ウインカーを出すタイミングと過失割合

弁護士の岡原です。

先日,インターネットニュースに,ウインカーを出さない自動車の多い都道府県別ランキングというものが掲載されていました。

結果は,皆さまご自身で検索してご覧いただければと思いますが,ウインカーを出さずに自動車を運転されている方は,マナー違反ではなく,道路交通法違反であり,罰則も定められている行為であることを認識して,絶対にやめていただきたいものです。

私が勤務している東京は,思ったより順位が低く,安心しましたが,日本全体でウインカーを出さない件数は減って欲しいと思います。

ところで,「ウインカーを出さないなんて信じられないなあ。」と思いながらこれを読んでくださっているそこのあなたも,ウインカーをどのタイミングで出さなければならないかご存知でしょうか。
「教習所で習ったけど,大昔のことだから忘れた。」という方は,適切なタイミングでウインカーを出さずに交通事故となった場合,それによって過失割合が不利となる可能性がありますので,注意が必要です。

まず,車線変更時は,車線変更を行う3秒前に,右左折時は右左折する地点から30メートル手前の地点に達した時に,ウインカーを出すことと定められています(道路交通法53条1項,道路交通法施行令21条)。
車線変更車と後続車と衝突した場合,基本的過失割合は車線変更車:後続車=30:70となり,車線変更時に合図なしの場合は車線変更車に+10の修正がなされます。
ところが,車線変更を開始した段階でウインカーを出した場合や,車線変更の直前にウインカーを出しただけの場合など,道交法及び道交法施行令で定められた出し方から大きく外れている場合は,ウインカーを出していても合図なしとみなされて上記修正をされる可能性があります。

仮に交通事故に至らなくても,このようなウインカーの出し方は後続車に危険ですので,適切なタイミングでウインカーを出すよう普段から心がけましょう。