煽り運転に遭わないためには

弁護士法人心 池袋駅法律事務所の岡原です。

前回は,なぜ煽り運転をする人がいるのかという話をさせていただきましたが,反対に煽り運転をされないためにはどうしたらよいのでしょうか。

煽り運転をする人の多くは,その人なりのきっかけがあり,それに対する過剰反応又は仕返しとして煽り運転を行っていると考えられます。
(中には,煽り運転そのものが楽しくて仕方ないという異常な人がいるかもしれませんが,そういった方には対処のしようがないので除きます。)
つまり,相手を不快にさせない運転を心がけることで,煽り運転をされるきっかけを減らすことができる可能性があります。

例えば,車線変更をする際は,進路変更の3秒前から進路変更終了時までウインカーを点灯させることが定められていますが(道路交通法施行令21条),進路変更しながらウインカーを点灯させる方や,そもそもウインカーを出さない方なども多くいらっしゃいます。
車線変更する側からすれば,後方との車間距離も十分空いているから問題ないと考えているかもしれませんが,後方の車両からすれば,何の前触れもなくいきなり車線変更してきてびっくりしたと思うかもしれません。
そして,このことを自分に対する嫌がらせと捉えてしまい,「自分は何もしていないのにいきなり嫌がらせをされたから,こちらも仕返しをしよう。」と考えて煽り運転をしてくる可能性も十分にあります。

ウインカーを出すタイミングは,上記で述べたように法令上の定めですので,それを遵守していただくことは当然ですが,そもそも「いきなり入ってきたら後続車両がびっくりするかもしれない。」といった他の車両へ配慮ができれば,仮に道交法の規定を知らなくても(自動車学校で必ず教わるので,できれば覚えておいていただきたいですが,)適切にウインカーを出すことができるはずです。
また,相手を不快にさせないという観点でいえば,
・追越車線をいつまでも走る
・急発進,急停止
・車間距離が狭い
などの行為は,急いでいる相手をイライラさせたり,不安にさせたりする可能性が高い行為のため,控えるようにしましょう。

そして,これらに注意していても煽り運転に遭ってしまった場合は,安全な場所に移動して車から出ず,警察へ通報しましょう。