこと、そしてその再就職の際に後遺障害が不利に働き減収が発生する可能性が高いことを推認させる事実であり、逸失利益を認める方向の考慮要素となります。

⑥ 本人の努力
痛みなどの症状に耐えながら勤務を継続していることや、症状の軽減悪化防止のための努力をしていること、業務上のハンディキャップをカバーするための努力をしていること、業務をレベルアップさせるための努力をしていることは、これらの本人による特別な努力がなければ減収が発生していたことを推認させる事実であり、逸失利益を認める方向の考慮要素となります。
努力の内容としては、例えば症状軽減のため毎日長時間のリハビリを継続していること、後遺障害による影響をカバーするため平日の夜や土日を返上して残業し仕事をしていること、利き手が麻痺しているため左手で文字が書けるように練習していること、事故後難関資格を取得して転職したことなどがあります。

⑦ 勤務先の配慮
後遺障害により業務に支障が生じているにもかかわらず減収が生じていないには、勤務先の配慮や温情によるものである可能性があります。
例えば、勤務先が被害者の後遺障害に配慮して適正な職場に配置してくれたり、適切な支援をしてくれたりすることで減収を免れている場合、勤務先の経営状況や経営方針、人事異動によってはそのような配慮が打ち切られて減収が発生する可能性があることから、そのような配慮があるという事実は逸失利益を認める方向の考慮要素となります。

給与が減少していないと逸失利益はもらえないのか③

先月は雪が降った日もあったのに、今日(2月22日)の東京は最高気温23度と、まるで初夏のような暖かさとなりました。
こんなに気温の変動が激しいと、毎朝どの上着を着ればよいのか迷ってしまいます。

さて、数回にわたってお話ししてきた「給与が減少していなくても逸失利益が認められる場合」についてですが、今回は前回ピックアップした2つの裁判例以外の裁判例で、考慮要素とされている点を、今回から何回かに分けてお話しいたします。

① 減収不発生が一時的
「事故後減収がない」というのは、大抵の場合は示談段階において減収が発生していないというだけであり、今後もずっと減収が発生しないことを意味するものではありません。
例えば、事故による後遺障害の影響で仕事のパフォーマンスが落ち、査定自体は下がってしまったが、事故前に被害者が獲得した大型契約によって一時的に売上が上昇し、結果的に事故後の給与が増加したといった場合、後遺障害による影響がなかったから減収が発生しなかったわけではありません。
また、このような給与の増加はあくまで一時的なものである可能性があり、今後も継続する見通しがない場合は、逸失利益が認められる可能性があります。

② 昇進昇給における不利益
事故後現時点ですでに昇進や昇給に遅れが生じている場合や降格となったこと、事故により昇進試験を受験できなかったことといった事情がある場合は、まだ減収として表れていないとしても、実質的には経済的不利益が生じているとみることができます。
また、後遺障害のため特定の業務に就くことができなくなり、その結果将来の昇進が困難となった場合も、逸失利益を認める方向の考慮要素となります。

③ 業務への支障
まだ減収が生じていなかったとしても、後遺障害により実際の業務に支障が生じている場合は、将来の減収の発生を推認させる事情となります。
また、後遺障害のため配置転換を余儀なくされた場合は、本人の経験や実績、意欲を十分に発揮できる業務に従事できなくなる結果、本来得られたはずの収入を得られない可能性が高まるとして、これも逸失利益を認める方向の考慮要素となります。

次回に続きます。

給与が減少していないと逸失利益はもらえないのか②

昨日、東京(池袋)ではほんの少しだけ雪が降りました。

長い時間ではなかったのですぐに溶けてしまいましたが、真っ白な雪が積もる光景はいくつになっても心が浮き立つものですね。

 

前回に引き続き、交通事故によって後遺障害が残ったが現実の収入が減少しなかった場合の逸失利益の話をしたいと思います。

最高裁判決によれば、①後遺障害の程度が比較的軽微、②職業の性質上、現時点で収入が減少していない、または将来も減少しないと考えられ、③特段の事情(例として、㋐本人の特別の努力、㋑今後昇給、昇任、転職等に際して不利益な取扱を受けるおそれなど)もない、といった場合には、逸失利益が認められない場合があるとお話しました。

収入減少がなくても逸失利益が認められた場合の具体的事例として、いくつか裁判例をご紹介したいと思います。

 

1 札幌地裁平成7年10月20日判決

これは、事故により後遺障害1級3号(現在は1級6号「両下肢の用を全廃したもの」、労働能力喪失率100%)となった方が、公務員である復職後も収入減少がなかったとして逸失利益が争われた事例です。

判決によると、「交通事故後短期間のうちに収入の減少が生じなかったとしても、そのことから将来にわたっても収入減が生じないものと速断するのは相当でなく、被害者が後遺障害による労働能力の低下のために将来の昇進、昇給や転職に当たって不利益を受ける蓋然性が認められる場合等には、将来における減収を認定することができるものというべきである」とし、

・事故により車椅子生活となったことで屋外の現場に出られなくなったこと、

・勤務先の試験に合格し移動を希望しているが移動先の職員の負担が増えるため、それらの職員との間の人間関係の調整が必要となる等の問題が生じる可能性もあること

などを挙げ、「原告が将来の昇進、昇給や転職において不利益を被るおそれも予測されるものというべきであり、したがって、原告に将来における収入の減少が認められないとは断言できず、原告には、その労働能力の喪失を理由とする財産上の損害の発生を認めるのが相当」と判断しました。

 

2 京都地裁平成29年2月22日判決

これは、事故により後遺障害9級10号(高次脳機能障害)となった方が、事故後に減収が生じていないことを理由に逸失利益が争われた事案です。

判決によると、

・本件事故による後遺障害として記憶障害が残存するため、プラスチックの種類等の物品名(被害者はプラスチック製造業に従事)だけでなく、人物名等固有名詞も覚えることができない状態であること

・本件事故後勤務先に復帰した際、勤務先において指示を貼紙にする等原告甲野の後遺障害を慮った措置があり、現在では前記貼紙はないものの、原告甲野本人が記憶喚起のために指示等をノートに記載していることが認められること

などを挙げ、「本件事故後、減収が生じていないのは勤務先の配慮や原告甲野本人の努力によるものであり、前記後遺障害のために将来の昇進や再就職において不利益な扱いを受ける可能性を否定できず、将来にわたって減収が生じない状態が継続するとはいえない」と判断しました。

給与が減少していないと逸失利益はもらえないのか①

弁護士の岡原です。

先日、お店の入り口で体温を測ったところ、まさかの32度と出たにもかかわらず、店員さんに爽やかな笑顔で「はい大丈夫です!」と言われました。
私はこういうときに、果たしてこれが天然なのか、ツッコミ待ちのボケなのか未だに判断できません…。

話は全く変わりますが、交通事故で後遺障害が認定されるような大きな怪我をされた方でも、幸いにして事故前と事故後を比較して収入が下がっていないケースがあります。
そのような場合に、よく相手方保険会社は「判例によれば、収入の減少がない場合には後遺障害逸失利益は出せません。」と言ってくることがあり、こんなに毎日つらい思いをしているのに納得できない!と当法人にご相談いただく被害者の方はとても多くいらっしゃいます。

 

相手方保険会社が指摘する「判例」とは、昭和56年12月22日判決のことを指しているかと思います。
この判例では、「かりに交通事故の被害者が事故に起因する後遺症のために身体的機能の一部を喪失したこと自体を損害と観念することができるとしても、その後遺症の程度が比較的軽微であって、しかも被害者が従事する職業の性質からみて現在又は将来における収入の減少も認められないという場合においては、特段の事情のない限り、労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害を認める余地はないというべきである。」としています。
つまり、単純に収入が減っていない=逸失利益なし、というわけではなく、①後遺障害による支障が軽微、②職業の性質上、現時点で収入が減少していない、または将来も減少しないと考えられ、③特段の事情もない、といった場合には、逸失利益が認められない場合があるということです。

さらに、「特段の事情」については、「後遺症に起因する労働能力低下に基づく財産上の損害があるというためには、たとえば、事故の前後を通じて収入に変更がないことが本人において労働能力低下による収入の減少を回復すべく特別の努力をしているなど事故以外の要因に基づくものであつて、かかる要因がなければ収入の減少を来たしているものと認められる場合とか、労働能力喪失の程度が軽微であつても、本人が現に従事し又は将来従事すべき職業の性質に照らし、特に昇給、昇任、転職等に際して不利益な取扱を受けるおそれがあるものと認められる場合など、後遺症が被害者にもたらす経済的不利益を肯認するに足りる特段の事情の存在を必要とするというべきである。」

では、具体的にどのような場合には収入減少がなくても逸失利益が認められる可能性があるのかについては、次回のブログで解説したいと思います。

国選とお歳暮

弁護士の岡原です。

先日、弁護士会の倫理研修がありました。
これは、一定の年次の弁護士に受講が義務付けられているもので、本来は弁護士会館で直接講義を受ける形式のものなのですが、昨今の情勢からオンラインで講義を受講し、その後試験を受けて合格しなければならないという形式のものに変わりました。

この試験の中に、国選事件の依頼者から物品や金銭を渡されたという設定の設問があり、以前お受けした国選事件での出来事を思い出してしまいました。

前提として、国選事件の場合、依頼人である被疑者、被告人やその他の関係者から、名目のいかんを問わず一切の報酬や対価を受け取ってはいけないこととなっています(弁護士職務基本規程49条1項)。
(国選弁護人の報酬は国から出ます。)
そして、この対価にはお金だけでなく物品やサービスの受領も含まれ、大変厳格に解されることとなっています。

私が以前お受けした国選事件で、受任直後に被疑者のお母様が事務所にいらっしゃったことがありました。
相談室にお通しした際に、お召し物に似合わない大きな袋をお持ちだったのでどうしたのだろうと不思議に思っていたところ、これを受け取ってほしいと果物の詰め合わせを手渡されてしまいました。

もちろん受け取ることはできないのでお断りすると、「国選弁護人の報酬はとても少ないと聞きました。先生には何としても息子の無罪を勝ち取っていただきたいので、受け取ってください。」とその方はおっしゃったのです。

私はこれを聞いて、「一般の方は、弁護士のことを報酬が少ないと手を抜き、報酬が多いと頑張ってくれると思っているのか。」と、悲しいような情けないような気持ちになりました。
実際に、インターネットで国選弁護人について検索してみると、国選弁護人はやる気がないから私選弁護人に変えたほうがいいなどと言った書き込みが多く見られます。

個人的な意見ではありますが、国選弁護人一般が(報酬が少ないから)やる気がないのではなく、報酬の多寡にかかわらず単にその弁護士にやる気がないのだと思います。
通常の弁護士は、綺麗事などではなく、国選だろうが私選だろうが被疑者の身柄開放や被告人の無罪獲得などに向けて全力で活動しています。
(もし本当に報酬にこだわるのであれば、そもそも国選事件を受けないと思います。)
ですので、一部のやる気のない弁護人の活動で、国選弁護人全体がこのような思われ方をするのは、とても悲しいことだと思います。

結局、その方には上記のことをご説明し、心苦しくはありましたが果物はお持ち帰りいただきました。

折しも、そろそろお歳暮のシーズンになってきました。
もし、このブログをご覧の方で、国選弁護人にお歳暮を贈ろうと思っている方がいらっしゃいましたら、申し訳ないですが止めていただくようお願いします。
お手紙を一枚いただくほうが、弁護士にとってはよほどうれしいと思います。

自転車運転について②(自転車保険の徹底)

近年,各都道府県が自転車保険への加入を義務付ける条例を設けるケースが増えており,東京都でも2020年に同内容の条例が設けられました。

ところが,まだまだ加入率は高くないようで,調査によると2019年度の自転車保険加入率は条例で自転車保険の加入を義務づけている自治体で65.6パーセント,非義務化地域で49.6パーセント,全国平均では57.3パーセントとなっているようです。
ちなみに,東京都は50.6パーセントで全国26位となっています。

自転車と歩行者の事故の場合,歩行者が大けがとなって高額の賠償を命じられるケースもあります。
当時小学校5年生だった少年が乗った自転車と歩行者との衝突事故で,少年の母親に約9500万円もの賠償が命じられた事件(神戸地裁H25年7月4日判決)は,当時ニュースでも取り上げられたため記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
もし無保険の場合,このような多額の賠償金を支払える方は非常に少ないでしょうから,被害者は泣き寝入りに,加害者は全財産を失うという最悪の事態になりかねません。

そこで,前回の防犯登録の話に戻りますが,各個人の任意保険加入に頼るのではなく,防犯登録時に強制的に保険に加入させるシステムにしてはどうでしょうか。
(前回のブログはこちら)

講習時に自転車保険が有効期限内であることが分かる書類を提出させることで,知らない間に切れていたということを防ぎます。
また,講習を受けた回数に応じて保険料が安くなるようにし,講習にいったほうがお得になるようにします。
さらに,できれば自動車のように,自賠責未加入の場合は罰則を定めるというところまですべきかと思います。

自転車運転について①(ルールの徹底についての私見)

弁護士の岡原です。

先日,信号のある横断歩道を渡ろうとしたところ,車道を右から信号無視で走ってきた自転車に轢かれそうになってしまいました。
かなりのスピードで突っ込んできたので,もしぶつかっていたら双方無傷では済まなかったのではないかと思います。

実は,このようなシチュエーションで轢かれそうになったことは初めてではなく,多いときは月に2~3回出くわすことすらあります。

さらに,これ以外にも自転車の危険な運転を目にすることは非常に多く,ひやっとした経験は数多くあります。
実際,私は普段の業務で交通事故の案件を多く取り扱っていますが,なかでも自転車事故は多く,中にはルール違反の走行方法によって引き起こされたものも少なくありません。

 

自転車での走行にルール違反が多い理由としては,乗り方さえ習得できれば誰でも何歳でも乗れること,自動車やバイクなどと異なりルールをきちんと教わる機会が少ないことがあると思います。

そこで,自転車の防犯登録の有効期限を2年などに短く設定し,初回登録時と更新時に自宅にハガキが届くようにして更新時に講習を受けるようにしたらどうでしょうか。

特に,初回登録の初めて自転車に乗る子どもには近隣の小学校などで正しい走り方などの実地講習を行うとよいのではないかと思います。
自転車を買い替えた場合は,前の登録情報を引き継げるようにすれば買い替えるたびに実地講習が必要といった手間を省けます。

自動車の免許のように,警察署や免許センターで毎日講習を実施するというのは現実的ではないので,シルバー人材センターなどと提携して「自動車ルール指導員」を養成し,公民館や学校,ショッピングセンターなどで定期的に講習を実施するのです。

 

ネックとなるのは,いかに講習を受けない人を減らすかという点ですが,

①講習を受けた回数を自転車保険の保険料と連動させる
②自動車免許等を持っている人で自転車の講習を受けていない人は,自動車免許の更新をするまでに自転車の講習を受けていないと免許の講習を受けられない
などを考えました。
もちろんこれだけでは不十分なので,ほかにも「自転車の講習を受けないとデメリットがある」といった制度にしなければならないと思います。

としまえん

今月末,遊園地の「としまえん」が閉園します。

私は家からとしまえんが近く,年間パスポートまで持っていたほどなので,閉園してしまうのがとても残念でなりません。
弁護士といえど,遊園地は大好きなんです。

チャレンジトレイン(西武線の電車を模した小さな乗り物を操作してレール上を走るアトラクションです。子ども向けに見えますが,適切な位置で警笛を鳴らしたり停止したりする必要があるほか,乗る車両によってマスコンがワンハンドルのものとツーハンドルのものがあるなど,大人でも夢中になってしまうアトラクションなのです!)などごく一部のアトラクションは,西武園ゆうえんちなど別の遊園地に移設され,機械遺産にもなっているカルーセルエルドラド(メリーゴーランド)は一旦解体されて倉庫で保管する予定のようです。

としまえん閉園の要因は,新型コロナウイルスによる経営不振などではなく(バブル期ほどではありませんが,近年のとしまえんの経営はむしろ絶好調だったようです。),東京都がこの場所に都市計画公園を整備するためです。

都市計画公園とは,都市計画法に基づいて計画された公園をいい,都市計画決定権者である都道府県知事又は市町村長が都市計画決定した公園や緑地などを指します(都市計画法11条1項2号)。

東京都では,2006年に特別区(23区のこと)・市・町が共同で「都市計画公園・緑地の整備方針」を策定し,さらに2020年にこれを改定して,東京都内で164もの公園・緑地に約530ヘクタールの優先整備区域を設定するなどしています。

としまえんの閉園は本当に残念ですが,新たにできる公園が地域の防災等に役立ってほしいと思います。

シニアカーとシルバーカー

お恥ずかしい話ですが,先日までシニアカーとシルバーカーの名前を逆にして覚えていました。

シニアカーとは高齢者向けの三輪又は四輪の一人乗り電動車両をいい,一方でシルバーカーとは高齢者が買い物などに使う手押し車のことをいいます。

どちらも高齢者が使用し,かつ「シ」から始まるので,ごちゃごちゃになっていたようです。

 

ところで,シニアカーは道路交通法上どのような扱いかご存じでしょうか。

シニアカーはハンドルが付いていたり,電動だったりといった点から,電動自転車と同じようなカテゴリーに入りそうですが,実は歩行者と同じなのです。

道路交通法上,シニアカーは「身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車椅子(原動機を用いるものにあつては,内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)」(2条1項11号の3)であり,道交法施行規則第1条の4によって,以下のような基準が定められています。

1 車体の大きさは、次に掲げる長さ、幅及び高さを超えないこと。

⑴ 長さ 120cm

⑵ 幅 70cm

⑶ 高さ 109cm

2 車体の構造は、次に掲げるものであること。

⑴ 原動機として電動機を用いること

⑵ 6km毎時を超える速度を出すことができないこと

⑶ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと

⑷ 自動車又は原動機付自転車と外観を通じて明確に識別することができること

 

さて,弁護士法人心に新しい事務所である,「弁護士法人心千葉法律事務所」ができました!

千葉県内では2つ目の事務所となり,千葉駅北口から徒歩1分という便利な場所にあります。

千葉県にお住まいの方で交通事故にお困りの方は,弁護士法人心千葉法律事務所までお気軽にご相談ください。

司法試験日程

前回のブログでは司法試験の日程が延期になったことを書きましたが,ブログをアップした後に,延期後の実施日程が法務省から発表されました。

試験期間は,令和2年8月12日(水),13日(木),15日(土),16日(日)となるようです。

 

実施日程が決まったということでとりあえず一安心ですが,今後また感染が拡大する事態が起きれば変更となる可能性もありますので,受験生の皆さんは法務省からの情報を適宜確認していただきたいと思います。

〈法務省HP〉
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00014.html

 

試験延期による今後の流れですが,試験日が後ろ倒しになれば,就職活動や合格発表,さらにはや修習開始時期も後ろ倒しにせざるを得ないのではないかと思います。

また,東京の大手弁護士事務所は,合格発表前から事務所説明会やサマークラーク(インターンのようなもの)などが始まりますが,今年はウィンタークラークになるのかもしれません。

そして,来年の試験を従来どおり5月に実施し,12月から導入修習が開始される場合,今年合格した期の修習生の集合修習と被ってしまい司法研修所のスペースが足らないといったことも起きるのではないでしょうか。

そうなると,来年も司法試験の日程を8月にするのか,または修習の日程を組み変えるのかなど,今後もいろいろ検討しなければならないことが多そうです。

 

個人的には,日本で一番暑い時期と言っても過言ではない8月中旬に,この長丁場の試験を受けるのはなかなか過酷ではないかと思うので,今年限りにしてあげてほしいと思います。

司法試験の思い出

弁護士の岡原です。

今年の司法試験と予備試験は,新型コロナウイルスの影響で延期されることが法務省から発表されました。

受験予定だった方は,予定が変わってしまったことで不安に思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そこで,受験生の方に向けてはその不安な気持ちが少しでも紛れるよう,私が司法試験を受験したときの思い出話でもしてみようかと思います。

受験生以外の方も,「司法試験の受験ってこんな感じなのか。」と思って見ていただければ幸いです。

 

司法試験なんて人生の一大イベントだから,そのときのことはよく覚えているだろうと思われるかもしれませんが,実は試験内容についてはほとんど覚えていません。

大学受験のときの数学の試験内容のほうが,まだ覚えているくらいです。

唯一よく覚えているのは,「申告しないと毎回なぜか試験監督の人がクッションの確認をしてくれないこと」です。

 

司法試験は,論文式試験8科目を3日間,短答式試験3科目を1日間の計4日間(間に1日間のお休みがあるので,期間のトータルは5日間)かけて行われます。

特に論文式試験は,選択科目は3時間,それ以外は2時間の試験時間なのですが,連日座りっぱなしであることや,集中していると変な体勢になることから,腰の負担を軽減するクッションを各自持って行って椅子に敷く人が多いです。

私は,薄いけれどもお尻にかかる体重を分散してくれるという高性能クッションを使っていました。

(お値段は高かったですが,今も愛用しているので元は取れたと思っています!)

その際,クッションの下にカンニングペーパーなどを入れないよう,試験監督の方が試験前に巡回してクッションを確認するのですが,なぜか私のクッションを確認しません。

後から疑われては嫌なので,毎回「あの~,私クッション敷いているんですけど…」と言って確認してもらったのですが,ほかの人は申告しなくても確認してるのになんで私は毎回スルーされるのかと,試験中は少しイライラしてしまいました。

 

なんの役にも立たなさそうな話になってしまいましたが,受験予定の方が安心して受験できるよう,早く通常どおりの世の中に戻ってほしいですね。

 

新しいパスポートと本人確認書類

2020年2月4日申請分から,パスポートが新しく変わったことをご存じでしたでしょうか。
ICチップ内の個人情報の不正読取り等を防ぐ機能を強化しているほか,偽造防止能力を高めるため,出入国のスタンプを押す査証のページが,今までページを表す数字のデザインから、「冨嶽三十六景」のデザインに変わったそうです。
また,所持人記入欄から,住所を記載する欄がなくなったそうです。
普通に生活する際に,これらの変更が何か影響することはまずありませんが,弁護士業務を行う際には,ほんの少しだけ影響がありそうです。

弁護士の活動については,法令や日本弁護士連合会が定める規則によって,様々な規制がされています。
契約時の「依頼者の本人確認」も,その一つです。

日本弁護士連合会は,弁護士が犯罪収益の移転行為(マネーロンダリング)に関与しないことを確保するため,「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規程及び規則」を定めています。
それによって, 弁護士が一定の法律事務の依頼などをお受けする際に,本人特定事項の確認をさせていただくことがあります。
上記規則では,弁護士と委任契約を結ぶすべてのケースでこの本人確認が必要と定めているわけではありませんが,当法人では念のため,すべての契約においてこの本人確認を行っています。

本人確認のために必要な書類が何かについては,非常に複雑なためここではご説明を省略しますが,通常は本人写真付きかつ住所の記載がある身分証明書で本人確認を行うことが多く,依頼者様にご説明する際も,「運転免許証やパスポート等をお持ちください。」とお伝えしていました。

ところが,上記の新パスポートの場合,住所を記載する欄がないため,「本人写真付きで,住所の記載がある身分証明書」にはあたらなくなってしまったのです。

「本人写真付きで,住所の記載がある身分証明書」であれば,対面の場合,これ一つで本人確認ができますが,そうでないと複数の本人確認書類をいただいたりしなければならないため,上記のニュースを見たときは思わず,「パスポートで本人確認する際は,所持人記載欄に住所記載欄があるものかどうか確認しなければいけないから,手間が増えたなあ。」と思ってしまいました。

自転車損害賠償保険

弁護士の岡原です。
2019年9月に「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が改正され、2020年4月より施行されるのに伴い,来月から東京都において自転車損害賠償保険の加入が義務化されます。
豊島区では,これに先立って2018年10月1日から加入が義務化されていましたが,東京都としてもこれに続く形となりました。

自転車は,免許がなくても乗れること,車体が比較的安価に購入できることなどから,子どもからお年寄りまで多くの方が日常的に使用する乗り物です。
一方で,かなりの速度が出ること,歩道を走ることも多く歩行者や他の自転車との接触,衝突の恐れが高いことから,大けがにつながる事故も多く起きています。
例えば,平成20年に神戸で発生した,小学5年生の児童が運転する自転車が歩行中の60代女性に衝突し,女性が現在も意識不明となっている事件について,神戸地裁は児童の保護者に9500万円もの損害賠償を命じる判決が出されました。

ところが,自転車は,自動車と異なり自賠責保険のような強制加入保険がない上に,任意で損害賠償保険に加入している方も少ないため,事故が発生した際の被害者への高額な損害賠償金をすべて自己負担しなければならないケースが多く存在していました。
そのような場合に,加害者が損害賠償金を支払えず,被害者がほとんど賠償金を受け取れず泣き寝入りとなってしまうといった事態を増やさないため,今回自転車も損害賠償保険に入ることを義務づけることが条例で規定されました。

現在,自転車保険として販売されている商品の多くは,個人賠償責任保険単体か,個人賠償責任保険が特約として付けられている傷害保険となっています。
また,自動車保険にプラスして加入できる個人賠償責任保険もたくさんあるようです。
自転車に損害賠償保険なんて付いていないと思われる方も,実はお持ちの自家用車の自動車保険にすでに付帯している可能性もありますので,まずはご自身で加入されている保険の内容と,その補償の範囲を確認していただくことをお勧めします。

煽り運転に遭わないためには

弁護士法人心 池袋駅法律事務所の岡原です。

前回は,なぜ煽り運転をする人がいるのかという話をさせていただきましたが,反対に煽り運転をされないためにはどうしたらよいのでしょうか。

煽り運転をする人の多くは,その人なりのきっかけがあり,それに対する過剰反応又は仕返しとして煽り運転を行っていると考えられます。
(中には,煽り運転そのものが楽しくて仕方ないという異常な人がいるかもしれませんが,そういった方には対処のしようがないので除きます。)
つまり,相手を不快にさせない運転を心がけることで,煽り運転をされるきっかけを減らすことができる可能性があります。

例えば,車線変更をする際は,進路変更の3秒前から進路変更終了時までウインカーを点灯させることが定められていますが(道路交通法施行令21条),進路変更しながらウインカーを点灯させる方や,そもそもウインカーを出さない方なども多くいらっしゃいます。
車線変更する側からすれば,後方との車間距離も十分空いているから問題ないと考えているかもしれませんが,後方の車両からすれば,何の前触れもなくいきなり車線変更してきてびっくりしたと思うかもしれません。
そして,このことを自分に対する嫌がらせと捉えてしまい,「自分は何もしていないのにいきなり嫌がらせをされたから,こちらも仕返しをしよう。」と考えて煽り運転をしてくる可能性も十分にあります。

ウインカーを出すタイミングは,上記で述べたように法令上の定めですので,それを遵守していただくことは当然ですが,そもそも「いきなり入ってきたら後続車両がびっくりするかもしれない。」といった他の車両へ配慮ができれば,仮に道交法の規定を知らなくても(自動車学校で必ず教わるので,できれば覚えておいていただきたいですが,)適切にウインカーを出すことができるはずです。
また,相手を不快にさせないという観点でいえば,
・追越車線をいつまでも走る
・急発進,急停止
・車間距離が狭い
などの行為は,急いでいる相手をイライラさせたり,不安にさせたりする可能性が高い行為のため,控えるようにしましょう。

そして,これらに注意していても煽り運転に遭ってしまった場合は,安全な場所に移動して車から出ず,警察へ通報しましょう。

煽り運転

弁護士の岡原です。
先日,免許更新時の講習で,①ながら運転について,②煽り運転についての話がありました。
今月は,②煽り運転についてお話ししたいと思います。

煽り運転とは,一般的には,車間距離を詰める,幅寄せ,蛇行運転,クラクションでの威嚇,必要のないハイビームなど,故意に特定の車両の運転を妨害するような運転をいいます。
また,最近では,わざと制限速度を大幅に下回る速度でノロノロ走行する,逆煽り運転といったものも取り上げられています。

私は,事務所のある池袋周辺で煽り運転に遭ったことはありませんが,郊外を走っているときなどに後方の車両から車間距離をかなり詰められたことがあり,急いでコンビニの駐車場に逃げたことがあります。

取り締まりについては,2017年に起きた東名高速道路でのあおり運転による死亡事故をきっかけに摘発が強化されていますが,今後は,道路交通法に新たな規定を設け,その罰則も現状より厳しいものにする方針が示されています。

ところで,そもそもどうして煽り運転が起きてしまうのでしょうか。
その原因の一つとして,自分が思うような運転ができない状況を,他者からの攻撃ととらえ,それに対して報復や制裁を行うことは正当な行動だと考えてしまうといった思考があるそうです。
例えば,前の車両がゆっくり走っているという状況を見ると,「自分は急いでいるのに,前の車に邪魔されている。」,「こういった走り方をする車には,自分が痛い目に遭わせないといけない。」などと考えてしまい,煽り運転を正当化してしまうそうです。
また,「こういう種類の自動車を運転している人は運転が下手だ。」といった偏見から,実際はなにも起きていないにもかかわらず,特定の車種を見ると自分が懲らしめないといけないといった思考に陥り,煽り運転をしてしまうといったケースもあるそうです。
さらに,車内は運転者が誰か一見しては分からないという匿名性が高い空間であり、ドライバーの感情が攻撃的になりやすいというのも,上記思考を強めてしまう要因の一つだそうです。

誰しも,イライラしてストレスが溜まっているときは,ほんの些細な出来事にも怒りを覚えてしまうことがあります。
ですが,その怒りのままに煽り運転を行ってしまうと,煽り運転として罰則の対象になるのはもちろんのこと,大事故を引き起こしてしまう可能性も十分にあります。
怒りの発散のせいで一生を棒に振ってもよいのか,ひと呼吸おいて考えることが大事です。

ながら運転の罰則強化

先日、普通自動車免許の更新に行ってきました。
ゴールド免許なので、事務所の近くの指定警察署で更新しようかと思ったのですが、池袋警察署は残念ながら指定警察署ではなく、電車に乗って都庁の更新センターで更新してきました。

ところで、更新時には、ビデオや冊子を見て運転時の注意点などについて講習を受けますが、今回特に時間が割かれていた点が、①今月から施行される携帯電話を使用しながらの運転に対する罰則強化についてと、②煽り運転をしないための心がけについてでした。
②の煽り運転については次回のブログで取り上げ、今回は①のながら運転についてお話ししたいと思います。

ながら運転の罰則強化については、以前の私のブログでも触れましたが、運転しながらのスマートフォン等の注視・通話やカーナビゲーション装置等の注視といった「携帯電話使用等(保持)」の違反点数は、1点から3点に引き上げられ、これらによって交通事故を生じさせた「携帯電話使用等(交通の危険)」の違反点数は、2点から6点に引き上げられました。

これについて、カーナビとスマートフォンをBluetoothで繋いで通話すれば、通話そのものについては上記の罰則にあたらない可能性があります
しかし、電話を受ける際に画面の操作をする必要がある場合は、「携帯電話使用等(保持)」となる可能性はありますし、前方から少しでも目を離せば事故につながる危険が飛躍的に高まります。

また、ハンズフリーのイヤホンマイクを耳に装着しての通話は、一部の都道府県においては、上記の罰則とは別に、道路交通規則によって「安全運転義務違反」として検挙される場合もあります。

自動車は、よく運転する方だと、「自分は運転に慣れているから通話くらいしていても問題なく運転できる。」とつい思ってしまいがちですが、どんなに乗り慣れていても絶対に事故をしない人などいません。
事故を起こしてしまうと、被害者と加害者の今後の人生に大きく影響してしまうということを心に留めて、安全運転を心がけましょう。

ポケモンと動物愛護

弁護士の岡原です。

もうすぐ,ニンテンドースイッチのゲーム「ポケットモンスターソード・シールド」が発売されます。
私は,幼稚園のころにクリスマスプレゼントで「ポケットモンスター緑」が欲しいとサンタさんにお願いをしていた世代なので,買おうかどうか非常に気になっています。

ところで,ポケモンといえば,トレーナー同士で自分のポケモンをバトルさせることができますが,その過程で手持ちのポケモンが毒に侵されたり,瀕死になってしまうこともあります。
なんと,これらのことをポケモンに対する虐待として,抗議活動を行っている動物愛護団体もあるそうです。

個人的には,ポケモンバトルはお互いのポケモンを傷つけるためのものではなく,強い信頼関係で結ばれたトレーナーとポケモンがバトルを通じて経験を積み,成長するためのものと考えているので,人間がポケモンをバトルで一方的に傷つけているという指摘は,ポケモンを表面的にしか見ていない,非常に的外れなものと感じています。

ところで,残念ながら,私たちが住むこの世界には,まだポケモンは確認されていないようです。
そして,ポケモンの場合と同じように,例えば野生の猫を捕まえて他人の猫とバトルさせるといった行為は,日本では動物愛護法で禁止されています。

動物愛護法は,同法で指定する「愛護動物」につき,
・みだりに殺傷すること,
・給餌・給水をしないこと,
・みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行うこと,
・遺棄すること,といった行為を禁止し,これに違反した場合には罰則を定めています。
そして,愛護動物とは,
・牛,馬,豚,めん羊,山羊,犬,猫,いえうさぎ,鶏,いえばと,あひる(飼育されているか,野生かは問わない)と,
・人が占有している動物で哺乳類,鳥類又は爬虫類に属するもの,
を指します。

したがって,上記のように,例えば猫同士を戦わせる行為は,その猫が野生か飼い猫かを問わず禁止されますが,浦島太郎の冒頭の話のように亀をいじめる子供たちの行為は,亀が上記愛護動物にあたらないため禁止されていないということになります。

もっとも,禁止されていないことと,倫理的にやってよいことは全くの別です。
ポケモンとは異なり,動物と人とでは十分な意思疎通ができず,信頼関係を築くことにも限界があります。
食用などのやむを得ない場合を除き,不必要に動物を苦しめる行為は,それが愛護動物であるかないかにかかわらず,人間として許されない行為であると考えます。