名古屋の弁護士・税理士の小島です。
奇しくも本日から、国税庁の審議会で非上場株式の評価に関する有識者会議が始まりました。
令和5年度の会計検査院の決算検査報告を受けたものになります。
会計検査院の指摘としては、①類似業種批准方式が純資産価額方式と比較して安すぎるという点(中央値は純資産価額方式の27.2%)、②大会社ほど株式の評価額が相対的に低く算定される点、③配当還元方式の還元率(10%)の金利が低すぎる点などです。
会計検査院の指摘や、本日の会議での指摘事項は、理解できる点もあります。
が、そもそも非上場株式は、M&Aを行うときは適正な評価を行うべきだと思いますが、相続の場面では高く評価すると後継者は株式を取得できなくなってしまいます。
株価が高くなりすぎ、複数の相続人で株式を相続することになると、実質的な経営者に株式が集中せず、経営に支障を生じるおそれもあります。
課税の公平性、という観点はわかりはしますが、多くの中小企業では株価に匹敵するほどの現預金があるわけではなく、固定資産や動産、これまでに積み重なった繰越利益剰余金によって株価が高くなっています。
また、相続財産も、不動産などすぐに換金できないような財産が大半を占めていることが多く、相続税を現金で用意しろと言われても困難な側面があります。
私個人としては、中小企業の事業承継のことを考えると、正直、評価額を高くすることにメリットはないのでは・・・と感じてしまいます。
資料:取引相場のない株式の評価に関する有識者会議 第1回 2026年4月20日
https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260420/pdf/01shiryo_kabukaigi.pdf