インボイス制度の登録が間もなく締め切り・・・?

令和5年10月1日から、インボイス制度に登録している事業者でなければ、仕入税額控除が受けられなくなる制度が始まります。

このインボイス制度に登録するための〆切りは、令和5年3月31日までですので、この期限までに間に合わなければ10月1日から仕入税額控除が受けられなくなってしまいます・・・

との記事を作成しておりましたら、ちょうどこの記事を作成する数時間前に、インボイス登録を9月末まで受付けるとの報道があったようです。

以前から、その方向性は示されていましたが、方針として決まったようです。

ただ、9月末に申請を行い、10月1日から登録事業者としてスタート、ということは事務作業的に税務署でも行えないのではないかと思いますので、10月1日から登録事業者としてスタートしたいのであれば、やはり早めに登録手続を進めた方がよいかと思われます。

現在すでに課税事業者の方は、特にインボイスの登録をしない理由もないかと思いますので、速やかに登録手続を行われることをお勧めします。

悩ましい方は、現在、免税事業者の方です。

免税事業者の方は、インボイスの登録をすると課税事業者となりますので、これまで支払わずに済んでいた消費税を支払うことになります。

中小零細企業の場合、数十万円の税負担も経営には大きな影響を与えかねません。

ただ、その一方で、インボイスの登録をしなければ、取引先が仕入税額控除を受けられなくなりますので、取引先からインボイスの登録をしてくれとお願いされ、事実上、登録せざるを得なくなることも十分にあり得ます。

免税事業者の方で、自らがインボイスの登録をした場合、いくらの課税がされるのか気になる方は、税理士に相談してシミュレーションをしましょう。

取引先から、一方的に「インボイスの登録をしなければ契約を打ち切る」等のことを通告されているような場合は、独占禁止法違反や下請法違反に該当する可能性がありますので、弁護士に相談しましょう。

 

令和5年税制改正大綱の発表

16日の夕方頃に、令和5年の税制改正大綱が発表されました。

相続税との関係では、変わったポイントは大きく2点です。

1点は、贈与した財産について、みなし相続財産として適用される期間が延長されることとなりました。

現在の法律では、亡くなる前、3年以内に贈与した財産は、贈与がなかったものと取扱われて「みなし相続財産」ということになり、相続税の課税対象となっています。

この遡る期間が3年から7年へ延長されることとなりました。

ただ、亡くなる前3年以内の贈与により取得した財産は、そのままの額が相続税の課税価格に加算されますが、4年~7年遡る分の贈与により取得した財産は、100万円を差引いた残額が加算されるようです。

相続財産とみなされる期間は延長されましたが、まだまだ生前贈与は有益な相続税対策といえますので、早めに始められることが効果的です。

2点目は、相続時精算課税制度について

現在の法律では、相続時精算課税制度を一度利用すると、暦年贈与を利用した際に贈与税が課税されました。

つまり、110万円の贈与税の基礎控除枠が使用できなくなる、ということになっていました。

この点について、税制改正大綱では、相続時精算課税制度を利用した場合でも、110万円の基礎控除枠が利用できるようです。

また、それだけでなく、相続時精算課税制度を利用した方については、どうやら1点目に記載したみなし相続財産とする持戻しの制度を適用しないようですので、相続時精算課税制度を利用した方が得になるように読めます。

細かい運用は、法律が改正された際にはっきりすると思いますが、納税者側では、7年間の贈与の記録やそのお金を使い切ってもいいものなのか、けっこう悩ましい場面がでるのではないかと思っています。

相続税の申告や相続税対策にお悩みの方は、税理士法人心・弁護士法人心までお気軽にご相談ください。

相続税の計算方法(概算)

弁護士として相続のお仕事では、相続税がいくらになるのか考慮に入れておかなければ、適切な解決をすることはできません。

ですので、相続税の概算がすぐに計算できなければなりません。

まず、相続税は、遺産のうち、プラスの財産からマイナスの財産を差し引き、基礎控除額を差し引いた金額が0円よりも大きければ相続税がかかります。

プラスの財産とは、現金、預貯金、土地、建物、株式、投資信託等の他、相続税を計算するうえでは、生命保険金や死亡退職金、亡くなる前3年以内に贈与した財産等も相続財産とみなされます。

マイナズの財産とは、お葬式費用や借金です。

令和4年現在の基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の人数です。

例えば、現金300万円、預貯金2000万円、土地・建物4800万円、株式1000万円でプラスの財産が合計8100万円。

お葬式費用100万円でマイナスの財産が100万円。

4人家族で父親が亡くなり、相続人が妻・子2人の合計3人の場合の基礎控除額は、3000万円+600万円×3人=4800万円。

8100万円-100万円-4800万円=3200万円>0円で相続税がかかります。

この3200万円を法定相続分で分けたと仮定したうえで、速算表に基づき税率を乗じ、控除額を差し引きます。

※相続税率の速算表

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

先ほどの事例でいうと、

妻 :3200万円×1/2×15%-50万円=190万円

長男:3200万円×1/4×10%=80万円

長女:3200万円×1/4×10%=80万円

合計:190万円+80万円+80万円=350万円

が相続人全体での相続税になります。

これは、全く何も相続税を安くする特例を使っていない状態の金額ですが、特例等を使うことができないと、この金額を納めなければならなくなってしまいます。

次回は、更に細かい相続税の計算方法について記載します。

専門家が陥りやすい「限定承認」の罠

家族・親族が亡くなった・・・どうやら借金があったようだけれども、具体的な金額がわかない。

預貯金や不動産、株なんかもあるみたいだけど、借金もけっこうあるみたい。

相続してもプラスになるのか、マイナスになるのかよくわからない・・・

こんなとき、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家であれば、「限定承認しましょう。」と勧めることがあります。

限定承認とは、亡くなった方のプラスの遺産の範囲内で、亡くなった方のマイナスの遺産を引き継いで返済すればいいですよ、という制度です。

例えば、財産調査をしてみた結果、プラスの財産が3000万円、マイナスの財産が5000万円であれば、プラスの財産3000万円部分で亡くなった方の債務を返済し、残り2000万円のマイナス部分は引き継がないということができます。

逆に、財産調査の結果、プラスの財産が5000万円、マイナスの財産が3000万円であれば、3000万円の債務を返済したうえで、残りの2000万円を引き継ぐということができます。

似たような仕組みとして、相続放棄がありますが、相続放棄の場合は、プラスの財産もマイナスの財産も一切合切全て引き継がないという制度ですので、プラスの財産とマイナスの財産とどちらが多いかわからない・・・という場合は、限定承認は良い制度のようにも思えます。

ただ、限定承認を行うと、税金面で注意しなければならないことがあります。

というのも、限定承認を行うと、亡くなった方が遺産を時価で譲渡したものとみなして、所得税が課税されることになっています。

この所得税は、相続によって取得した財産の限度で納税すればよいため、相続人自身の財産から納税する必要はありません。

ただ、遺産分割がまだ終わっていなければ、所得税を支払うために相続財産を売却することもできませんので、納税資金に困る自体に陥ることもあり得ます。

そのため、限定承認を選択する場合には、所得税額も計算した上で行うべきなのですが、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家のなかには、限定承認をすると所得税がかかるということを知らない専門家もいますので、注意が必要です。

 

10月からプロバイダ責任制限法の改正法が施行

10月1日から、改正されたプロバイダ責任制限法が施行されます。

改正のポイントは何点かありますが、そのうちの大きな1点が、発信者の特定までの手続きの短縮化です。

これまでは、

①SNS等に権利侵害文が投稿される

②弁護士に相談

③弁護士がSNS事業者等に対し発信者の通信記録の開示請求(裁判手続)

④開示されたIPアドレスを元にWhoisでプロバイダ・携帯会社等を特定

⑤プロバイダ・携帯会社等に対し発信者の住所・氏名等の開示請求(裁判手続)

との流れを踏まえる必要がありました。

ここでネックになっていましたのが、プロバイダや携帯会社が、発信者が特定できるような通信情報を保存している期間に限りがあるにも関わらず、③・⑤と2回の裁判手続きを経なければならないという点でした。

特に、SNS事業者等が海外企業の場合は、③の手続きに約3か月ほどかかることもありました。

プロバイダや携帯会社等のなかには、早ければ3か月ほどで通信情報を削除しているところもあるようですので、開示請求をしたものの、通信情報が無いため開示ができないということがありえました。

今回の改正法では、③の開示請求の際に、プロバイダ・携帯会社等が、どこの会社なのか教えて欲しい、との提供命令申立ができるようになりました。

これにより、③を終えてから④を行うということをせずとも、⑤ができるようになり、手続きが一体化されたと言われています。

③の申立てから、提供命令の発令までは、約2週間ほどといわれていますので、これまで③の手続きに約3か月かかってからでなければ、④ができなかった頃と比べると、時間の短縮になったといえます。

 

中日文化センター・栄教室として相続教室を開講

中日文化センター・栄教室が主催で、10月から、弁護士法人心の本部で相続教室を行わせていただくこととなりました。

講座名は、「親子・夫婦で実現する後悔しない相続税・遺言・贈与・信託対策」です。

日程は、

①10月16日(日)10~12時

②11月20日(日)10~12時

③12月18日(日)10~12時

④1月15日(日)10~12時

⑤2月19日(日)10~12時

⑥3月19日(日)10~12時

を予定しており、内容としましては、

① 相続対策の全体像

② 生前贈与対策でよくある失敗例

③ 不動産で相続対策を行う際にやってはならないポイント

④ 弁護士・税理士が教える生命保険の選び方

⑤ 遺言・家族信託・後見等を利用した争族対策

⑥ 相続で困った際の相談先の選び方・総まとめ

を行わせていただく予定です。

弁護士 兼 税理士ならではの教室を開催させていただきますので、皆様、ご参加いただけますと幸いです。

まだ、中日文化センターのサイトの方では申込ができないようですが、

https://www.chunichi-culture.com/index.html

直接、栄教室の方にお問い合わせいただければと思いますので、ご参加をご希望される方はぜひお願いいたします。

先進医療保険のお話し

弁護士・税理士として、相続教室を複数箇所で開催させていただいております。

そこで、生命保険を利用した相続対策のお話しをさせていただくことがあります。

そのなかで、保険の見直しなどもよくご相談をお受けするのですが、よくお話しさせていただくのが、医療保険の話です。

私は医療保険に関しては、大きく2点、大事だと考えていることがあります。

それは、①入院一時金タイプに入ること、②先進医療特約をつけること、です。

このうち、今日は②先進医療特約について、ここにざっと私がよくお話しさせていただいていることを記載します。

先進医療保険の対象となっているガン治療の先進医療は、陽子線治療と重粒子線治療です。

陽子線治療には、約270万円。重粒子線治療には、約315万円ほどの自己負担が発生すると言われています。

先進医療保険は、医療保険に付帯させる場合、月数百円程度の上乗せで1000万円~2000万円まで治療費がでますので、私は入っておいた方が安心だと考えています。

ただ、陽子線治療・重粒子線治療の公的保険の適用対象が広がっているから、先進医療保険は不要だとの意見もあります。

確かに、2022年4月から、公的保険の適用対象は広がりました。

しかし、例えば肺がんや食道がん、腎臓がん等はまだ公的保険の適用対象に入っていないなど、決して粒子線治療の適用対象部位のすべてが公的保険の対象となっているわけではありません。

ですので、私個人としては、先進医療保険は入っておいた方が安心かなと思っています。

ただ、注意が必要になりますのが、粒子線治療は日本全国すべての病院で受けられるわけではありません。

陽子線治療は日本全国でも20箇所弱、重粒子線治療は更に少なく日本全国で10箇所弱でしか受けられませんので、ご自身で治療病院を見つける必要があるという点には注意が必要です。

参考:厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧〇令和4年6月1日現在第2項先進医療技術【先進医療A】26種類、731件」

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

 

NHK文化センター名古屋教室で相続教室を開講

7月3日から、「弁護士兼税理士が教える失敗しない相続・贈与・遺言」と題しまして、相続教室を開講させていただきます。

場所は、栄にありますNHK文化センター名古屋教室になります。

相続教室では、皆さんの関心の高い相続税対策に関する話しや、争い防止対策に関する話、老後の認知症対策の話など、相続に関連するすべての項目について、お時間の許す限りお話しさせていただきます。

特に、相続税対策については、雑誌や市販の書籍等でよく特集が組まれておりますし、皆さんの関心も非常に高い分野です。

ただ、相続教室を行わせていただいていますと、子どもや孫名義の通帳を作っておいて、そこにお金を移し替えることで生前贈与が成立し、相続税対策ができていると思っておられる方も見受けられます。

これは、典型的な名義預金のパターンです。

子どもや孫名義の通帳を作って置いて、そこにお金を移し替えても、それだけでは生前贈与は成立しませんので、相続税の対象となります。

このような不適切な対策ではなく、適法・適切な相続対策についてお話しさせていただきますので、興味のある方はぜひご参加ください。

ご夫婦や親子でのご参加も大歓迎です。

2人目のお申し込み料金は、1人目の受講料の半額以下に設定されているようですし、非常にお得かなと思います。

詳しくは、NHK文化センター名古屋教室のホームページをご覧ください。

 

中古不動産を活用した行き過ぎた相続税対策に待ったがかかった

2022年4月19日、中古不動産を活用した相続税対策に対して、最高裁判所からある判断がなされました。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/105/091105_hanrei.pdf

↑こちらが全文です。

父親が亡くなる2~3年前に、合計約14億円で2棟の中古マンションを購入し、国税庁の通達どおりに土地・建物を評価し、購入時の借入金約10億円や基礎控除等を差し引いて、相続税を0円として申告したところ、税務署から「通達によって評価することが著しく不適当」との通達の例外規定が適用されるとして、約3億3000万円の追徴課税を行いました。

地裁、高裁と納税者が敗訴していましたので、まぁ最高裁でも結論は変わらないだろうなーと思っていたところ、弁論が開かれるということになりましたので、弁護士だけでなく、税理士や不動産業界、マスコミなどでも「判断がひっくり返るかも!?」とけっこうな騒ぎになっていました。

が、結果は地裁・高裁と同じ。

これまで最高裁が相続税法22条の統一的な解釈を示したことはありませんでしたので、そのために開かれたようです。

最高裁の大まかな判断としては、

1 相続税法22条はそもそも時価で評価すると書いている。

2 通達は法令じゃないから、鑑定評価額が通達評価額を上回っていたとしても、時価を上回らない限り違法じゃない。

3 そうはいっても通達を合理的な理由もなく誰かに適用しないとするのは平等原則に反する。

4 評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がある場合には、合理的な理由があるといえる。

5 今回は、中古マンションの購入・借入がなければ課税価格は6億円超だったが、購入借入により約2800万円程度になり、相続人らの相続税の負担が著しく軽減されている。

近い将来、相続が発生することが予想される。

本件購入・借入によって、相続税の負担を減じる又は免れさせるものであることを知っていた、かつ、これを期待して、あえて本件購入・借入を実行した。

といった事情を考慮して、本件購入・借入のような行為をしない又はできない他の納税者と比較すると、実質的な租税負担の公平に反するから、「合理的な理由がある」として、地裁・高裁の判断を支持しました。

考慮要素としては、額・購入時期・目的等がみられているようです。

最高裁の判断そのものは、租税回避行為に厳しい裁判所の立場を今一度示したものとして、オーソドックスな判断かと思います。

ただ、少なくとも納税者は違法な行為を行っていたわけではなく、あくまでも通達に定められた評価方法で申告を行っていたのですから、過少申告加算税の部分は取り消してもよかったのでは?と思います。

相続税に関するご相談をお考えの方はこちら

成人年齢の引き下げ

令和4年4月1日から、18歳以上が「成人」となりました。

4月1日の時点で18歳・19歳の方は法律上「成人」となります。

18歳・19歳の方は、親の同意がなくても携帯電話を購入したり、アパートを借りたり、クレジットカードを作ったりすることができるようになります。

実際には、携帯電話を分割で購入する場合やクレジットカードを作成する際には、携帯会社やカード会社の審査が入りますので、そこで審査に通らないこともあるでしょうし、アパートも大家さんが親の保証人付きでなければ許可しないことも十分にあり得ます。

ただ、法律上は、18歳・19歳は一人で契約をすることができるようになりました。

これに伴い、Twitterなどを見ていると弁護士等の専門家のなかでは、18歳・19歳を狙った消費者被害の拡大が懸念されています。

これまでは、20歳を過ぎるまでは、親の同意を得ずに子が契約した場合には、原則として未成年者取消権が使えましたので、それによって18歳

・19歳は守られていましたが、今後はそれも使えなくなります。

その一方で、お酒やたばこに関する年齢制限は20歳のまま維持されています。

また、競馬・競輪・オートレース・モーターボートなどの公営ギャンブルと呼ばれるものも年齢制限は20歳のまま維持されています。

これらは、健康被害やギャンブル依存症対策のことを考慮して、従前の年齢制限が維持されているようです。

成人式は、20歳に行う自治体が多いようです。

20歳、というのは一つの区切りとして分かりやすかったですが、今後は高校卒業したら成人みたいなイメージ(実際は在学中だと思いますが)になっていくのでしょうか。

一人で契約できるからといって、慢心せず、大きな買い物はご両親と相談のうえで行い、消費者被害には十分お気をつけください。

デジタル遺産と相続

ネットバンク、ネット証券、仮想通貨、マイル、ポイント、電子書籍など、実際の「物」は存在しないものの、財産的な価値のあるいわゆる「デジタル遺産」はとても増えました。

この「デジタル遺産」の相続における取扱いが最近問題になりつつあり、今後も増えることが予想されます。

現時点での問題点は、大きく3つかと思われます。

1 そもそもデジタル遺産が見つからない

ネットバンク、ネット証券、仮想通貨などを家族がやっていたことは知っていても、最近では通帳や株券などの現物が手元に送られてくることが少なくなっているため、家族がその存在に気がつかないこともよくあります。

その際に手がかりとなるのが故人のスマホです。

しかし、そもそもスマホにログインできなかったり、スマホはログインできても、各サイトやアプリにログインすることができずに、故人の遺産がどこにどれだけあるのかわからないことがあります。

2 財産的な価値がわからない

デジタル遺産のなかには、サービスの利用規約によって、亡くなった場合、相続人には引き継がれない旨が規定されているものもあります。

ただ、サービスによって、利用規約にはそのように定めているものの、相続人から連絡があった場合には、個別に引継等の対応をしているサービスもあるようです。

ご不明な場合は、サービス提供者に連絡してみるか、相続に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

また、マイルやポイント等のなかには、額面の数字と金額が必ずしも一致しないものもあります(例えば、500ポイント=100円、500ポイント=1,000円の旅行券など)。

そのような場合、ポイント数によっては財産的な価値が認められ、相続税の課税対象となることがあります。

評価額がご不明な場合は、相続税に詳しい税理士に相談しましょう。

3 金銭的な価値はないが大切な思い出がある場合

例えば、Twitter、Facebook、Instagram、TikTokなど、家族の大切な写真や映像がSNS上に残されていたり、スマホのなかに写真や映像が残されているけれども、IDやパスワードがわからずに保存ができないということがあります。

最近では、SNS提供者が家族にアカウントや保存されているデータの引継サービスを行っているところもあります。

また、Apple社は2021年の12月頃のiOSのアップデートで亡くなった家族のAppleアカウントにアクセスできるようにする手続きを始めています。

ご生前の間に、「この人ならアクセスしても良い」という方をあらかじめ決めておくサービスもあるようですので、お元気なうちに調べておくことをお勧めします。

コロナ対策で高齢者施設や病院では面会できないと言われた・・・遺言書はどうすればいいの?

コロナ禍となってから2年近くが経過しますが、様々な高齢者施設や病院等では、クラスターの発生を絶対に避けなければならないため、面会のルールを厳しく設けているところも多いです。

例えば、一日の面会組数を5組まで、と制限していたり、面会時間を20分~30分と制限していたりします。

仕方が無いことではありますが、このような対応をとられているため、入居者や入院されている本人が遺言書を作るために家族や弁護士と会いたい旨を伝えても、施設側や病院に断れてしまうケースが発生しています。

このような場合、弁護士法人心では、弁護士が施設や病院に遺言書の必要性や施設や病院にできる限り負担にならないような面会方法をご提案させていただくことで、遺言書の作成を実現しています。

遺言書がないまま亡くなられてしまうと、遺産分割協議を行わなければならないため、紛争に発展してしまい解決までに1年以上かかってしまうこともよくあります。

当然、その間、被相続人の財産は使ってはいけませんので、納税や生活費等もご自身の預貯金から出さなければなりません。

実際に遺言書を作られた方のなかには、作ってから数日後に亡くなられたケースもあります。

クラスターの発生は、最大限気をつけなければなりませんが、遺言書がなければご家族が大変な思いをされますので、施設や病院等から面会を断られてしまい、遺言書の作成に困っている方は、弁護士法人心にお気軽にご相談ください。

相続チームの弁護士が誠心誠意対応させていただきます。

弁護士法人心の遺言サポートサイトはこちら

不動産の共有が税金対策になる場合がある

相続では、できる限り不動産の“共有”は避けるべきと言われます。

仮に、不動産を父1/2、母1/2で共有し、父親が亡くなった場合、父の1/2の持分を母以外の相続人が取得しても、売却できるわけでもないからです。

ただ、意図的に共有状態にした方が、結果として相続税の節税につながる場合があります。

それは、マイホームの売却を考えている場合です。

マイホームを売却すると、売却益に対して所得税が課税されますが、「居住用財産を譲渡した場合の特例」の適用を受けることができれば、最高で3000万円まで譲渡所得から控除することができます。

この3000万円の控除は、共有者1人につき3000万円です。

ですので、例えば、夫が100%の所有権を有するマイホームであれば、まず夫1/2・妻1/2の共有名義にします。

この際、夫から妻に対する1/2の持分の贈与になりますから、贈与税が課税されますが、「おしどり夫婦の贈与税控除の特例」を利用することで、2000万円まで非課税になります。

次に、夫と妻がそれぞれこの1/2の持分を第三者に売却し、「居住用財産を譲渡した場合の特例」の適用を受けます。

そうすると、3000万円×2人=6000万円まで譲渡所得から控除することができます。

夫1人で100%の持分を有しているときに売却した場合は、3000万円までしか控除を受けることができませんが、夫と妻の共有名義にすると、更に3000万円の控除を受けることができるのです。

このように、あえて共有にすることが税金を安くする場合もありますので、不動産に関する税金に詳しい税理士に相談されることをお勧めします。

政治家の相続対策

前回、相続税の法改正で生前贈与が難しくなる、課税が強化されるかもしれないというお話しを紹介させていただきました。

今回の改正の理由について、当時の甘利大臣は暦年贈与を行っていた人と行っていなかった人で相続税額が変わるのは不公平だから、という理由を説明していたようです。

ただ、「不公平」という観点で考えると、実は非常に不公平に思える相続対策を行うことができる方がいます。

それは、政治家です。

実は、日本の政治家は政治団体・資金管理団体を活用して、合法的に無税で財産を親から子へ承継させることができます。

政治団体は、法的には「権利能力なき社団」と解釈されています。

実は、この政治団体を利用し、親の政治団体から子の政治団体へ「寄付」という方法で資産を移動させた場合、法人税・贈与税・相続税のいずれも課税されることがないのです。

ただ、政治団体間の寄付は、政治資金規正法によって年間5000万円までとされています。

・・・が、実はこれは「政治団体1つにつき」ですので、政治団体が多ければ多いほど、無税で財産を移動させることのできる金額は増えるんですね。

親子の2世議員が多い理由もこれを読むとわかっていただけるかと思います。

ですので、私なんかは、政治家が「相続税を課税される人と課税されない人で不公平だ。」なんて理由付けをしているところを見ると、「なんだかなぁ・・・」という気持ちになります。

なお、これらの方法は、いずれも合法ですので、国会答弁で質問をされたとしても、「法律の範囲内で適法にやらせていただいております。」との答弁が可能です。

暦年贈与ができなくなる?

最近、週刊誌等の相続特集で「2022年4月以降は暦年贈与ができなくなる」、「110万円贈与ができなくなる」との記事をよく見かけます。

そもそも、相続税は亡くなったときの遺産の額が多ければ多いほど高額になりますので、皆さん、「生きている間に家族に財産をあげて遺産を少なくしよう」と思われます。

税務署は皆さんがそのように考えることをわかっていますので、日本の法律では相続税よりも贈与税の税率の方が高く設定されています。

そうすることで、皆さんが安易に贈与しないようにしているわけです。

ただ、贈与税には「基礎控除」といって、一定の金額までは贈与しても税金がかからない額が設定されています。

それが、110万円です。

そのため、皆さん、110万円まで贈与しようという発想になり、毎年=暦年贈与を保険会社や銀行等の金融機関でもお勧めされます。

この暦年贈与が2020年12月に発表された税制改正大綱に「相続税と贈与税の一体化」という文言が記載されていたため、これまでと同じように行うことはできなくなるのではないか、と言われています。

具体的な改正内容としては、現行法では亡くなる前3年以内に生前贈与した財産は相続財産として取り扱われていますが、こちらの期間を例えば10年にするなどの案が考えられます。

まだ明確に法改正の内容が定まったわけではありませんが、相続に詳しい税理士や弁護士等の専門家は何らかの方法で記載される可能性は高いと考えているようです。

確かに、最近の法改正の動向を見ていると、相続財産に対する課税を強化する動きであろうとは思います。

しかし、この話をきっかけに、「早めに生前贈与をしなければ損をしますよ。」、「生前贈与に有効な商品がありますよ。」という保険会社や信託銀行の売り込みが予想されます。

私の相続教室でもよくお話しをさせていただいていますが、本当にこれらの商品が相続対策になっているかどうかは慎重に判断する必要がありますので、相続に詳しい税理士・弁護士にご相談されることをお勧めします。

相続のご相談はお早めに

弁護士・税理士の小島です。

最近、色んなところからお声がけをいただき、一日ものや連続ものの相続教室を開催させていただくこともよくあります。

その際に、「一度、家に帰ってから整理してご相談したい」とおっしゃっていただくこともありますが、相続は、法律・税金・不動産・保険などのあらゆる知識・経験が求められる特に専門性の高い分野ですので、ご自身で現状の整理を行うことは非常に困難です。

最初のご相談では、関係する書類をすべて持ってくる必要もありませんので、とりあえずはご自身やご家族の状況を整理し、把握するくらいの軽い気持ちでまずはご相談されることをお勧めします。

相続の対策は、対策が遅れれば遅れるほど、効果的な対策を採ることが困難になるという性質を持っています。

例えば、生前贈与を利用した相続税対策も、法改正によってこれまでとは同じことができなくなる可能性は十分にあります。

他にも、遺言書を活用した「争族」対策も、たとえ公正証書遺言で作成していたとしても、遺言書を作成した年齢が高齢になればなるほど、あとから遺言書の無効確認訴訟を起こされる可能性があります。

また、いまの日本の法律では、万が一、重度の認知症になってしまった場合、それから相続対策を行おうと思っても効果的な対策を行うことはできません。

ですので、まずは、一度、無料相談をご利用されることをお勧めします。

相続税の申告は税理士法人心にお任せください

相続税の申告は、亡くなってから10か月以内に行わなければなりません。

相続税申告を行うためには、以下の手続きをすべて終わらせる必要があります。

1 遺言書の有無の調査

2 相続人の調査

3 相続財産の調査

4 遺産分割協議または調停もしくは審判

5 相続税申告書の作成

ご家族が亡くなってからすぐに相談に来られる、という方はあまりいらっしゃいません。

ご葬儀や初七日法要でバタバタしており、税理士のところにご相談に来られるのは、亡くなってから3か月~6か月ほど経過してからになることも少なくありません。

ただ、上記1~3も約1か月ほどかかることも少なくありませんし、4の遺産分割協議はご家族の間で特にもめてなければさほど時間はかかりませんが、お話し合いで決着がつかなければ、解決までに半年~1年以上かかることもあります。

そのような場合は、一旦、相続税を安くする特例は使えない状態で、一番高い相続税を納め、遺産分割が終わった後に税務署に対して、払いすぎた税金を返してくれ、という手続きを行うことになります。

ただ、この方法は手続きを行うための要件がかなり厳しく定められていますので、必ず、相続税に詳しい税理士に相談してください。

税理士法人心では、グループ法人である弁護士法人心の弁護士と一緒に、解決方法をご提案させていただきます。

相続に関するご相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

税理士法人心のホームページはこちら

 

司法試験と弁護士業界

昨年度は、コロナの関係で司法試験全体の日程がずれ、合格発表は1月末になされたようですが、今年は例年通り9月末頃になされるようです。

昔、司法試験の担当を務められたことのある先生とお話しをさせていただいた際に、どうしてこの頃の発表になるのか尋ねたところ、先生方の夏休み期間に採点をするからだというお話しをうかがったことがあります。

夏休みのほとんどが採点にとられるので、ひどい答案を見かけると「俺たちの夏を返せ」と言いたくなるという感想をもたれるそうです笑

先日、久しぶりに法務省の司法試験に関するサイトを見る機会があったのですが、ずいぶん様変わりしたなぁ・・・と思った点がありました。

それは、受験人数です。

私が受験していた頃は、まだ1万人弱の受験者が毎年いたのですが、気がついたらいつの間にか受験者全体で4000人を切る状況になっていたんですね。

昔から、毎年のように司法試験受験者の質が~とか今年の弁護士の質は~などと言われていましたが、確かに受験者自体がこれほど減っているにもかかわらず、合格者の人数を減らして調整していないのであれば、質が~などと言われることもわからなくはないです。

ただ、弁護士の人数が増えたことで、ようやく弁護士業界にも「競争」という概念が持ち込まれたのではないかと思っています。

価格競争も一気に進んでいますし、お客様側からは悪いことばかりではなく、メリットも多々あるだろうと思います。

弁護士側としては、価格競争が起きることは正直あまり歓迎できることではないのですが、これまで殿様商売が成り立っていて顧客サービスを考えなくても商売が成り立っていた事の方が不健全ではあるので、良い流れではないかと思います。

 

デジタル通貨と相続

PayPay、Suicaなどの交通系、LINEペイ、メルペイなど、チャージをして買い物ができるデジタル通貨は様々ありますし、これからも増えてくることかと思います。

これらの資産も金銭的な価値があるため、相続財産になると思われがちですが、現実には様々な問題があります。

一つ目の問題は、そもそもご家族がデジタル資産・デジタル通貨の存在に気がついていないことがあり得るということです。

スマートフォンやタブレット端末にパスワード等がかかっていなければ、インストールされているアプリを一つずつ確かめることで確認ができます。

しかし、パスワードがかかっていた場合、本人しかそのパスワードを知らないと、スマホやタブレットにログインすることすらできなくなることがあります。

最近では、個人情報漏洩防止のため、複数回パスワードを間違えるとデータがすべて消える設定とされているものも少なくありません。

また、専門の業者に依頼をした場合でも、パスワードでロックされている端末から保存されている情報を抽出することは簡単なことではありません。

そのため、家族が気がつかないまま、亡くなった方のデジタル資産を喪失することがあり得ます。

二つ目の問題は、チャージされている資産がある場合でも、アプリ会社の利用規約によっては、相続することができないこともあり得るということです。

アプリ会社によっては、利用規約に利用者が亡くなった場合には残高の払い戻しを現金で行うことができない旨や残高自体がゼロになってしまうことなどが定められているところもあります。

多くのアプリでは、資金決済法との関係で上限額が定められており、その額も数万円程度のものが多いようですが、なかには100万円超も可能なアプリもあるようです。

デジタル通貨も金銭的な価値がある以上、現金と同じように相続財産となるのではないか、とも考えられますが、デジタル通貨は現実に存在する「物」ではないため、「所有権」が観念できないという問題があり、預貯金や現金と同様に考えることが難しい側面があります。

最近では、NFT(ノンファンジブル・トークン)というデジタル資産に所有権に類似する権利を持たせようとする仕組みもできつつありますが、またまだ法整備等は追いついておらず、弁護士もなかなか対応できていないのが現状です。

デジタル資産をお持ちの方は、ご自身が亡くなった後のことを考えておかれることをお勧めします。